2019年10月16日 更新

美術展でリフレッシュ。ラウル・デュフィ展で“joie de vivre~生きるよろこび~”を感じて

開け放たれた窓から見えるのは、抜けるような空と海の青。室内の華やかな黄色。 降り注ぐ陽光に目を細めて大きく深呼吸したくなります。開放感とくつろぎ。幸せだ・・・

2019.10.12
これは、フランスの画家ラウル・デュフィ(1877-1953)の≪ニースの窓辺≫(1928年 油彩/キャンパス 島根県立美術館蔵)。12月15日まで、東京のパナソニック汐留美術館『ラウル・デュフィ展』で展示されている作品です。

“joie de vivre~生きるよろこび~”

同時期に活躍していたゴッホやピカソに比べると、その名前を聞く機会は少ない画家ですが、私のまわりには静かに熱烈なデュフィ好きが多いのです。
「色彩は光である」-“色彩の魔術師”と評される、華やかに陽気で、透明感のある色。一見無造作で、走り書きのような線。明るい色彩や軽快な線を好む画家は他にもいますが、デュフィの作品は、どれもその全体が、思わずのせられて体が動いてしまう、音楽を聴いているような独特のリズムにあふれています。
その唯一無二の明るさ、眩しさ、軽快さ。作品を前に感じるのは、休日のような幸福感、高揚感、同時にくつろぎ。こちらの気持ちの色まで鮮やかに上げてくれる効果抜群です。
こんな作品を創る人って、貧しい芸術家の苦悩とかそういうものには無縁の、さぞかし幸せな恵まれた人生なんだろうなあ。
そう思って年譜をのぞいてみると。
音楽一家という芸術的には恵まれた家庭ながら、家計を支えるため14歳から働きに出たデュフィ。その後、貧しい画家としてスタートし、続けた試行錯誤。そして、戦争、重い関節炎・・・決して順風満帆、常にもろ手をあげてハッピーな人生ではなかった模様です。
では、このデュフィ作品に一貫する、突き抜けた明るさはどこからくるんだろう?
「自らの病気や世界の動乱が作品に反映されてはならない」*
デュフィはそう語っていました。
自分が描くのは、“joie de vivre~生きるよろこび~”。自分の作品は、人を幸せにするものでありたい。
カンバスからあふれているのは、この“joie de vivre~生きるよろこび~”を表現するために生涯をかけて追及した色と線、画家デュフィの信念なのですね。
デュフィが提供してくれる、この幸せや高揚は、まるごと享受して、そのリズムにのせられるべし。創った側と見る側の間に生まれる、joie de vivre空間も含めて、楽しんでみてください。
左から
≪薔薇≫1980年(テキスタイル制作) 絹紬
≪花と蝶[デザイン原画]≫1916-28年頃 インク/紙
≪夏〔デザイン原画〕≫1925年 グワッシュ/紙 
すべてデュフィ・ビアンキーニ蔵
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