2019.8.9
成功者の読書量は?本好きは年収が高い
成功者の読書量は、一般的に多いと考えられます。米国・カナダを中心に活躍するビジネスコンサルタント、ブライアン・トレーシー氏の言葉に以下のようなものがありました。「毎月1冊の本を読むだけで、自分の属する社会の中で上位1%の収入を得られるようになる。週に1冊、年に50冊読めば、自分のビジネス領域の中で最高レベルの専門性を獲得でき、年収も最高クラスになるだろう。定期的に読書する習慣は、人生を完全に変える。」
少し前になりますが、2009年の日本経済新聞の調査によれば、年収800万円以上の方の月額書籍購入費は平均3,000円弱とのこと。対して、400万〜800万円の方のそれは平均2,600円弱、400万円未満の方では2,000円弱に過ぎない、という結果があります。また、以前目にした別の調査では、30代で年収3,000万円以上を達成している方は、月平均10冊弱(3日に1冊)の本を読む、というものもありました。
私の周囲の成功していると思われる方々を思い返しても、一部の例外を除いて、読書好きが多いことは確かです。ただし、読書量は人それぞれ、成功者だから必ずしも本の虫、ということではありません。最近、コルク社長の佐渡島庸平氏、メタップス社長の佐藤航陽氏による対談が行われ、この折に「本を読まない人間はビジネスで勝てない、」「重要なのは情報量よりキュレーション(情報を収集し纏めたり、収集した情報を分類し、繋ぎ合わせて新しい価値を持たせて共有したりすること)、」との発言がありましたが、言い得て妙の感がありますね。
成功者の読書時間は?人それぞれでも日々習慣化
次に、成功者の読書時間、という観点から考えてみましょう。米国での調査と記憶しますが、純金融資産100万ドル(約1億1,000万円)以上の富裕層では、9割が毎日30分以上ビジネス関連書を読む習慣を持ち、6割が車などでの移動時にオーディオブックを聴いているとのことです。例えば、世界有数の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、1日の活動時間の8割、何と6時間前後を読書に費やしているそうです。
ページ数で言うと、1日当たり600〜1000ページとのことで、さすがに成功者でもこれは例外ですね。読書する際のポイントは、「他人の意見を過剰に傾聴しすぎないこと、」だと言います。自分の頭で都度キチンと考えることが大切、という意味です。本に書いてあること全てが正しい訳ではないですから、投資家らしい見解とも言えます。
米国の実業家で、NBAチームのダラス・マーベリックスのオーナーでもあるマーク・キューバン氏などは、1日3時間、1年1,000時間以上の読書時間を確保しているようです。読書のポイントは、「読書量よりも読書時間を意識、」とのこと。日々の読書時間を定着させることが大切、と説いているのですね。周囲の成功者と目される方々を眺めても、日々の読書時間は人それぞれで、平日は30分〜1時間程度が中心です。休日・休暇に纏めて読書派も多いです。
成功者の読書ジャンルは?バラエティに富んだ内容
成功者の読書ジャンルは、各人各様でバラエティに富みます。例えば、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の場合、読書はノンフィクション系が多く、ビジネス、科学、エンジニアリングなどのジャンルが中心で、小説も時折加えるとのことです。成功者の知己を思い返してみても、自身の専門領域とビジネス関連は必須で押さえていますが、それ以外のジャンルは人それぞれで、自身の興味次第という感じですね。
知人経営者の1人に、かつてビル・ゲイツ氏直下で共に働いていた方がいますが、読書傾向が同氏と酷似しているのは偶然でしょうか。2014年6月のビジネスインサイダーの記事によれば、富裕層の9割強が新聞などで毎日最新ニュースを入手した上、85%が1か月に2冊以上の自己啓発関連、キャリアアップ関連の読書をしているとのことです。また、成功者の多くが、他の成功者の自伝を読書に加えているとのお話もあります。
多くの自伝は、成功についてのみならず、失敗・挫折についても語られます。成功が失敗の連続の上に成り立っていることは、多くの成功者が実感しているところです。それでも、失敗して学ぶことには相応のコストがかかり、事業や投資で失敗すれば、損失ゼロという訳にもゆきません。成功者ほど他者の自伝を愛読するのは、自ら失敗して学ぶコストを抑えられるから、という可能性は大いにあり得ますね。