2019.11.12
酉の市とは
「大酉祭(おおとりさい)」とも呼ばれる酉の市は、毎年11月の酉の日に開かれます。では酉の日とはいつのことなのでしょう。ここで使われる暦は、中国伝来の十干(じっかん)と十二支を組み合わせたもので作られ、十二支に使われる12の動物の名前を使って表わされます。丑の日、羊の日、酉の日など12種類の日は、1年を通して12日毎に巡ってくることになっています。その中でも11月に巡ってくる「酉の市」は、年越し前の祈願祭として江戸時代に始まり、現在まで受け継がれてきました。2019年11月には酉の日が2回あります。1番目が11月8日(金)、2番目が11月20日(水)。年によっては3番目の酉の日がある場合もあり、その時には酉の市は3回開かれることに。それぞれ「一の酉(または初酉)」、「二の酉」「三の酉」と呼ばれます。今年は一の酉はすでに終了しているので、二の酉に出かけてみましょう。
酉の市では何をするの
酉の市は、今年一年無事に過ぎたことに感謝し、翌年の幸運や商売繁盛を祈願します。江戸時代に始まったこのお祭では、「運をかき集める」ために「熊手」の飾物が売られるようになり、それが今でも伝統として残っています。
熊手は、宝船、おたふく、招き猫、打ち出の小づちなどの伝統的なものからサンリオのキャラクターや世相を反映した縁起物で飾られとても華やか!見るからに幸運が舞い降りてきそうです。熊手の他「ますます繁盛」を文字って枡が使われる場合もあります。
買い求めた熊手は、家に神棚がある場合はそこに置くのが一番ですが、ない場合は人が集まる所で、明るくて清潔な場所に飾ります。1年飾った熊手は、翌年の酉の市に持って行き、神社に収めてもらいます。
買い求めた熊手は、家に神棚がある場合はそこに置くのが一番ですが、ない場合は人が集まる所で、明るくて清潔な場所に飾ります。1年飾った熊手は、翌年の酉の市に持って行き、神社に収めてもらいます。
酉の市が開かれる神社
酉の市は関東地方の伝統行事。特に、東京が中心になっています。ただし、どこの神社でも開かれるというのではなく、「酉」というだけあり、鳥に因んだ神社で開かれるのが一般的です。「三大酉の市」と呼ばれている台東区の「鷲神社(おおとりじんじゃ)・長國寺(ちょうこくじ)」、新宿区の「花園神社」、府中市の「大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)」などいくつかの酉の市を紹介します。
台東区「鷲神社・長國寺」
「おとりさま」の愛称で親しまれている東京台東区の鷲神社は、浅草寺から歩いて10分ぐらいの所にあり、酉の市の会場として最もよく知られています。酉の市前夜の23:15から前夜祭が始まり、酉の日の0:00に1番太鼓の「ドン」という大きな音がするといよいよ酉の市のスタートです。酉の市は24時間ノンストップ!
鷲神社の隣にある長國寺は、もともとは鷲神社と合体した宗教施設でした。明治になって神と仏を分離させる法律が作られ、現在のように分かれているのですが、酉の市は今でもこの2か所で開かれます。
住所:東京都台東区千束3-18-7
公式サイト:http://www.torinoichi.jp
新宿区「花園神社」
新宿の中心地にある花園神社は江戸時代から新宿エリアの守り神として敬われてきた所です。酉の市は「大酉祭」と呼ばれ明治時代に始まりました。花園神社の酉の市では、前夜祭も呼び物の一つ。前日の夕方から始まり周辺の靖国通りに沿って280店もの露店が並びます。この前夜祭は夜中の2時ごろまで続きます。そして、酉の日当日には昼ごろから本祭がスタート。本祭は夜中の2時ごろまで続きます。
この酉の市でもう一つ体験したいのが「見世物小屋(みせものごや)」。サーカスと似た催し物で昔は縁日やお祭りなどで日本各地で慣行されていました。ところが時代の波に押されて、今では日本に1軒しか残っていないとのこと。それを観れるのが花園神社の酉の市です。
住所:東京都新宿区新宿5-17-3
公式サイト:http://www.hanazono-jinja.or.jp
その他の酉の市
大國魂神社
住所:東京都府中市宮町3-1
公式サイト:https://www.ookunitamajinja.or.jp/matsuri/11-ootori.php
目黒大鳥神社
住所:目黒区下目黒3-1-2
公式サイト:http://www.ootorijinja.or.jp
北野神社
住所:中野区新井4-14-3
公式サイト:http://araitenjin.com/schedule.php
巣鴨大鳥神社
住所:文京区千石4-25-15
公式サイト:http://www.ootori.org/ootori/index.html
十番稲荷神社
住所:港区麻布十番1-4-6
公式サイト:http://www.jubaninari.or.jp/tori.html
まとめ
関東、特に東京の11月を彩る大イベント「酉の市」。慌ただしい年末に入る前に、神社に足を運び、ぜひ縁起物で飾られた熊手を買って、今年一年無事に過ごせたことに感謝し、来年の幸運を祈願しましょう。