2019.4.26
50代に管理職を目指す女性はわずか20%
スイスの企業統治・経営人材コンサルティング会社の『エゴンゼンダー』が、全世界の7000人の女性を対象に「仕事」に関するアンケート調査を実施しました。結果、「50代以降には管理職についていると思うか」という質問に対し「イエス」と答えたのは、わずかに20%であったそうです。
男女同権が叫ばれて久しい現在も、女性たちはキャリアの継続が困難であることを自覚していることになります。
ヘッドハンティングのプロである『イージーハンター』のCEOであるフランチェスカ・コンタルディ女史が、現代の女性たちが再就職を試みる際に心すべきことを年代別に語っています。
20代に求める条件:言語力とコミュニケーション能力
ヨーロッパでは、大卒ではなくてもたいていキャリアを開始するのは20代。職場における20代に求められるのは、ごくわずかな例外を除けばあくまで補助的な立場であることは全世界共通です。
コンタルディ女史は、20代からキャリアを開始する場合は大卒ではなくても正しく言葉を使うことができ、周囲とのコミュニケーションが円滑に進めることができる人材が理想的と語っています。この場合の言語力とは、英語をはじめとする外国語ではありません。まず、母国語ありき、なのです。
また、特に専門の学校を終了していなくても、簿記に関する技術があれば非常に有利。これは、地道に社内でのキャリアを築いていく上の基礎になりうると語っています。
とはいえ、ヨーロッパでは「大卒」のタイトルが持つ価値は、日本のそれとは比較にならないほど重いもの。それがあるかないかで、就職先の人事部の注目度は大きく変わります。
とはいえ、ヨーロッパでは「大卒」のタイトルが持つ価値は、日本のそれとは比較にならないほど重いもの。それがあるかないかで、就職先の人事部の注目度は大きく変わります。
30代に求める条件:強みを持ち最大のチャンスでアピールする力
会社の中枢へ近づけるか近づけないかは、30代に決まるといって過言ではないでしょう。
20代半ばからキャリアを開始したとして、5年から7年たったころに昇進するチャンスが急増するとコンタルティ女史は主張します。
社内の誰もが納得できる確固たるバックグランドがあれば、才能ある人の昇進は問題ありません。
20代半ばからキャリアを開始したとして、5年から7年たったころに昇進するチャンスが急増するとコンタルティ女史は主張します。
社内の誰もが納得できる確固たるバックグランドがあれば、才能ある人の昇進は問題ありません。
実際、金融やマーケティング、IT企業、小売業など、あらゆる業種において、30代の人材市場が最も活発であるそうです。
また、20代から地道にキャリアを開始した人にとっても、過去の経験やそれに刺激されて学んだことが花開く最大のチャンスが、30代にあり。
また、20代から地道にキャリアを開始した人にとっても、過去の経験やそれに刺激されて学んだことが花開く最大のチャンスが、30代にあり。
職場はあらゆる人格のるつぼです。その中でもまれながら、自分自身を失わずに向上心を持って学んできた人は、30代に勝利を手にすることになるかもしれません。
40代に求める条件:不惑の安定感
四十にして惑わず、はどこの国も同じ。
40代になると、より良い条件で職を得る可能性はぐっと低くなります。しかし、もし経験や成功に裏打ちされたキャリアがあれば、逆にほかの人よりも一頭地を出たチャンスが転がっていることになります。
40代になると、より良い条件で職を得る可能性はぐっと低くなります。しかし、もし経験や成功に裏打ちされたキャリアがあれば、逆にほかの人よりも一頭地を出たチャンスが転がっていることになります。
晩婚が進む現代においては、30代後半から40代にかけて、女性たちは出産を経て職場に戻るケースが増えました。一度中断してしまったキャリアは、挽回するのが非常に困難というのが現状です。
そして、転職という可能性が浮上します。転職をする際にベースとなるのは、「ある分野における10年のキャリア」だそうです。日本では「10年ひと昔」と言います。10年というのは、やはり職場においてもキャリアの基本となりうる盤石の年月なのかもしれません。
出産や育児で中断してしまったキャリアも、10年という経験は大きなパワーがあるというわけです。
そして、転職という可能性が浮上します。転職をする際にベースとなるのは、「ある分野における10年のキャリア」だそうです。日本では「10年ひと昔」と言います。10年というのは、やはり職場においてもキャリアの基本となりうる盤石の年月なのかもしれません。
出産や育児で中断してしまったキャリアも、10年という経験は大きなパワーがあるというわけです。
コンタルディ女史は、この40代の転職を機に中小企業から多国籍企業へ、はたまた大企業へと飛躍する女性も少なくないと語っています。
年代を問わず女性に有利な職は存在するのか
コンタルディ女史によれば、現代において最も女性たちに開かれている市場は、デジタルの分野だそうです。販売促進のためのコンテンツの管理、企業内の戦略的プロジェクトのアシスタントなど、時間に拘束されず実力だけは発揮できる分野です。
休職期間があったとしても、世の流れには敏感でいることが職場復帰への足掛かりとなるのでしょう。実際的な女性たちは、名を捨てて実をとる戦法で職場復帰をはたしているのです。
最後に
日本では、働き方改革が日々ニュースになっています。先進国における人口の減少は深刻で、優秀な人材ならば企業はのどから手が出るほど欲しいはず。
しかし、女性としてのライフスタイルを守りたいという人も少なくありません。子供の送り迎えが親の義務となっている国では、男性の育児への参加や女性の職場復帰についても柔軟な考えをする会社が増えてきています。
しかし、女性としてのライフスタイルを守りたいという人も少なくありません。子供の送り迎えが親の義務となっている国では、男性の育児への参加や女性の職場復帰についても柔軟な考えをする会社が増えてきています。
20代の柔軟性、30代の胆力、40代の安定感、これは男女とも変わらず職場で才を発揮するために必要な資質かもしれません。そして運も実力のうち、チャンスを逃さずに波に乗る勇気も必要なのです。
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参照記事
https://d.repubblica.it/life/2019/01/21/news/come_trovare_lavoro_a_30_40_50_anni-4246469/