2017年8月7日 更新

〈パンツェッタ・ジローラモ〉失敗してもひたすら前に。イタリアーノが異国で人生を楽しむ方法とは?

「お金とは、幸せと不幸を表すもの。(パンツェッタ・ジローラモ)」

2017.2.10
雑誌『LEON』では”ちょい不良(わる)オヤジ”の体現者として表紙を飾り、テレビでは陽気な話術とキャラクターで誰もが笑顔になる存在、パンツェッタ・ジローラモ。実はモデルやタレントの他に、レストラン経営やコンサルティング、コーディネーターなども手掛け、実業家としての顔も持つ。業種職種問わずかろやかに、そして自由に色とりどりの人生のSTAGEで活躍するイタリアーノの根幹に迫ってみた──。

■ゼロベースで来日。前に進むしかない

『LEON』モデルとして、【連続して最も多くファッション誌の表紙を飾った数(男性モデル)】という記録名で2014年にギネスに認定され(当時151回)、その知名度は抜群。今日本で一番有名なイタリア人と言っても過言ではないだろう。

ジローラモが日本へ移住したのは1988年、今から約30年前にさかのぼる。イタリア・ナポリで建築一家の三男として生まれ、ナポリ建築大学在学中から亡き父の後を継いで仕事をはじめた。主に政府からの依頼を受け、歴史的建造物の修復にたずさわっていたそう。

「移住を決めたのは偶然。たまたま飛行機で隣になった妻に恋に落ち、結婚することが決まったからです。イタリアから日本。言葉はもちろん、文化も環境もまったく違う場所で生きていかなければならなくなり、守るものもできた。前に突き進むしかない。その気持ちだけでしたね」

■成功するには「失敗してもやり続けること」

移住後は日本の大学で経済学を学び、NHK『外国語会話 イタリア語会話』に出演。日本人にはないリアクションや巧みな話術で、外国人タレントとして人気者に。さらに、飲食店経営、大学講師、コンサルタントなど、フィールドの幅を広げていく。

ただしその過程は順風満帆というわけでなく、失敗もしたそう。「日本では後ろ盾は何もなかった。だからひたすら前に進むしか生きていく選択肢がなかった。人間関係、会社経営、お金……、失敗もたくさん。でも続けることが大事だった。色々なことを楽しくやり続けていれば、色んな角度から物事をポジティブに捉えられるし、自分の環境も変わるし、笑顔で仕事すれば、笑顔がみんなを幸せにすると信じていたから」。

“イタリア人は人生を楽しむ”と言われるが、それには経験を積むことが不可欠だとジローラモは言う。「経験は大事だと思います。経験があれば、別に失敗することは最低なことじゃないと思う。失敗も経験だし、必ず次に生きるから。だからすべては”経験”で、”失敗”と呼ばないほうがいいのかもしれないね」。

■お金にはポジティブに。自分の周りを循環するものとポジティブに捉える

仕事のきっかけはいつも遊びから生まれるんだ、とジローラモは言う。「仕事というのは、何か特別なことじゃなくて、自分が楽しいと思えることを遊びながら模索し、これは仕事になりそうだと思ったら、ビジネスにする。僕はいつだって楽しい気持ちで仕事していたんです」

とはいえ、ビジネスではお金のことでシビアにならざるを得ない。ただ、ジローラモが考えるお金に対しての考え方はいたってポジティブだ。

「僕の場合は、あんまり自分のお金の出入りに対してシビアではないのかもしれません。自分の仕事があり、その仕事の周りでお金が循環している。なぜならば、仕事でお金はどういう風に使ったら、投資したら儲けられるのかを先に考えるのではなく、仕事でどんな風に自分を活かせるのかを先に考えているから。そうすると、必然的にお金は回ると考えているからです」

■ファッションも車も。すべてが自分を現すツール

今では、”ちょい不良(ワル)オヤジ”を地でいくキャラクターが定着。自らブランドをプロデュースするほどファッション好きで、時間があれば世界各地を訪れる根っからの旅好き。さらには、クラシックカーから最新スポーツカーまで、車好きとしても有名だ。
「常にどういう人間でありたいか、どんな人間に思われたいか。意識することはとても大切なことだと思います。ファションも車も住まいも。すべてが自分を構成する要素」とジローラモは断言する。

「あ、あの人は『LEON』の人だなと、私のイメージがそこにあるから、今の自分をきちんと意識することが大切。特に年齢を重ねるほど必要。背伸びする必要はない。それは、僕のように人前に出る仕事だけじゃなく、どんな仕事でも同じだと僕は思うんです。新しいチャンスをきちんと捉えるためにも、イキイキしていなきゃいけないからね」。
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