2019.7.4
睡眠をとるとご褒美がもらえる!
睡眠不足は健康に有害であるという個人的な問題だけではなく、雇用する企業の生産性にも悪影響を与えるということが問題視されるようになりました。
世界的に「Sleep Debt (睡眠負債)」と言う言葉が出回るようになり、企業が社員の睡眠不足を懸念し始めた今、2018年10月に墨田区にある、個性的な結婚式をオーダーメイドでプロデュースする、株式会社クレイジーが「睡眠報酬制度」を日本で初めて導入しました。
その制度では、寝具メーカー、エアウィーヴが開発したアプリを使用し睡眠時間を測定し、6時間以上の睡眠を1週間のうち5日取ると500ポイント、6日間で600ポイント、7日間で1000ポイント等、ポイントを付与することで社員に十分な睡眠をとることを勧めております。100ポイントを100円分としてオフィス内の食堂やカフェで利用できるのだそうです。
クレイジーでは今回の導入により「社員が十分な睡眠をとることで集中力を高め、業務の生産性を向上させることを目指します」と説明しております。
アメリカのシンクタンク、ランド研究所が2016年に発表した研究結果によると、睡眠不足による生産性への悪影響が引き起こす日本の経済損失は1,380億ドル(約15兆円)で、それは日本GDPの 2.92%に値するのだそうです。
睡眠不足は今や個人だけの問題ではなく、深刻な社会問題となりました。今後、「働き方改革」の一環として、日本では社員の睡眠に対する企業の取り組みが益々増えていくことでしょう。
『ポケモンスリープ』が「ゲーム障害」の対策に?!
今、睡眠を妨げる原因の一つとして社会的問題となっているのが「ゲーム障害」です。その「ゲーム障害」をゲームで楽しくコントロールするという逆転の発想で、開発されているのが『ポケモンスリープ』です。
『ポケモンスリープ』は2019年5月に株式会社ポケモンのポケモン事業戦略発表会で2020年にリリースされることが発表されました。
『ポケモンスリープ』ではポケモンが「睡眠のエンターテイメント化」にチャレンジすると石原社長は説明しております。
ゲームプレイヤーの睡眠時間をゲームの一部とし、「寝ることが楽しみ」となるよう考慮されています。外出し、出歩くことをテーマとした大人気ゲーム『ポケモンGo』と同様に、健康的な生活パターンを提案するゲームなのです。
ゲーム上の楽しみとして睡眠をとることで、実生活でも健康や仕事上で満足感をおぼえるようになり、十分な睡眠をとることが習慣化されていけば「ゲーム障害」が減少していくのではないでしょうか。
ゲームの世界でも健康志向がブームになりそうです。
ネスレが睡眠カフェをオープン!コーヒーと眠りの意外な関係とは
コーヒーはどちらかと言えば睡眠を妨げるものという印象が強いです。
しかし、コーヒーの特徴を活かした飲み方をすることで、快適に目覚め、すっきり過ごせるのです。
しかし、コーヒーの特徴を活かした飲み方をすることで、快適に目覚め、すっきり過ごせるのです。
食品メーカーのネスレ日本は「コーヒーの飲み分けを通じて、新しい睡眠スタイルを提案する」カフェ『ネスカフェ 睡眠カフェ』の常設店舗を2019年3月に大井町にオープンしました。
このカフェでは30分程度の「ナップコース」と1~3時間の「睡眠コース」があり、心地よい椅子やベッド、音楽、室温、照明など、良質な睡眠の為の環境が整えられております。また、快適な目覚めの為、それぞれの睡眠時間にあわせたコーヒーが用意されるのが特徴です。
ここ数年、コーヒーの健康効果が見直されており、特に注目されているのが、20分程度の「コーヒーナップ」です。米ニュースウェブサイト、Voxでは、カフェインが脳に働くのは飲んでから20分後なので、20分程度の昼寝をする前にコーヒーを飲むという「コーヒーナップ」はすっきり目覚め、その後、作業の効率が向上するという研究を紹介しています。
寝不足や疲れた時にちょっと立ち寄れる睡眠のために至れり尽くせりの睡眠カフェがもっと増えるといいですね。
忙しい現代人は睡眠を削ることを当たり前とするようになりました。睡眠不足による個人的、社会的ダメージは思った以上であるものの、睡眠を十分に取る習慣を根付かせていくには、斬新なインセンティブや環境の整備が必要のようです。
参考URL:
株式会社CRAZY
【公式】ポケモン事業戦略発表会2019
Why Sleep Matters: Quantifying the Economic Costs of Insufficient Sleep
ネスカフェ 睡眠カフェ
Scientists agree: Coffee naps are better than coffee or naps alone