11人の社長が語る 素敵で売れるモノを作る良いビジネスの形とは

今、注目されていて流行っているこだわりのモノやコト。その会社を経営する社長は、何か普通ではない特別な経営センスがあるのでしょうか。「売れる」「売れない」の差はどこにあって、どうしたら売れるモノを作ることができるのか。それは、自分目線ではなく、お客様のニーズや要望の中に、大きなカギがあるようです。一田憲子著『キッチンで読むビジネスのはなし』 より、11人の社長が語る、ビジネスへの向き合い方をご紹介します。

「好きなこと」をして生きていくために

好きなことをして生きていくには「お金」が必要です。ビジネスは、そんな「お金」を生み出す仕組みです。「夢」や「好きなこと」は、暮らしの中から生まれるのに、その先の「お金のはなし」がなかなか見えてこない……。きっと私はその接点を見つけたかったのだと思います。
<9ページより引用>

著者は、編集者・フリーライターとして、これまで数々の書籍や雑誌で執筆をしてきました。その文章を通じて、自身のライフスタイルについても注目され、一定のファンがいるほどです。

シンプルかつスタイリッシュでありつつ、生活や人生に根付いた使えるモノ・コト。著者が選ぶ目線や生き方は、たくさんの読者から支持されています。かくいう私も、著者が描き出す世界観には、いつも注目している一人です。

どちらかといえば、これまで暮らしまわりの執筆が多かった著者ですが、本著はビジネスという切り口から11人の社長に焦点を当てて、さまざまな考え方が記されています。

好きなことをして生きていくというあり方が、何かと注目されている昨今。好きなことを現実化させるためには、必然的にお金が必要になってきます。

ビジネスと生活が結びつく新しい視点が、見つかりそうな予感がします。

自分の「好き」より、相手の「必要」

自分が「いい」と思うことでなく、相手が「してほしい」ことをする。この発想のスイッチを切り替えることは意外に難しい……。下川さんが言う通り、「なかなか探し出せないもの」です。
<281ページより引用>

「himie」というジュエリーブランドのオーナーデザイナーである下川宏道氏は、歯科技工士の専門学校を卒業後、独学でジュエリーの制作を始めたといいます。

最初は展示会での販売からスタートして、東京や大阪、京都にもショップを展開している現在。その洗練されたデザインには、固定客がいます。

そんな下川氏は、自分の個性など必要ないと考えているといいます。

ジュエリーであれば、石のディーラーさんや職人さんも含めて、自分も相手もハッピーになることが大事。自分の「好き」より、相手の「必要」を見抜くことが、「himie」というブランドの骨格になっていることがわかります。

客の意見として、「himieは、光っていないから好き」という意見が多いのだとか。

たしかに、巷にあるジュエリーの多くは、光っている仕上げが多いものですが、意外なニーズが分かってからは、「himie」ではマット仕上げが定着したといいます。

そこに「必要」がないとモノは売れない。売上を作る需要の質を見抜くためには、相手の目線に立っていくことがコツであるといえるでしょう。

良い経営の考え方は身近な日常にも活かしていける

11人の経営者の話は、業態の違いもありますが、「売れるモノを作るためには 相手が望んでいることを知る」という経営の共通点が見えてきます。

そして、「売上が下がっても利益が上がっていればよしとする」、「固定費をなるべく少なくする」といった経営的目線と、お店やブランド、品物やサービスに対する理念。それらが、無理なくリンクしていることが、成功のコツであるといえるでしょう。

自分というものが中心にあるのではなく、相手のニーズに合わせているお客様目線であることが何よりも重要。

そんな経営の考え方は、何もビジネスだけの話ではない。家庭や身近な人間関係においても、すぐに取り入れていくことができそうな良い思考であるといえそうです。

タイトル:キッチンで読むビジネスのはなし
著者:一田憲子
発行:KADOKAWA
定価:1,728円(税込)

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