本物のお金持ちを見分ける基準は3つ?持ち物では分からない?

富裕層とは?富裕層になるには?
市井には「本物のお金持ち」と、「お金持ち風の人」とがいます。それぞれを見分けるためには、3つの「基準」を知っておく必要があるのですね。判断基準を持っていないと、メディアに翻弄された誤ったお金持ちのイメージが自分の中にできてしまいます。さて、身近にいるあの人は?
2019.5.17

東京では年収1,000万円はお金持ちの基準ではない?

結論から言えば、東京首都圏在住の場合、額面年収で1,000万円というのは、お金持ちの基準とはなり難いです。国税庁の公表データなどによれば、年収1,000万円以上の割合は給与所得者の約4%しかいません。また、結婚相手に希望する年収基準として1,000万円超を挙げる女性も多いのですが、結婚しても「本物のお金持ち」の生活とはほど遠いのが実情なのですね。
なぜなら、給与所得者で額面年収1,000万円でも、実際の手取り額は600万〜650万円程度となるケースが多く、東京首都圏在住では到底ゆとりある生活を望める金額ではないからです。家賃・管理費が月20万円程度の都心部の賃貸マンション住まいであれば、残りは360万〜410万円ほどにしかなりません。その割に、世帯年収1,000万円では、所得制限により児童手当が減額されたり、高校無償化制度の対象外とされたりなど、経済的に冷遇される面も少なくないものです。
ちなみに、額面年収が1,000万円から1,500万円になったとしても、生活感覚はほぼ同じであり、違いを感じることは難しいはずです。周りの意見でも、年収2,000万円超になると経済的ゆとりを感じるようになる、というものが多いですね。東京首都圏在住者が、多少なりとも「お金持ち」らしい生活ができるようになるためには、額面年収で2,000万円超が一つの基準かな、というのが実感でしょう。

持ち物は「本物のお金持ち」を見分ける基準にならない?

さて、「お金持ち風の人」は、「一点豪華主義」に走る傾向が強いように感じます。例えば、Mercedesやレクサスに乗っている方が、郊外の比較的安い賃貸マンションに住んでいたり、ROLEXやCartierの腕時計を身に付けている方が、量販店の吊しスーツに身を包んでいたりなど、持ち物のバランスが取れていないケースが多いものです。加えて、本来はお金持ちが使用していた物が、現在は比較的安価に使える時代でもありますね。
高級車や別荘の共同シェアサービスなどもありますし、高級ブランドのバッグでも型落ち中古品ならば、お手頃価格での入手も可能です。所有するクレジットカードですら、「本物のお金持ち」を見分ける基準として甚だ不十分です。なぜなら、サラリーマンの属性であっても、優良企業と看做される勤務先で年収基準を満たしていれば、ステータスが高いととされるクレジットカードが比較的容易に発行されるからですね。
その上、ビジネスパーソンであれば、敢えてこの手のクレジットカードを立場上持たざるを得ないケースもあり得ます。反面、資産家クラスの「本物のお金持ち」であっても、クレジットカードのコストパフォーマンスを重視される方は、AMEXのグリーンカードやJCBの年会費無料の提携カードを使っていることもあります。お会計の際にチラリと財布からのぞく同席者のクレジットカードを見ても、相手が「本物のお金持ち」か否かを判断する基準にはなり難い訳です。

「本物のお金持ち」を見分ける3つの基準とは?

最後に、簡単に「本物のお金持ち」を見分けることができる判断基準を3つ紹介しましょう。まず1つめは、「投資をすること」です。「本物のお金持ち」ほど無意味な浪費を嫌い、価値を生み出す資産を積極的に購入する傾向があります。不動産や金融商品などの典型的な投資対象だけでなく、知識、時間、人脈など無形の資産を得ることにも積極的にお金・工数を向けることが「本物のお金持ち」の特徴なのですね。
2つめの判断基準は、「税金全般に詳しいこと」です。残念ながら、日本は世界の中でも税負担が非常に重い国となっています。資産家クラスの「本物のお金持ち」ほど、税金対策には心を砕かざるを得ない訳です。このため、家族やお付き合いのある税理士の先生とも、常日頃から税金に関する相談・意見交換をしているケースが多くなります。「本物のお金持ち」であれば、自ずと税金全般に詳しくなってくるものです。
そして、3つめの基準は、「友人・知人にもお金持ちが多いこと」です。頻繁に連絡を取り合う仲の良い友人たちの平均年収が、本人の年収と近い数字になる、というお話もあります。換言すれば、元々そうではなかった方が「本物のお金持ち」になれば、かつてとは交友関係が変化していて当然なのですね。これ見よがしに高級ブランド品を身に付けている人に出会ったら、金融商品や不動産に投資しているか、税金や節税対策に詳しいか、交友関係に「本物のお金持ち」が多いかなど、一歩退いて眺めてみると良いでしょう。