2019年8月23日 更新

日EUのEPAで“高級天然塩”の輸出入が活発化?食文化の交流に期待

今年2月、日本とEUの間のEPA協定が発効しました。ワインが安くなりましたが「天然塩」の関税も撤廃されました。岩塩、海水塩など欧州産高級天然塩の輸入が増えそうですが、海外で日本食が定着しているので、日本産の天然塩にも輸出拡大のチャンスです。

一方、欧州の大都市では寿司など日本食がブームを通り越して現地にすっかり定着しています。しょうゆ、酢など日本の調味料も使われて「日本の味」を演出していますが、日本産の天然塩も料理人に選ばれて使われています。そのように、料理人を介した日本と欧州の食文化の交流は、調味料の交流、塩の交流でもあります。
日本の天然塩の本格輸出の先駆けは沖縄県・宮古島の「雪塩」(製造・販売元:パラダイスプラン)で、2012年頃、JETRO(日本貿易振興機構)の支援を受けて台湾、香港、ドイツ、オーストラリアへの輸出を伸ばしました。日本とEUの間の関税が撤廃されたことで、これからは国内の他のブランド天然塩も輸出の拡大が期待できそうです。

寺尾淳(Jun Terao)

本名同じ。経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、現在は「ビジネス+IT」(SBクリエイティブ)などネットメディアを中心に経済・経営、株式投資等に関する執筆活動を続けている。
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