2017年12月4日 更新

値上げから読み解く景気。日本の景気は回復しているの、してないの?

メディア記事だけを見ていると日本の景気は回復しているようです。GDPの7期連続プラス、日経平均16連騰とか。でも表面の数字だけ見て判断していると将来の見通しを誤ります。常に本質を考えるようにしましょう。

それもそのはず、実際に総務省統計局が発表している「二人以上の世帯における平均消費支出」によると2017年8月は平均280,320円。この数字は結構厳しいもので……
2012年:平均286,169円
2013年:平均290,454円
2014年:平均291,194円
2015年:平均287,373円
2016年:平均282,188円

この数字は各年の二人以上の世帯の平均支出額です。このように2012年以降、個人はお金を使うようになったかといえばNO。増えるどころか徐々に減っています。つまり、焼き鳥の値上がりは「ボディーブロー」のように効いてくるといえそうです。しかし、企業としては値上げを「せざるを得ない」という状況であることも事実です。人件費は上昇し、しかも人手不足です。どちらも厳しい状況と言えます。
しかし、標題の「景気はいいのか?」という点に焦点を絞ると、「今は悪くない。でも今後は個人消費が落ち込み楽観視できない」とういう答えになりそうです。GDPの約60%は個人消費により占められています。この一連の値上げにより個人消費は落ち込むとすれば、いずれ「GDP前年比マイナス。値上げによる個人消費意欲に影」などという見出しが紙面を賑わしそうです。
ニュースは一段踏み込んで読み込むことで初めて有益な情報になります。企業や人の行動には必ず理由があります。踏み込んで読むコツは、その背景にある「理由」を探すことです。
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渋谷 豊 渋谷 豊
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