2020.1.8
指名される力を身につける
そんな見通しが立たない世の中で生きていくには、今働いている会社だけに依存せず、経済的に自立することがとても大切です。「経済的に自立できる個人」とは、会社にいてもいなくても、周囲のひとから「指名される力」を持っている人。
19ページより引用
現在、「会社員のための地味な起業プロデューサー」を名乗っている著者。芝浦工業大学卒業後は、株式会社NTTデータに就職。しかし、「この会社だけに通用するスキルで一生働いていけるのか」という葛藤を抱いて退職し、起業に至ります。
まず、コンサルタントを名乗って活動を開始しましたが、気の弱さやカリスマ性のなさがたたって稼げない日々がしばらく続いたようです。
自分をブランド化する、好きなことで食べていくなど、起業というと何かと派手なイメージがあります。派手な起業ではなく、地味な起業で稼いでいくことを提唱している著者。特別なスキルや実績に頼るのではなく、地味なサポートでしっかり稼ぐ考え方が本著を読むことでわかります。
たとえば、お客さんの一人から「店舗の営業法」を知りたいと相談されて、参考書籍を要約したレポートを提出したところ、月3万円で会社を手伝ってほしいと持ちかけられたこともあるのだとか。
やりたいことや得意なことがなくても、困っている人を助ける。そして、手伝ってくださいと指名される力を持つことで、地味な起業は成り立つのだといえるでしょう。
やりたいことや得意なことがなくても、困っている人を助ける。そして、手伝ってくださいと指名される力を持つことで、地味な起業は成り立つのだといえるでしょう。
輝いている人は、意外と普通の会社員が難なくこなしている事務作業ができないなどということはよくある話です。
好きな人のビジネスを応援することで指名される。そんな起業の仕方があるのだということを知っておきたいものです。
好きな人のビジネスを応援することで指名される。そんな起業の仕方があるのだということを知っておきたいものです。
資金0円で今日から始める
でも、地味な起業を小さく始めるときには、計画を立てるよりも「とにかくやってみる」ことが大切です。僕が大切にしているマインドは「すべてはテスト」というものがあります。
61ページより引用
起業を始めるにあたって、事業計画の作成は必要不可欠であるとよく耳にします。しかし、著者は、地味な起業を始めるにあたって、事業計画は不要であるといいます。
もちろん、資金調達の折には事業計画書が必要になってきますが、小さく始めるときには、まずやってみることが重要なのだとか。
もちろん、資金調達の折には事業計画書が必要になってきますが、小さく始めるときには、まずやってみることが重要なのだとか。
すべてはテストであり、完璧に作り込む必要はない。悩んでいる時間を長く取るくらいなら、2つやりたいことがあったとしたら、とりあえず両方やってみる。経験していくうちに、自分のミッションはこれだというものに出会えるのだといいます。
地味な起業には事業資金はいらない。パソコンとスマホがあれば、十分であり、最初から法人化する必要もないのだとか。たしかに、個人のまま行う個人事業主として出発していけば、特に費用はかかりません。
まずはやってみて改善を重ねていくことで成り立つ起業方法であるといえそうです。
まずはやってみて改善を重ねていくことで成り立つ起業方法であるといえそうです。
地味な起業には3種類ある
地味な起業の仕事には3つのタイプがあり、「マネジメント系」「クリエイティブ系」「コミュニケーション系」と分類されていると著者はいいます。
マネジメント系は、数字管理などコツコツと作業することが得意な人に向いているのだとか。たとえば、人とお金の流れを管理し、毎日定期的に数字を報告するなどといった仕事が挙げられています。決して難しいことではなく、たとえばセミナー開催するときの参加者リスト作成など、会社員であればありふれた日常作業です。セミナー運営の手伝いというカテゴリーの中の一部の作業として請け負えば、それは確実にお金になるでしょう。
クリエイティブ系は、動画や画像作成など、日常の会議資料を作る感覚でできること。Photoshopのようなソフトを使わなくても、PowerPointでできることも十分ありそうです。
コミュニケーション系は、人と話すことが得意な人に向いているのだとか。接客や営業経験がそのまま活かせる仕事が多く、たとえば、電話対応やLINE返信対応などが考えられます。
相手ができないことを、助けることで稼ぐ地味な起業。誰かをサポートしていくことで、自分自身の将来もだんだんと開けてくるのだといえそうです。
via www.amazon.co.jp
タイトル: 僕たちは地味な起業で食っていく。
著者: 田中祐一
発行: SBクリエイティブ
定価: 1,400円(税抜)