2018.10.1
まっとうな社会人でいるための3つのC
経費のルールがあいまいな職場、公私混同した上下関係、お金の貸し借りにルーズな身内。大人になれば、多少のルール違反や妥協は当然なのかと錯覚するシチュエーションが増えます。
釈然としない疑問を感じても、「みんなやってるんだから」「絶対にバレない」なんて言われると、困惑している自分が世間知らずの子どものように思えてきます。
道徳や善悪の判断がゆらぎそうなときは、Concept(コンセプト)、Consistency(一貫性)、Continuity(継続)。この3つのCに照らし合わせて判断してはいかがでしょう?
私たちみんなに共通した人生のコンセプトは、まっとうな社会人として生きることです。可能な限り、「お天道さまに恥ずかしくない状態」でいたいと、本心では誰もがそう思っています。
この判断はこれからの人生において、一貫性を持って継続することが可能な考えや行為なのだろうか?もし躊躇(ちゅうちょ)するのなら、それはお天道さまに恥ずかしいということです。みんながやっていても、たとえバレなくても。
この3つのCは、本来エイベックス・スポーツ代表伊藤正二郎氏がブランディングマネージメントとして提唱していたものだと付け加えておきます。
日常生活のストレスを軽減する3つのC
忙しい日々を充実していると感じるか、こんなの間違っている!と不機嫌に過ごすかは、現実をどう認知しているかの違いによります。
現実の認知が完全にゆがんでしまうと、久しぶりに予定のない休日が訪れても、今度はやることがないという焦燥感に駆られ、いてもたってもいられなくなるでしょう。
cognition(認知)、communication(交流)、control(自己制御)は、ストレスマネジメントや認知行動療法などメンタルヘルスの分野で用いられることが多い3つのCです。
日常生活をストレス一色にしかねない認知のゆがみを予防、解消するには、誰かと交流するのが効果的とされています。友人に打ち明けるのもいいですが、おすすめはストレス要因と無関係な他人との交流です。
たとえば、私はエステのお姉さんと美容談義に花を咲かせた翌朝、うつ状態から回復していたことがあります。ストレス要因から意識がそれたので、「必要以上に悲観的な自分」というメタ認知がうまくいったのでしょう。
最後のcontrol(自己制御)とは、感情の制御ではなく現実をコントロールできているという実感です。そのためには、無理なスケジュールを組まず、できない約束はしないことを徹底しなければなりません。
仕事をする上で心がけたい3つのC
私の仕事はフリーライターですから、常にクライアントの意向や取材先の個人情報、それを読む読者の反応が頭からはなれません。
サイトのアクセス数と著作権、娯楽性など、かかわる相手それぞれの感情を配慮しつつ文章のケアをする。ここでやっと、共同作業が成立します。
Care(配慮)、Collaboration(協業)、Create(創造)は、グッチやボッテガ・ヴェネタといった高級メゾンを保有するラグジュアリーブランドのケリングが、2017年に10年戦略として掲げたものです。
実は、共同作業なんて成立しなくてもライターはできます。しかし、配慮と協業の欠けた仕事は総じて出来が悪く、創造とは程遠いクオリティに自分でガッカリするハメになることを知っています。
ちなみに、仕事にまつわる3つのCは職業によって違うかもしれません。新たにふさわしいものを探してみるのも楽しいでしょう。
さまざまな3つのCを場面ごとに使い分けると、少なくとも「今どうすればいいんだろう?」というパニックは避けられます。どのような状況においても判断の基準を見失わないでいられるのが、ライフスタイルに指針をもつことの大きなメリットなのです。