2018年6月29日 更新

お祭りで日本を元気に、元美大生が挑む地方創生とは〈加藤優子〉

お祭り好きが高じ、メーカー勤めからお祭りの企画会社を起業した元美大生の加藤優子さん。ツアー企画からスタッフ確保、補助金手配などお祭りのお助けマン、地方創生の火付け役として全国の自治体から注目を集めています。加藤さんに起業に至った経緯や今後の目標を聞きました。

STAGE編集部:お祭りとの出会いをビジネスに持って行こうと、学生時代から考えていたのでしょうか。
当時はこれがビジネスになると思っていませんでした。普通に働きながらお祭りの手伝いができたらいいぐらいに考えていました。オマツリジャパンも最初、社会人サークルのような感じで立ち上げたのです。そのうちにいっしょに活動する仲間が増えていき、次第に「これってビジネスじゃないか」と思えるようになってきました。
それでたくさんのビジネスプランコンテストに応募したところ、いろいろな賞をいただき、ビジネスに向かって動き始めました。コンテストに応募する際、資金計画や事業計画をまとめ、みんなの前で説明しなければなりません。そうするうちに、意外と簡単に現実化でき、街の人たちを喜ばせられるのではないかと思えてきたのです。趣味がいつの間にかビジネスに変わっていったような感じです。
STAGE編集部:最初にFacebookのページを立ち上げ、仲間を集めていったそうですが、どんな方法を取ったのでしょうか。
フェイスブックは社会人1年生のころ、趣味でそこら辺の祭りを撮影し、写真をアップして感想を付け加えていただけです。そのうちに仲間が増え、ビジネスプランコンテストに応募するようになりましたが、それまではとてもつまらないページでしたね。
集め方はいろいろ試しましたが、有効だったのはとてもゆるい方法でした。2週間に1回ぐらいのペースでお祭りをさかなに飲み会をしたところ、結構な数を集めることができました。盆踊りで歌って踊るツアーみたいなものを企画したこともあります。広がりはまだ関東中心ですが、和歌山県から「何かできることはありますか」と問い合わせてきた人もいます。

お祭り事業の問題を解決し、誰もが気軽に行けるお祭りを目指す

STAGE編集部:お祭りの未来はどうなると思いますか。
調べてみると、日本にはたくさんのお祭りがあり、毎日どこかで開かれているといっていいくらいです。経済効果も日銀の試算だと、ねぶた祭で238億円。日本は人口が減っていますが、お祭りを含めたイベント消費額は増え続けています。全国的に見れば、日本を元気にできるほど大きくなるのです。
でも、ほとんどのお祭りが何か困りごとを抱えています。地方は人口減少と高齢化で運営スタッフなどの人手不足が深刻です。予算不足やマンネリ化に伴うアイデアの枯渇も、主催者側にとって頭の痛い問題です。お祭りで日本を元気にするなら、こうした課題を解決しなければなりません。
STAGE編集部:今後の会社の方向性やビジョンを教えていただけますか。
お祭りのムーブメントを作っていきたいですね。日本人はお祭り好きですから、お祭りに参加する敷居をどんどん押し下げていく方向で事業を進めたいと考えています。
動物園や映画館へ行けば料金がかかりますが、お祭りは無料で行くことができます。それなのに、大人になると行かなくなる人もいます。面白いお祭りを発掘し、みんなが気軽にお祭りに行けるようサポートできる会社にしていきたいですね。
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