東京モーターショー2017で勝者が見える

東京モーターショーといえば、華やかな車の祭典です。しかし、今年のモーターショーは、これからの経済を見通すヒントが沢山ありそうです。ぜひ、注目しましょう。

2017.10.28
今年のモーターショーも車の新しいコンセプトで溢れています。今まで見たこともないような車、ワクワクするような車など、車好きには欠かせないビックイベントです。そのため、今回も開催の約10日間で約90万人の来場者が見込まれています。

ゲームチェンジャーになるのは?

今年の注目は、例えば手でアクセル・ブレーキが操作できるジョイスティック型のコンセプトカーや、表情を認識して目的場所を選んでくれるような自動運転車などなどユニークな車がたくさんあるようです。会場では、153団体が371車を持ち込んで技術やコンセプトを競っています。
さて、今年のモーターショーには車好きからだけではなく、経済界や投資家からも大きな注目が集まっています。その理由は、ずばり、誰が自動車業界のゲームチェンジャーなるのか? これからの自動車産業の勝ち組になるメーカーはどこか? ヒントがその会場にあふれているからです。
そのためか、いつも以上に自動車会社が威信を掛けて臨んでいるように感じます。

2025年におけるイノベーション

実は、このモーターショーでは、2013年にマッキンゼー社から発表された「2025年における破壊的技術」の12個のイノベーションのうち、3つを見ることができます。破壊的技術というと少し難しそうですが、簡単に表現すると「スマホ」みたいに世の中の仕組みを大きく変える技術だと思ってください。
さて、今回のモーターショーでは、3つの破壊的技術、IoT、自動走行車、エネルギーを見ることができます。
まずは、例えば運転手の表情や好みなどを読み取り目的を推測したり、さまざまなデータ収集で運転の効率化を計るようなIoTです。このIoTの市場規模は270兆円〜620兆円と予想されており、その市場規模の大きさはモバイル・インターネットやAI市場と匹敵します。次に、自動走行車です。人の運転技術に依存しない自動による運転は、交通事故防止の観点などからも注目を集めています。その市場規模は20兆〜190兆円と言われています。3つ目は、EVです。EVとは電気自動車ですが、電気自動車に欠かせない蓄電システム、全固体電池の市場規模は10〜60兆円とされています。
この3つを合計すると、300兆円〜870兆円の市場規模と推定され、スマートフォンを超える可能性のあるポテンシャルの高い市場です。ちなみに、スマートフォンの勝者といわれている米国アップル社の株価は、2007年のアイフォンを発売から10年で株価も約10倍になりました。つまり、今回の自動車に関連する「ゲームチェンジャー=勝者」にも、同じような成長が期待されことから注目が集まっていると思われます。もしかしたら、そこに出展しているメーカーの株価が10倍になる掘り出し物があるかもしれません。

7年で勝負あり

情報関連における技術の進歩の速さを示す言葉に「ドッグイヤー」という言葉があります。これは、人間の7年が犬の1年に匹敵することから生まれた言葉です。このドッグイヤーが、最近ではすべてのことに当てはまるようになってきました。
米国市場における製品の普及スピードという調査があります。これは、普及率が10%から90%になるまで何年かかるかというものです。例えば、固定電話は1903年〜1976年までなんと73年もかかりました。しかし、携帯電話は1993年〜2007年の14年と急激に短くなりました。そして最近では、スマホ、CD、液晶テレビは全て7年で普及するような世の中になりました。
今回の自動車に関する300兆円〜870兆円市場の雌雄も7年で決するのではないかといわれています。今のところ、日本勢は外国勢の後塵を拝しているといわれています。本当にそうか。そのヒントがこのモーターショーにあると思います。
さぁ、もう居ても立ってもいられません。ぜひ、会場を訪れて「勝者は?」という見方をしてみてください。いつもより面白さが倍増するコト間違いなしです。
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