備えあれば迷いなし
投資するには誰も損はしたくないもの。株価の上げ下げは誰にもわかりませんから不安に思うのは当然でしょう。でも、株式投資で迷いは禁物と言われています。
この格言は2つのことを伝えています。
・少しでも迷いがあると適切な処置はできなくなるため、揺るぎない心の備えを固めておく
・ギリギリの資金で投資していると常にせっぱつまった気持ちになるため、まさかのときにも動じない資力をたくわえておくことが必要
余裕がなければ、水鳥の羽音に驚き、枯れすすきを幽霊と間違えてギョッとするものですが、心と資金に余裕が備えがあれば少々の値動きにも動じないということでしょう。ある程度の余裕資金ができてから株式投資をスタートするようにしましょう。
売り買いは腹八分
美味しい物を食べる時と同じで、株式投資も腹八分がいいというこの格言。この格言にも2つの意味があります。
・最高値で売ろうとか最安値で買おうと思うのではなく、八分目くらいで我慢する
・相場に向ける資力は適当にとどめ、決して全財産を投入しない
実際の天井や底の値段は誰にもわかるはずはありません。もうそろそろと思ったところで売る、あるいは買うようにということを教えてくれています。また、先の格言にもありますが、株式投資は余裕資金で行うのが必須です。無理な投資は失敗のもとと心得ておきましょう。
頭としっぽはくれてやれ
先の「売り買いは腹八分」と同じことが言えますが、この格言は、「一番安いところで買うのも、一番高いところで売るのもあきらめて、ほどほどの利益を確保する方がいいよ」ということを忠告してくれています。
一番安いところで買って一番高い所で売れば、当然利益は大きくなりますが、いつが一番安くて、いつが一番高いかは、後になってみないと誰にもわかりません。「もっと高くなるのでは?」「安くなるんじゃないか?」と待っているうちに、良いタイミングを逃してしまうこともあり得ます。もう少しかなと思っても「頭としっぽはくれてやれ」の心意気で決断するようにしたいですね。
二度に買うべし二度に売るべし
自分の判断が正しいかったかどうかは、結果を見てみないとわかりません。それは長く経験を積んだ投資家でも同じです。
「相場は相場に聞け」という格言もありますが、まず相場にさぐりを入れる。つまり、まずは少しの資金で自分の判断の当否を確かめてみる。そして予想が当たっていれば、さらに資金を投下して本格出動してみてもよいという意味です。
買ってみたくなったら、まずほんの少しだけ買ってみる。相場が上がらなければだまって待ってみる――そんな慎重さが大切だということを教えてくれています。そういう意味では、自分の判断に自信が持てるようになるまで、るいとうなどの積立制度やミニ株からトライしてみるのもおススメです。
遠くのものは避けよ
投資初心者はとくに、どの銘柄を選べばいいかわからないものですが、投資のヒントは身の回りにいっぱい転がっているということを教えてくれている格言です。
日本取引所クループJPXによると2018年12月現在で上場している株式数は約3,600銘柄。そんなにたくさんあるのに、わざわざ馴染みのないものに目を向ける必要はなく、仕事の関係とか、日常生活で愛用している商品を通じて、多少とも知識や親近感を持っている株式を選んだ方が間違いは少ないというものです。こんないい製品を作っている会社の株だから……ということで選んでみるのもいいでしょう。
人の行く裏に道あり花の山
先の「遠くのものは避けよ」と少し逆説的に取られる方もいらっしゃるかもしれませんが、この格言は、「みんながまだ注目していない銘柄を探してみた方が良い」ということを意味しています。
行列のできるレストランではみんなの目を気にして早く食べなければならず、味も十分にわからないのに対し、人の行かない裏道で意外に美味しい穴場レストランを見つけ、ゆっくり味も時間も堪能できたということがありますね。
株式投資でも、人気があればあるほど株価も高いですし、後追いして買うと失敗することもあります。一方、まだ注目されていない株式を探すのも、投資の楽しみのひとつです。まったく知らない業種や会社を選ぶのはおススメできませんが、聞いたことある!これから流行りそう!というよなお宝銘柄を探してみるのもいいですね。
今回は6つの相場格言を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。余程のツワモノでない限り、誰でも最初から自信がある人はいません。今回紹介した格言を胸に刻みつつ、余裕資金で少しづつ、慎重に投資にチャレンジしていきましょう。そうやって経験していくうちに、あなたの自信も資産も少しづつ膨らんでいくことでしょう。
参考:日本証券業協会「相場格言集」