幸せ度が高い人に共通する3つのお金の使い方とは

お金の使い方次第で人生の幸せ度合いが決まります。誰しも実感するように、お金は幸せな人生を送るために必要不可欠な要素です。しかし、お金それ自体が人生に幸せをもたらしてくれる訳ではありません。お金は目的ではなく、幸せになるためのツールだからです。

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2019.10.31

モノよりも体験・知識取得にお金を使う方が幸せを感じやすくなる

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お金の使い方により幸せ度合いが左右される、という研究結果があります。ハーバード大学経営大学院の社会学者、マイケル・ノートン氏の調査・研究結果によれば、人は物理的なモノを得ることにお金を使うよりも、無形の体験・学習などのためにお金を投じる方が、より高い幸せ度合いを感じることができるとのことです。例えば、気の置けない仲間との旅行・パーティーなどのイベントであれば、計画・準備の段階で既に幸せを感じることでしょう。
イベント当日、もしくは前日あたりに幸福度はピークを迎えることになりそうです。メンバーや趣向が異なれば、体験には飽きが来ません。他方、物理的なモノは入手後も長期にわたって、手許に置いておくことが可能です。このため、幸せの感覚も長期わたり分散されてしまうのですね。その上、人とは環境に慣れる特性を持つ動物でもあるため、そのモノが身近に存在して当たり前という感覚に徐々になってゆきます。
この段階になると、モノの所有は幸せ度合いを上げるためには、ほとんど役に立たなくなってしまいます。私自身の経験でも、これはよく理解できることです。とりわけ、見栄や面子でモノを購入する場合、幸せを感じないお金の使い方に一層なりがちですね。「ウチの会社で今の立ち位置だったら、このくらいのスーツは着ておかないと。」このような感覚で多少値の張るスーツを誂えても、幸せな感覚は程なく薄れてゆくものですね。

自分の性格・価値観にマッチしたお金の使い方が幸せをもたらす

お金の使い方と幸せ度合いに関する、もう一つの研究結果があります。英国ケンブリッジ大学の心理学者、サンドラ・マッツ氏らによる調査・研究結果によると、個々人の性格にマッチしたお金の使い方こそが、その人の人生の幸福度を増加させるということです。この研究では、その人の性格に合ったお金の使い方により増す幸せの度合いは、その人の年収とは無関係である、ともされます。 例を挙げると、協調性が高い方であれば、寄付行為やペットの飼育などに多くのお金を支出するほど、幸せを感じる度合いが上がる傾向とのことです。また、真面目で勤勉なタイプの方であれば、エクササイズや健康維持のためにお金を使うほど、幸福度が高まる傾向にあるようです。自身の性格・価値観にマッチした目的でのお金の使い方であれば、年収の多寡よりも幸せの度合いを高めるのに有効、ということなのですね。
確かに、ヘビーメタルバンドを好んでいる方が、赤坂のサントリーホールで一人2万円以上かけてオペラを生で鑑賞をしてみても、果たして高い幸せ度合いを感じられるかは、甚だ疑わしいことでしょう。それよりも、仕事帰りに町場の小さなライブハウスに立ち寄って、応援しているバンドの生演奏をリラックスして味わった方が、遙かに幸せを感じることができるというものです。

家族や社会など自分以外のためにお金を使うことで幸せを感じる

そして、誰でも多かれ少なかれ経験してきたと思いますが、家族や周囲の人のためにお金を使って喜んでもらえると、自身も満ち足りた気持ちになり、深い幸せを感じるものです。例えば、ふるさと納税でも良いし、クラウドファンディング参加でも構いません。家族や友人へ感謝・御祝いのプレゼントをあげることでも良いでしょう。人は自分のためよりも、誰かのために動く方が遙かにパワーが出るし、集中して取り組めたりするものです。
何よりも、周りから感謝され、喜んでもらえることは、自身の存在や行動に意味を見出すことに繋がります。まさに「生きたお金」の使い方であれば、必ずしも高額である必要はないのですね。一例を挙げれば、自身の昇進記念にGirard Perregauxの腕時計を購入する代わりに、これまで理解し支えてくれた奥さんやご両親に感謝の豪華旅行をプレゼントしたとします。奥さんやご両親から心から感謝され、喜んでもらった方が、同程度のお金の使い方をしたとしても、数段上の幸せを実感できるというものでしょう。
結果的にその旅行代金が、仮にGirard Perregauxを買う予算の数分の一だったとしても同じです。周囲の人を笑顔にする行為、そのためにお金を使うことは、間違いなく自身の幸せ度合いを高めてくれるものなのです。逆の見方をすれば、せっかく人のためになるお金の使い方をしても、相手から喜んでもらえなかった場合、仮に少額であったとしても、幸せ度合いは大きく下がることを意味しています。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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