IT起業で失敗しないためのスキルは? プログラミング未経験はOK?

IT起業を考えるビジネスパーソンならば、必要なスキルは何か気になるところです。プログラミングのスキルは必須でしょうか? 終身雇用・年功序列の仕組みが崩壊した今、IT起業は富裕層になるための一つの道筋にも見えます。IT系での起業に必要なスキルセットを考えてみます。

2019.2.21

IT起業にプログラミングのスキルは不要?

結論から言えば、IT系での起業だからと言って、必ずしもプログラミングのスキルは必要ありません。
IT起業であれば、極端なお話PC1台あれば可能です。実際に会社員や公務員を続けながら、週末起業で稼いでいる方もいます。しかも、本業の仕事はIT系ではないことも珍しくないのが、IT起業の特徴なのですね。IT系での起業で大いに成功している方でも、プログラミングスキルがない状態でのスタートは珍しくありません。
例えば、AI(人工知能)を活用したITベンチャーで、2015年に東証マザーズ上場を果たした株式会社メタップスのCEO佐藤航陽氏や、オンラインプログラミング学習サービスを運営するITベンチャー、株式会社Progate代表取締役の加藤將倫氏でさえ、プログラミングのスキルを持たずに起業しています。プログラミングの工程が必要ならば、スキルのある優秀なプログラマーをアサインできれば、起業自体には問題ない訳ですね。
だからと言って、IT系で起業するのに技術を知らなくても良い、理解できなくても良い、という意味では決してないことは忘れないでください。その他、意外なことに営業スキルもIT起業では重要でありません。サイト集客が効果的にできて、集客の入り口さえ間違っていなければ、営業スキルはほぼ不要です。換言すれば、IT系での起業においては、どれほど営業スキルが高かったとしても、有効な集客ができなければ無意味になります。

IT起業で成功するための必須スキル5つとは?

ここで、IT系の起業で必要なスキルを紹介しておきましょう。ましてや生活して終わりではなく、起業に成功して富裕層入りを狙うならば、必須のスキルばかりです。まず筆頭は、「サイト運営のスキル」です。SEO対策のスキル(知識)もここに含まれてきます。IT起業の当初にサイト運営まで外注してしまうと、資金ショートに陥るリスクが高まるのですね。
次に必須なのが、「マーケティングのスキル(知識)」です。仮に、先に触れたプログラミングやサイト運営のスキルが乏しかったとしても、マーケティングのスキル(知識)があれば相当程度カバーでき、スタートアップ期を乗り切れる可能性が高まります。実際問題、プログラミングやサイト運営のスキルが高くても、マーケティングスキル(知識)に乏しいIT系ベンチャーの経営者は少なくないので、起業当初から競合他社に優位性を持つ助けにもなります。
3つ目が、「コピーライティングのスキル」です。WEB上での売上を大いに拡大させるスキルであり、潜在顧客に購入という行動を直接促すことが可能なスキルでもありますね。運営サイトのコピーライティングも広告代理店やコピーライターに外注できますが、IT起業の初期であればこそ、スキルを磨きながら自ら対応したいところです。
4つ目は、「広告運営のスキル」です。IT系の起業でアフィリエイトを絡めたものであれば、起業リスクが低いことは周知の事実です。ところが、売上が軌道に乗るまでは、起業してサイトを起ち上げてから半年以上は要することが一般的です。手掛けるに値するビジネスか、1ヶ月の売上はどの程度見込めるかなど、早い段階で感覚を掴みたいのであれば、成果報酬型のキーワード広告の運営が有効です。新規分野に進出する際のテストマーケティングとしても、後々もこのスキルは活用可能です。
最後は、IT起業でも軽視できない、「顧客共感のスキル」になります。IT系での起業と言えば、PCのモニターばかり睨んでいるイメージですが、その先には生身の人間がいるのですね。WEB上の潜在顧客から、「○○さんには理解してもらえる!」「○○さんに任せるなら安心できる!」と感じてもらうことができれば、競合に対して圧倒的な優位に立てます。当然ですが、リピートオーダーや、新規顧客の紹介も大いに期待できます。

IT起業で失敗したくないならスキルよりも手法こそ大切?

何より押さえておきたいのは、「IT起業で失敗したくないならスキルよりも手法こそが大切」ということです。企業体力に乏しいスタートアップ期のITベンチャーが、資源(ヒト・モノ・カネ)をあるビジネスに大きく投入して失敗した場合、致命傷になってしまう可能性は高いです。そこで、「リーンスタートアップ(Lean Startup)」のマネジメント手法を、IT系での起業であればこそ採り入れて欲しいところです。
具体的には、見込み客にインタビューしたり、最低限の機能のみを実装したアプリを公開して反応を探ったりして、方向修正を柔軟にしつつ、自社アイデアの収益化を探ってゆきます。最低限の投下コストで、短いサイクルでの仮説構築・検証を繰り返し、顧客ニーズを確実に探り当てることを狙います。商品・サービスの提供でハズせない、IT系での起業当初には活用必須のマネジメント手法ですね。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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