2019.3.29
アメリカのマーケットにチャレンジする
STAGE編集部:Life is Tech !といえば、ディズニーとコラボレートしたプログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」が人気ですね。
三木:はい、そうなんです。Life is Tech !は、キャンプやスクールでこれまで約3万7千人の中高生にプログラミング教育を行ってきましたが、地域格差を解消するために、オンラインで楽しく学習できるプラットフォームを作りました。そのシステムを活用して生まれたのが「テクノロジア魔法学校」です。
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とライセンス契約し、ディズニーの世界を楽しみながらプログラミングやクリエイティビティをオンラインで学べる学習教材として昨年4月にリリースされました。魔法学校の生徒になって、ロールプレイングゲームのように遊んでいくと、気づいたらプログラミングまで身についてしまう。あたかも自分がディズニーのクリエイターになったかの感覚で、4つのプログラミング言語(JavaScript、HTML/CSS、Processing、Shader)を勉強してもらえます。今までの教材ってつまんないとか、どこかで挫折しちゃうんですけど、それがないという画期的なものです。日本で半年前に発売して、おかげさまで大ヒットしています。
この「テクノロジア魔法学校」を持って、アメリカ進出します。「テクノロジア魔法学校」を作ったのは元スクウェア・エニックスのCTO(現Life is Tech ! のCTO)なんですが、Life is Tech ! で中高生を教えている大学生の子たち(メンター)も、制作に携わっています。アメリカでバシッと売ってあげれば、作った大学生の誇りにもなる。彼らがフューチャーされて、次なる中高生が、「わっ、かっこいい」と思えば、いい循環になるんじゃないかなと思います。
ただ、日本人とアメリカの文化が全然違うんですね。例えば、日本の社会は、キャラクター物にすごく許容がありますが、アメリカは少しちがいます。キャラクターを心底好きになるっていう雰囲気があまりありません。表現を変えて、キャラクターに頼るだけでなく、本質的な勉強もできるんだよっていうことをちゃんと伝える。表現だけではない、戦略的なマーケティングが必要ですね。どういうチャンネルで、どう見せていくか。あるいは、どういう会社とアライアンスしなきゃいけないか、ということを今まさに、全部やっているところです。
STAGE編集部:三木さんのパートナーも一緒にアメリカへ行くんですか?
三木: 主人は、自動車メーカーの研究開発をしているんですけど、付いてきてもらうも予定です。一見、すごいリスクのようだけど、リスクじゃないなと思ったんです。主人はハードウェアのエンジニアで、樹脂でも金属でも、なんでも加工できます。そして、実は、いまソフトウェアの勉強もはじめているんです。今の日本で、ソフトウェアもハードウェアもどちらもできるエンジニアは少ないんですね。
なおかつ、今回アメリカへ行けば、英語がもっとしゃべれるようになるし、アメリカの文化を知ることができるじゃないですか。もちろん、日本へ帰ってくる理由は撤退ぐらいしかないので、アメリカでずっと暮らし続けたいんですが、もし、万が一撤退したとしましょう。彼の経歴は、ハードもできる、ソフトもできる、英語もできます。仕事はありそうじゃないですか(笑)。だから、案外リスクじゃないかもなと思って今回、彼にもそう説得しました。「あなたのキャリアを考えたときに、もしかしたら1社にとどまるんじゃなくて、ソフトウェアも勉強して、なおかつアメリカ行くっていうのは、すごくいいキャリアチャレンジなんじゃないの」と言ったら、彼も二つ返事で、「ああ、そうだね」って。