悩み事があったり、つらいことが起きたりすると、私たちは他人に頼る傾向があります。家族やパートナーや友人に、つらい思いをぶつけるのは悪いことではありません。しかし、彼らと話しているうちにその内容がより否定的になることが多いのも事実です。
つまり、つらい思いをさせられた上司の悪口で盛り上がったり、責任を他人に転嫁することで自身が楽になろうとしたりします。でも実際には、こうした行為はつらい思いから立ち直る自分をあきらめていることにほかなりません。
このような状況に必要なのは、まったく別のポジティブなものを見つけること。
もつれた感情の糸をすっぱりと切るには、明快で肯定的な次元に目を向けることが必要なのです。
そして、パートナーや家族や友人がそのような状況にあるときは、あなたがポジティブなものに目を向ける役割をしてみてください。
もつれた感情の糸をすっぱりと切るには、明快で肯定的な次元に目を向けることが必要なのです。
そして、パートナーや家族や友人がそのような状況にあるときは、あなたがポジティブなものに目を向ける役割をしてみてください。
感情コントロール術4:失恋で自分を否定しない
不幸な終わり方をした恋は、私たちの心に大きな傷を残します。それを誰かに打ち明けるときには、まるで一本の糸のような物語になっているはず。しかし、その下には語り尽くせない辛い思いが込められているのは当然のことです。
コメッリ博士は、失恋は失敗ではないと明言しています。私たちが成熟していく上での、1つの分岐点に過ぎないのです。ひとつの恋が終わったことで、賢明な人間ならば同じようなつらい思いをしないために、恋の相手となりうる人とはより密にコミュケーションを取るようになります。これは、非常に建設的な事象であり、人間としての進歩なのです。
感情コントロール術5:誠実であることを心掛ける
失望や悲しみなどネガティヴな感情とは無縁でいたい、それは人間として当然の思いです。しかし同時に、こうした感情がない人生などありえないのです。それならば、とことんその感情と向き合うほうが得るものが多いのではないでしょうか。
コメッリ博士は、「失望」を味わった後にはギリシア哲学でいうところの「善」が完結したのだと主張します。哲学者アリストテレスは「善」について、「究極的な卓越性に即しての魂の活動」と定義しています。
うわべだけの満足や誠実を表現することはやめて、あらゆる人や物事に対してより誠実である努力をしましょう。30代以降ならば、卓越性を手に入れるための生活のスタイルを構築していくことが可能なのです。
最後に
年齢を重ねるというのは、若さを失うことではありません。物事に対する視点が、より深く、成熟しく過程でもあるのです。30代は、若さと成熟のはざまで、もがくことを余儀なくされる世代かもしれません。しかし、それを克服した先には真の大人の世界が広がっているのです。