2019年5月7日 更新

準富裕層になってリタイアしたい。金融資産5,000万円で可能?

準富裕層での早期リタイアは現実的でしょうか。野村総合研究所(NRI)などは、金融資産5,000万~1億円未満の約322万世帯を準富裕層と位置づけています。富裕層手前のこの段階で、好きな時だけ仕事をするセミリタイアも含め、早期リタイアできる可能性を考えてみます。

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2019.2.5

準富裕層リタイア後の生活費は? 都内在住では高コスト?

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準富裕層が早期リタイアを考える際、気掛かりなのは生活コストの捻出でしょう。東京都総務局の2018年データでは、都内現役世帯の平均消費支出は1カ月45万円、1年で540万円ほどです。飽く迄も平均値ですから、子供の人数や家賃、ローン返済額などによっては、さらに高額になり得ます。物価が高い東京都下のデータとは言え、予想以上に生活のコストは嵩みますね。
他方、総務省発表の全国データでは、1カ月30万円程度の平均消費支出です。物価の安い地方や海外ならば、これ以下での生活も可能です。早期リタイアを機に、都心部から地方や海外へ転居する富裕層や準富裕層もいますが、理に適った行動ですね。それでも、現実には通院や親世代の介護、子供の教育などの関係で、早期リタイアしても都市部から離れて生活できない準富裕層世帯も多いです。
ちなみに、準富裕層の9割は働き盛りの40代、という調査もあります。40代と言えば、優良企業での上級管理職やベンチャー企業での役員ならば、年収2,000万円程度も可能になってきます。反面、人生で最もお金が必要な時期でもありますね。こうして眺めると、早期リタイア後の準富裕層世帯が不安なく生活するためには、都市部では1カ月50万円、1年では600万円ほどのコストは見込んでおく必要がある、と考えるのが無難です。

準富裕層の早期リタイアは厳しい? 金融資産5,000万円の可能性は?

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そこで、準富裕層世帯の金融資産5,000万円の運用で、リタイア後にどのくらい稼ぐことが可能なのか、現実の数字が重要になります。例えば、株式運用の場合、高配当銘柄のみでポートフォリオを組んだとしても、年5%程度の利回りが現実です。金額で言えば、5,000万円の金融資産で年250万円ほどの配当金受け取りがせいぜいです。税率20%強の源泉徴収を選択すれば、手許に200万円以下しか残らず、到底600万円には及びません。
加えて、株式投資の場合、ボラティリティ(価格変動率)が大きい銘柄も多く、ポートフォリオ次第で5,000万円の元本(金融資産)がガクンと目減りするリスクが内在します。平均利回りが高いとされるREIT(不動産投資信託)でさえ、結果は大きく変わりません。良くて年6%程度の利回りで、20%強を控除されると240万円以下の手取額です。リタイア後の準富裕層世帯の生活コストを賄うには、到底足りない金額ですね。
なお、わが国独特の毎月分配型投資信託の中には、年10~20%ほどの高利回りを謳う商品があります。準富裕層の早期リタイアに活用できそうですが、大きな落とし穴があります。順調に運用益を出している際は、ここから分配金が支払われるので問題ありません。ところが、運用益が出ない状態になると、預け入れた元本を取り崩して分配金を捻出する仕組みなのです。結果的に、元本(金融資産)が半減して泣きを見る方が大半で、早期リタイア目的の準富裕層が手を出すのは御法度でしょう。

準富裕層でもセミリタイアなら可能? 不動産・ヘッジファンドへの投資も考慮?

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結論として、早期リタイア後の準富裕層が金融資産5,000万円で不安なく生活するためには、不動産、もしくはヘッジファンドへの投資による不労所得確保が現実的です。不動産経営をするなら、リタイア前に軌道に乗せておく必要があります。空室率を下げられるかがポイントで、不動産自体の善し悪しもさることながら、テナント付けの上手い管理会社と組めるかが成否を決めます。
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