1円でも高く売れるように、自分に付加価値をつけアップデートしていくことが大切。そんな杉村が今、自らをアップデートするためにやっていることが……。
「37歳でもう一回勉強しようと昨年の4月から慶應義塾大学大学院の博士課程に在籍しています。かつて大学教育で大きな失敗をしたこともあるのかもしれません。清掃員から衆議院議員になり今はテレビの世界で生きている。この人生に誇りを持っていますし非常に満足しています。でもここで止まってはダメだろうと思い、勉強することにしました」。
現状維持ではいずれ後退してしまう。大学時代、強烈な失敗をした杉村は、自らをアップデートすべく、37歳にして大学で学び直すという大いなる挑戦を続けている。
■杉村太蔵にとってお金とは…
自らをアップデートし続ける杉村太蔵。持ち物などに関しても投資を惜しまないのだろうか?
「このスーツ、2万9,000円ですよ。ベルトは、もう8年ぐらい使っています、ほら、ボロボロ(笑)。セーターも1997年12月から20年も着ているものがあります。そういう男ですよ、僕は。余計なものには一切お金をかけません。財布も持っていませんから。クレジットカードとケータイの電子マネーだけ。お札にカードを挟んで持っています。私の会社の経費はカードか電子マネーで使ったもの以外は申告しません」。
見た目の投資にもお金をかけるかと思いきや、余計なものには一切お金を使わない主義。そしてお金に関してもうひとつ、長年の間守り続けている信念がある。
「もう1つ大事なのは、違法行為をしないこと。自己コンプライアンスというのはものすごく意識します。私はいろいろお騒がせしてきましたが、お金の問題でどうこうなったことは一度もなくないですか? これだけ投資をやっている、これこれをやっていると言っても、お金のことで後ろ指さされることは一回もありません。当たり前のことをきっちり日々積み重ねていくという基礎の部分は、すごく大事にしますね」。
清掃員から政治家に。今では投資家として数億円の資産を持つ杉村太蔵。彼にとってお金とは?
「お金とは、愛してやまないものである。それ以上いいようがないですね(笑)。お金はあればあるだけいい。本当に人間の欲望を刺激します。例えば、年収300万円の人から見た年収500万円の姿はすごく憧れますよね。でも年収500万円の人は年収1,000万円の世界に、年収1,000万円の人は年収2,000万円の世界に、年収2,000万円の人は年収5,000万円の……とどこまで行ってもキリがありません。どこかで諦める力を持っていないと本当に苦しみます」。
上を見たら終わりのない世界。杉村はお金のもうひとつの側面についてこう語る。
「でもよくよく考えると、お金は、とにかくやっかいなものです。だから私は自分の基準を決めています。証券会社時代の年収500〜600万円。残業代含め、手取りで月収50万円くらい。これを一つのラインにして、それを上回ったら良かったなぁと思うようにしています」。
キリがないからこそ自分の基準を持つことで指標ができる。また下を見ることも忘れないという。