成功者の中でも靴にこだわりを持つ方は多く、元イギリス首相のトニー・ブレアは、「安い靴は不経済だ」といい、「良い靴(上質な靴)を買って大切に手入れして長く使うほう経済的である」と、18年間同じ靴を大切に履き続けました。
そんな一流ビジネスマンたちから、「良い靴の選び方」の極意を学んでみましょう。
一流ビジネスマンの極意① 靴の色は黒かブラウンを選べ
ビジネスシューズとは、基本的にスーツにあわせる革靴をさしますが、色は、「黒」か「茶/ブラウン」が定番です。「黒」のシューズが1足はあると冠婚葬祭にも対応しやすく、「茶/ブラウン」はネイビーやグレーのスーツとの相性が良く、ファッションの幅を広げてくれます。
スーツに合わせる靴に迷ったら、スーツよりも濃い色と覚えておくと良いでしょう。あわせて、黒いベルトには黒い靴を、茶色のベルトには茶色の靴をと、ベルトと靴の色を合わせることで、ぐっと印象が引き締まりますよ。
一流ビジネスマンの極意② 3つのデザインの違いを理解せよ
ビジネスシューズのデザインとして代表的なものに、「ストレートチップ」、「プレーントゥ」、「モンクストラップ」があります。それぞれの違いを理解して、自分にぴったりの一足を成功者は選びます。
「ストレートチップ」……つま先に横一線が入っているものです。切り替えが入っている分、つま先にシワがつきにくく、形状を保ちやすいのが特徴です。黒のストレートチップはもっともフォーマルなデザインであり、ビジネススーツだけでなく冠婚葬祭にも利用できます。
「プレーントゥ」……その名のとおり、つま先に飾りのないシンプルなデザインです。シンプルな分、ビジネスに限らずプライベートでもあわせやすいのが特徴です。
「モンクストラップ」……修道士が履いていた靴を原型としたデザインで、バックル止めのストラップ(甲を締める)がついている、紐なしの中では唯一ビジネスシューズとして履ける靴です。
一流ビジネスマンの極意③ 上質な靴を履いて自分の品格をあげる
さて、実際に靴を買う場合、高級な靴ほどいいのでしょうか?同じビジネスシューズでもその価格帯は幅広く、2万円程度の手軽に買える値段のものから、10万円を超える高級靴まで様々ですが、革靴を買うのであればある程度、高いものをおススメします。
その理由は、同じ本革でもやはり高いものは上質な革を利用しており、メンテナンス次第では長く使えるからです。
上質な靴を作ろうとすれば、革の調達から鞣し(皮を剥がして叩いたり揉んだり乾燥させたりして、皮の繊維を分解する作業方法)、製作まで非常に手間とコストが掛かってしまい、おのずとハイクオリティな靴ができあがります。
また、購入者の目線も高いだけに厳しくなり、そのクオリティを維持しなければならない力が働くことも、高い靴の品質を保つ一因となっているでしょう。
そしてもう1つ、高い革は安い革とくらべ、メンテナンスをすることで味がでて、長く使い続けるだけで「自分だけの一足」を作ることができます。靴を育てるという感覚を持ちえるのも、いい革を使用しているからこそではないでしょうか。
また、女性の場合はよく、靴やカバンだけをハイブランドにすることでぐっと全体の印象が引き締めることができるのですが、男性も同じです。高い靴そのものが醸し出す品格が、あなたのビジネスマンとしての魅力も引き立ててくれます。
TPOへの配慮と、定期的なメンテナンスが大前提
いくら高い靴だからといって、ビジネスマンの足元がスニーカーだったら、決していい印象は与えませんし、せっかくスーツと革靴で着こなしていても手入れが行き届かず、擦り切れたり、汚れていたら、やはりいい印象は与えません。
靴にこだわるのは決して高い靴を買うことだけではなく、TPOにあわせてコーディネートし、清潔にメンテナンスをするということだと思うのです。よく高い靴を買うと、長く履けるので実は経済的にもおトクとはよく耳にしますが、これはしっかりメンテナンスすることが前提です。
靴のメンテナンスがビジネスチャンスを連れてくる?!
実はメンテナンスに掛かるクリームやお直し費用などを考慮すると、経済的には実は安い靴を履きつぶして、買い換えていくのと変わりはないかもしれません。でも注目して欲しいのは、直接的にもたらす経済的な効果だけでなく、高い靴をしっかりメンテナンスをしながら履くことによって得られる、間接的にもたらす効果なのです。
例えば、少し自分の収入からすれば背伸びした位の高い靴をしっかり履いていることで、同じように高い靴を履きこなしている企業トップや成功者と接したときに共通点ができます。これがきっかけでビジネスの話が好転したり、プライベートなら、第一印象がアップすることでいい縁に恵まれたりといったことです。
靴のメンテナンスは、自分自身のメンテナンスでもある
また、メンテナンスをすることは、靴に時間を費やすということです。部屋の整頓状態が心の状態をあらわすように、靴をメンテナンスする気持ちの余裕と時間の余裕を持つ、ということは、多忙なビジネスマンにとって重要な気持ちの整理時間であり、自分を見つめる時間にもなると思うのです。靴をメンテナンスできる人は、自分自身もメンテナンスできる人です。一流ビジネスマンは、どんなに忙しくても自分の時間を持つことを重要視しているのです。
さぁ、一流ビジネスマンを目指すなら、少しだけ背伸びして高級な質のいい革靴を履いてみましょう。
大きな投資になるかもしれませんが、高い靴を履くことで得られる緊張感や、メンテナンスを通じて得られる自分を見つめる時間、そしてともに年齢を重ねることで味のでる革靴という相棒を手に入れることで、成功への道のりが見えてくるかもしれません。