自宅で仕事がはかどる!在宅ワークを快適にする家具の選び方

働き方改革で在宅勤務を命じられたら、あなたは自宅の中のどこで仕事をしますか? その環境は、自分の健康を守るためにも大事です。「在宅勤務用」の机やいすが売られていますが、仕事をするための家具はどんな点に気をつけて選べばいいのでしょうか?

2019.6.10

在宅勤務は、家の中のどこですればいい?

「働き方改革」で「テレワーク」がクローズアップされています。テレワークとは情報通信技術を活用し時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことです。外のカフェなどで仕事をすることも含まれますが、かなりの部分は「在宅勤務」を指しています。
しかし「在宅で家で仕事をするのはいいけれど、どこですればいいんだ?」と思っている人は少なくないでしょう。自宅に自分専用の書斎がある人はかなり恵まれた少数派です。都市部の住宅環境では、リビングルームの一角あたりで家事や子どもの相手をしながら仕事をすることになりそうです。
自宅のコンパクトなスペースで能率よく仕事をこなしていくには「仕事をする環境づくり」でちょっとした工夫が必要になりそうです。それを助けてくれそうなのが「在宅勤務用の家具」です。オフィス家具で実績があるメーカーあたりは、働き方改革で在宅勤務者が増えることを予想してさまざまな製品を出しています。販売店のニトリでは店舗に「ホームオフィス家具コーナー」を設けて、在宅勤務者のニーズに応えようとしています。

机もいすも在宅勤務用のデザインがある

ビルのフロアで使われるスチール製のオフィス家具は、住宅の中の、それもリビングルームには似合いません。そのまま入れるとフローリングに傷がつきそうです。会議室用の折りたたみ式パイプいすも味気ないでしょう。木質系の子ども用の学習机といすもスペース的に違和感がありそうです。かといって食事をとるためのダイニングテーブルを仕事用に兼用するのも気が引けそうです。在宅勤務用のデスクはもっとコンパクトで、からだになじみ、デザイン的にリビングの中に置いて違和感がないものが求められます。
オフィス家具メーカーが提唱している選び方のポイントは、次のようなものです。
・在宅勤務ではオフィスよりも長い時間、机の前に座っている
オフィスのように会議や応接室での来客の応対はありませんし、昼食も自宅でとります。通勤も始業・終業時間もないので、机の前にいる時間はどうしても長くなります。
・いすは座り心地が重要
からだにやさしいことが何よりも重要です。
・いすはシンプルで場所を取らないこと
ひじ掛けや高い背もたれは向いていません。
・もたれた時、背もたれが傾きながら沈み、座面が前にスライドするタイプ
このほうが背後のスペースを有効に使えるからです。
・いすの寸法を決めれば、それで業務スペースの広さも決まる
場所を取らず、リビングルームの中で違和感のない小ぶりでスタイリッシュなデザインの家具がよく売れているそうです。
・机はセキュリティ、個人情報保護のために鍵付きキャビネットのあるものを選ぶ
子どもが持っていったりして重要な書類をなくしたら大変です。
たとえば、コクヨが発売したオフィスチェア「ing(イング)」は、在宅ワーカーの間で隠れたヒット商品になっています。これは人体の微細な動きに合わせて360度自由に動く「関節」が備わっているいすで、からだになじみやすく、長時間の座り仕事を想定してつくられています。

「立って仕事をする」ことも健康に良い効果

在宅勤務は机の前に座っている時間が長くなりがちですが、実は長時間の座り作業は健康には良くありません。座りっぱなしは肩こりや腰痛につながりやすく、最近の研究データによると座っている時間の長さは生活習慣病の発症に関係があり、中には座っている時間が長い人ほど寿命も短くなるという研究結果まであるそうです。
在宅勤務をすると早死にしやすい、とはオーバーですが、座りっぱなしはやはり運動不足になりやすく、うっ血もしやすく健康に良くないのは確かでしょう。
そこでおすすめなのが在宅勤務に「立ち仕事」を取り入れることです。電車通勤では立ったり歩いていることが多いですが、デスクワークでも会議や立ち話、書類の受け渡しなどで立っている時間が意外にあり、それを在宅勤務でも実践すればいいことになります。
たとえば立って文書を整理する。立って電話をかける、立ってテレビ会議に参加するといったようなことです。座るよりも立つほうがエネルギーを消費するので運動不足を防止し、筋肉や関節を適度に動かすことができ、血液の循環も良くなります。仕事の合間に奥さんの家事を手伝うのも、健康と家庭円満につながって一石二鳥かもしれません。
寺尾淳(Jun Ter
ao)

寺尾淳(Jun Terao)

本名同じ。経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、現在は「ビジネス+IT」(SBクリエイティブ)などネットメディアを中心に経済・経営、株式投資等に関する執筆活動を続けている。
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