「すごい自分でなければならない」という感情や「嫌われるかもしれない」という不安はすべて自身のプライドの高さからくるものですが、堀江氏曰く、そういう人ほど堀江氏に「今が飛びつくべきチャンスなのか、どうやって見分ければいいのですか?」といった(見当違いな)質問をしてくる傾向にあるのだそうです。
しかし、嫌われることや失敗して恥をかくのを恐れて小利口にふるまうのが一番ダメ。逆にプライドを持たずノリで動ける人ほど結果的にチャンスをつかむことができるといいます。ちなみに、その一例として芸人の猫ひろしさんがカンボジア代表のマラソン選手になった時の意外なエピソードが紹介されていました。
なんでも、芸人として伸び悩んでいた猫ひろしさんの相談に乗った堀江氏が、特技がマラソンだと言う話を聞いて「オリンピックに出ては?」と提案したのだそうです。もちろん彼の記録では日本代表にはなれなかったので、「カンボジア代表で」という突拍子もない条件つきだったのですが、彼は「それいいですね!やばいですね!」と即快諾。
結果的にオリンピック出場はギリギリのところで叶いませんでしたが、今もカンボジア代表として大会に出場して現地では大人気に。日本でも「マラソン芸人」という確固たる地位を作り出しました。この成功は、プライドが高く「恥ずかしい」という感情が少しでもあったら掴めなかったはずです。
さらに、堀江氏自身もこの本の出版後にピン芸人として「R-1ぐらんぷり」に出場。人気者の堀江氏が“面白くない”と評価されることは「リスクが大きすぎるのでは?」と無関係の私ですら驚きましたが、当の本人は周囲の心配もよそに大活躍。しっかり笑いも取って、普通では得難い経験まで手に入れました。
幼少期から本音を言い続けてきた堀江氏にとって、本書を上梓するまでは「本音を言わずに、何か良い事があるのか?」「なぜ本音で生きないのか意味が分からない」と思っていたそうですが、その理由を彼自身が頭の中でかみ砕き、言葉にしてくれたことで多くの人の参考になるアドバイスが生まれました。
紹介しきれなかった言葉もたくさんありますので、本音で生きたいけど現状そうではないと言う人は一読の価値ありだと思います。
なぜ「フランス人は1割しかお嫁に行かない」のに幸せなのか?
今回手にした本のタイトルは『フランス人は1割しかお嫁に行かない』。見た瞬間「それって本当?」と疑いたくなってしまいましたが、2010年の統計によると20代フランス人女性の婚姻率はわずか6.3%。30代を加えても14.75%という数字なのだとか。ですが驚くべきはこのデータだけではありません。フランスではそもそも「嫁に行く」という概念(単語)すら存在せず、恋愛も結婚もかなりフリースタイル。そして事実婚の割合が全カップルの50%にのぼるという、世界でも稀な国なのです。