実際に10,000回も電卓を叩く必要はなく、わずか数行のプログラムを書けば答えを出すことができます。もちろんエクセルの関数を使えば簡単ですが、大事なのは自分の頭でその手順を考えるということです。いかに無駄な動作なくプログラムで命令できるかが、アルゴリズムの要です。同じような動作はひとつにまとめる、条件によって命令を分岐させるということがポイントです。これらを理解し仕事に応用すれば、効率的に業務を遂行できるようになるでしょう。
ふたつめの網羅的に考える、とはどのようなことでしょう。アルゴリズムで課題あるいは問題の解決手順を考えると、そこに穴がないようにあらゆる事態を想定することになります。プログラムには何かしらの穴が開くと、上手く動作しないからです。つまり課題解決の手順において、想定しうるあらゆる事態を考えることで網羅的に考える癖が身に付きます。
11月21日、JALの羽田発福岡行きの便がオーバーブッキングにより欠航となりました。そもそも航空会社は前もってキャンセルを見込み座席数より多い予約を受けているのですが、この時は想定よりもキャンセルが少なかったために座席が足りなくなってしまったのです。
これもアルゴリズムを使って業務手順を作れば、おそらく回避できた問題だと思います。キャンセルを募る行為には乗客の事情に委ねるという不確定要素があります。確実に座席数を確保し、かつキャンセルによる空席を回避するためには、予約システムを作る時点でオーバーブッキングを避けるプログラムが必要であることは容易にわかります。
前出の10,000までの合計数を求めるアルゴリズムで、6番に注目してください。Bが10,001になったらループを外れるとしてもよいのですが、ここで“Bが10,000以下であれば”としています。実際の業務では、Bをカウントしている時に“10,001になる瞬間を見過ごす”ということはありえます。そしてその瞬間を見過ごしてしまうと、ループは無限に繰り返してしまいます。それを避けるために、“10,000以下ではなくなったと判断した時点で”ループを終えるように命令しています(もちろん、“10,001以上となればループを外れる”としても構いません)。
アルゴリズムを学べばこのように、あらゆる事態への対処を考えるようになります。もし何かしらの穴があると、プログラムは正常に動作しません。アルゴリズム思考が身に付けば、業務においてもミスや事故を回避することにつながりますし、それらの対応に時間を取られることもなくなります。
まとめ
アルゴリズムを学ぶことで、業務に追われる人も楽に仕事を終えることが可能です。しかもミスや事故を防ぐ手段を講じることもできます。刃こぼれした斧で必死に木を切る代わりに、一度その斧を磨く時間を作ってみてはいかがでしょうか。
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