2018.7.21
特に首都のソウルへは、飛行機で片道約2時間前後と、場合によっては国内よりも早く移動が可能です。気軽に観光を繰り返すうちに、ソウルで暮らしてみたいと思うようになる人も多いのではないでしょうか。
今回は、いつかソウルで暮らしてみたいという人のために、実際にソウルで生活する場合に掛かる生活費や日本と異なる注意点を紹介します。一カ月あたり一体どのくらいのお金があればよいのか? 今後の人生設計の参考にしてみてはいかがでしょうか。
貯金が多ければタダで住める? 独自の家賃制度
韓国での物件探しは日本とほぼ変わらず、不動産会社やインターネットを利用する方法が一般的です。一方で、いざ契約をする際には、日本と違い大きく2つのパターンに分かれます。
「チョンセ(伝貰)」は、賃貸契約の際にまとまった保証金を事前に支払うシステムです。以降は月々の家賃を支払う必要がなく(場合によっては管理費のみ必要)、家を出る際にその保証金が全額返金されるので“実質タダ”で家を借りることが可能です。
なぜ実質タダで借りられるのかというと、家主は契約期間の間、そのお金を銀行に預けたり投資したりするなど運用をして利益を上げているからです。
注意すべき点は保証金額が高額であることで、1億ウォン程度(1,000万円)必要となる場合もあります。しかし、実際の退去時には全額返還されるので、蓄えがある場合こちらの制度を利用すれば、大変お得に移住をすることが可能です。
そして、もう1つの制度が「ウォルセ(月貰)」です。こちらは日本の賃貸契約の様に保証金を預け、その後は月々の家賃を支払います。
ソウルに住む場合、ワンルームの相場は保証金500万〜1,000万ウォン(50万〜100万円)・家賃50万ウォン(5万円)前後。家主によっては、最初の保証金と毎月の家賃の配分を交渉できる場合もあります。
食費は日本と大差ナシ
「韓国料理といえば格安!」という印象を持つ方も少なくありませんが…実は、最近の韓国では、物価が上昇傾向にあります。特にソウルにおいては、世界的にも高いと言われる日本の都心部の物価と、あまり違いが無くなってきています。
しかし、例えば外食の場合、同程度の値段の料理でも、日本に比べるとかなりボリュームがあります。また、おかずを無料でサービスしてくれる多いため、日本よりも割安感を十分に感じられると言えます。ランチなどであれば、5,000ウォン(約500円)程度の食費でお腹いっぱい食べることができます。
その一方で、韓国料理以外の洋食は高い傾向にあるので、注意が必要です。これは、有名外資系チェーンのファストフードやカフェにも当てはまり、例えば、スターバックスのコーヒーの値段などもやや高めの設定です。ちょっとしたコーヒー1杯の値段でも、お腹いっぱいの韓国料理を食べられることがあります。
自炊をする場合は、大型スーパーを上手に利用しましょう。ソウル駅前には、日本人に耳馴染みのある「“ロッテ”マート」もあり、食料品・調味料などを低価格で買い物できます。韓国の大型スーパーは、自社ブランドの製品の開発をしていたり、半額セールをしたいたりするなど、日本の大型スーパーと非常に近いと言えます。
食事・買い物の支払いはカードがお得
また、韓国は世界有数の「カード先進国」で、ほとんどのお店でクレジットカードが使えます。現金主義の日本の場合、数100円単位の買い物にクレジットカードを使用するのは少々はばかられますが…韓国では、その程度の金額でもカード使用が日常的です。
地下鉄は便利で格安
ソウル市民の足となるのは市内を縦横に走る地下鉄で、日本に負けず劣らない路線数や運行数を誇っています。現在、9本の路線が存在していますが、青や緑など、日本の地下鉄の様なシンボルカラーがついているため、移住したばかりの方でも迷わず乗車することができるでしょう。駅名も、ハングルの他に、漢字と英語で表記されていることも心強いです。
観光目的であれば「1回用交通カード」で乗車する場合が多いですが、移住するのであれば「T-money」を購入するのがオススメです。そのメリットは、運賃が一般料金から割安になること。また、地下鉄路線間・地下鉄—バス間の乗り換えが“通し運賃扱い”で無料となります。「T-money」は日本の「Suica」のようなプリペイド式カードで、コンビニなどで手軽に購入できます。
地下鉄運賃例(10km圏内)
区分 | 交通カード(T-money) | 1回券 |
---|---|---|
大人 | 1250ウォン | 1350ウォン |
青少年 | 720ウォン | 1350ウォン |
小児 | 450ウォン | 450ウォン |
http://japanese.seoul.go.kr/生活情報/交通情報/公共交通機関/2-地下鉄/
例えば、職場の最寄り駅が10km圏内の場合、運賃は上記の通り。往復でも2,500ウォン(約250円)と日本と比べてかなり安く、一カ月でも1万円を超えるようなことは無いと考えてよいでしょう。
タクシーには「一般タクシー」「大型タクシー」「模範タクシー」などが存在します。料金はタクシーの種類・移動距離・時間帯に応じて異なりますが、初乗り3,000ウォン〜5,000ウォン(約300円〜500円)程度の場合が多く、一般庶民の利用率も高いです。大部分のタクシーは、現金のほか「T-money」でも運賃を支払うことができます。
全体的にソウルの交通費は、日本の都心部と比べて安いと言えます。
以上、ソウルで暮らすための目安をご紹介しました。これらを参考にして、移住への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。