2019.1.24
ダウの犬戦略
年末年始の投資手法として有名なものに「Dogs of the Dow」ダウの犬戦略といわれる投資戦略があります。
最近では有名になったこの戦略は、
1)米国の株価指数であるダウ工業平均の30銘柄の中から
2)配当利回りが最も高い順に10銘柄を選び12月31日に購入
3)購入したこの10銘柄は1年後の12月31日まで保有
なお、期間中の配当は、配当を出した銘柄へ再投資を行う
このローテーションを毎年繰り返す投資手法のことです。
2)配当利回りが最も高い順に10銘柄を選び12月31日に購入
3)購入したこの10銘柄は1年後の12月31日まで保有
なお、期間中の配当は、配当を出した銘柄へ再投資を行う
このローテーションを毎年繰り返す投資手法のことです。
さて、この投資手法で投資を行った場合、過去19年のダウ工業平均に対する勝敗は、
12勝7敗でした。
平均のトータルリターンはほぼ+10%とそれなりの成果を得ています。
その成果が出ている背景には、
1)配当利回りが高い銘柄は一般的に株価が安く放置されていて、配当利回りが低い銘柄よりも株価が上昇する可能性が高い
2)ダウ銘柄は優良企業で構成されているため、パフォーマンスの悪い翌年には取り戻し良好なパフォーマンスになる
2)ダウ銘柄は優良企業で構成されているため、パフォーマンスの悪い翌年には取り戻し良好なパフォーマンスになる
という見方がこの戦略の基本になっていますが、この戦略が今年も成果を上げるでしょうか。
というのが19年間で7敗した年に2007、2008,2009年の3連連続が含まれています。この期間はご存知の通りリーマンショックの前後年です。政策金利が下がり、株価が大きく上下動した記録的な3年間でした。昨年末からのFRBの政策が定まらない状況、株価の上下動幅が大きくなっている状況を踏まえると、ダウ戦略がうまく当てはまるとは限りません。
ぜひ、慎重に判断して自分のFACTを探してみてください。
日経平均が急落した翌年は
2018年の日本の株式市場は大きな変動の1年でした。日経平均株価の18年の終値は2万0014円77銭。年間で2,750円(12%)安と7年ぶりに下落しました。
ところで、1990年以降日経平均が前年比で-10%を超えたのは29年中10回(2018年含む)です。いがと少ない印象があります。では、この10回の翌年、つまり大きく-10%を記録した翌年は大きくリバンドをしていそうなイメージがありますが実際はどうだったのでしょうか。
以下は、-10%下落後の翌年の日経平均のパフォーマンス
1990年:ー 3.6% (☓)
1992年:+ 2.9% (◯)
1997年:ー 9.3% (☓)
2000年:ー 23.5% (☓)
2001年:ー 18.6% (◯)
2002年:+ 24.4% (☓)
2007年:ー 42.1% (☓)
2008年:+ 19.0% (◯)
2011年:+ 23.0% (◯)
2018年:?
1992年:+ 2.9% (◯)
1997年:ー 9.3% (☓)
2000年:ー 23.5% (☓)
2001年:ー 18.6% (◯)
2002年:+ 24.4% (☓)
2007年:ー 42.1% (☓)
2008年:+ 19.0% (◯)
2011年:+ 23.0% (◯)
2018年:?
正解は4勝5負です。
このように10%を超える翌年はリバウンドしたイメージを持っている人も多いかもしれませんが事実は異なります。単一市場ではモメンタム(相場の勢い)は数年継続する趨勢があるためこのような結果になっているように思います。
一方で分散投資はどうでしょうか。仮に、日本株、世界株、日本債券、世界債券の4資産に分散投資をしていたとします。分散投資の結果がマイナスだった翌年の前年のパフォーマンスはというと、単一市場と結果は異なります。1990年以降で負けなしの結果が出ています。FACTとして、分散投資で負けた翌年の分散投資は底堅いといえます。
このような印象と異なるFACTを踏まえることが投資は欠かせません。感覚で投資をすると良い結果に結びつきません。冷静に投資判断をしていきましょう。