インスタグラムで断捨離記録
ミニマリストを目指し、インスタグラムに投稿を始めて数年。今でこそ「憧れるライフスタイルです」とお褒めの言葉をいただくこともありますが、昔はていねいな生活とは程遠い暮らしぶりでした。
004ページより引用
1K6畳の標準的なひとり暮らしの部屋で、ていねいな暮らしを楽しんでいる著者は、一般人でありながら35,000人のフォロワーを持つ人気インスタグラマーです。一つの投稿に2000件という数の「いいね!」がつくこともあるのだとか。名古屋に在住し、決して広いとはいえない部屋の中を、さまざまな道具を使いこなしながら、堅実かつ上手に生活している様子は私たちも参考になります。
そんな著者ですが、もともとはミニマリストとは言い難い状態であったのだとか。部屋の隅に山積みになった雑誌や紙類、いつ着るかもわからない洋服、使うかもしれないからとストックしているたくさんのアメニティやスキンケアの試供品……。
まさにモノが手放せないマキシマリストであり、部屋の掃除はたまにするぐらいであったといいます。そんなある日、著者はとあるブロガーの生活を目にします。すっきりとシンプルで時間にゆとりのある生活をしたいと思うようになった著者は、断捨離記録としてのインスタグラムを始めることにしました。日々、生活を見直していくうちに、モノに対する取捨選択の仕方が変わり、時間の過ごし方まで変化。一念発起して生活を変えていくときには、SNSを有効活用するのも良い手立てなのかもしれません。
常備菜づくりに手間をかけない
なにげなく1日を過ごしていても、台所に立つ時間は必ずあります。節約のために始めた自炊ですが、新しい味付けに挑戦してみたり、母や祖母から教わって実家の味を再現してみたり、友人からレシピを教わってつくってみたりと、発見の多い楽しい時間になっています。
028ページより引用
仕事で忙しい日々において自炊をしている著者は、コーヒーを飲むためにケトルに水を入れてコンロにセットしてから朝ごはんの支度を始めるのだといいます。仕事から帰ってきたらお弁当箱を洗って夕飯の支度、そして翌朝の朝ごはんの支度をしたり。こんな風に、日々は何かと食事の準備に時間を取られがちです。多くの働く女性が実践しているように、著者もつくりおきで平日を回しています。常備菜を作るようになってから、平日にも自分の時間が作れるようになったようです。
だからといって、常備菜作りに時間をかけていては、元も子もありません。週末に8品くらいの食材を少ない量で買いもとめ、1時間から1時間半くらいで5〜6品を作成。そのようにしておけば、水曜日にあと2品作り足しておくことで一週間を回すことができるといいます。保存容器は重ねられるものやジップロックをフル活用。野菜も調味料も少なめサイズを選ぶことで、食材の劣化を防ぐのだとか。
それらを毎日詰めるだけなら、お弁当作りも続き、節約にもつながります。食は心身を整え、生活と密接につながっているもの。最大限、手間を抑える工夫をすることで、毎日実践していくことができそうです。
断捨離のガイドラインを作る
気をつけていても、生活しているとモノは自然に増えてしまいます。著者は、衣替えのタイミングや、「最近モノが多いな」と感じたときに、見直しをかけるようにしているようです。特に増えやすいのは洋服。1着買ったら1着手放すようにしているため、衝動買いを抑えることにもなるのだとか。1K6畳に収納道具を置くと手狭になるため、基本的にクローゼットにすべてを収める。
このように、断捨離には自分の決め事をいくつか作り、そのガイドラインに沿って生活していくことで、一定の量と美しさを保つことができるようです。何気なく始めた断捨離記録としてのインスタグラムもその一助に。フォロワーからの共感やアドバイスも原動力になっているようです。SNSに自分の生活の一部を掲載することにはリスクもついて回りますが、内容をよく吟味しつつ投稿。うまく使うことで、一歩引いた視点から生活を見つめ直すことができる良いツールであるといえそうです。
タイトル: 狭くても 忙しくても お金がなくてもできる ていねいなひとり暮らし
著者: shoko
発行: すばる舎リンケージ
定価: 1,404円(税込)