2019.3.12
人と人とのつながりを教えたマーク・ザッカーバーグの父
Facebookの生みの親マーク・ザッカーバーグといえば、ハーバード大学在学中にFacebookを立ち上げた天才プログラマーで起業家です。
そのような人物の親とは、どのような人なのでしょうか。
マークの育った家庭環境は、日本のTV番組で詳しく特集されました。歯科医だった父親、元精神科医の母のもと、3人の姉妹のなかの一人息子として誕生。両親には「プリンス」と呼ばれて大切に育てられました。
マークの良き理解者であった父は、息子の才能を開花させた人物です。最新ハイテク機器が大好きで、当時は珍しかったコンピューターを町で一番に購入した人物でした。「コンピューターは世界を変える、未来はこの中に詰まっている」との父の言葉に触発されて、マークはたちまちコンピューターに夢中になりました。
マークは父の歯科医院の受付ソフトを作成しますが、これが彼のつくった初めての成果物となりました。
学業でも優秀すぎて高校がつまらなくなったマークは、高校を辞めたいと父に告げます。しかし、父は「学校は人と人とのつながりを学ぶ場所」であると説き、それが勉強よりも大切なものであると伝えます。
「人と人のつながり」こそ、Facebook誕生のキーワードです。この時の父の教えがFacebook誕生の土台となるのですから、素晴らしい父子関係です。
「人と人のつながり」こそ、Facebook誕生のキーワードです。この時の父の教えがFacebook誕生の土台となるのですから、素晴らしい父子関係です。
孫正義をアメリカに送った両親
ソフトバンクグループの創業者・孫正義氏は、在日韓国人として生まれ、敗戦後の貧しい時代に貧困や人種差別といった苦労をして育ちました。
幼稚園から大人っぽい子だった同氏を見て、父は「この子は自分の子ではない。社会のためにつかわなければ。」と思ったというエピソードがあります。父は事業を成功させましたが、ある時吐血して倒れてしまいます。家族の危機に瀕した孫氏は、「アメリカに行って事業家になる」ことを決意するのでした。
結局両親は、アメリカのハイスクール編入から、ずっと孫氏のアメリカでの生活を支えてくれました。「家族のために必ず成功する。そして人種を超える」という志で渡米した孫氏は、「両親なくして今の自分はいない」と語っています。
堀江貴文の寂しい少年時代
ITベンチャー社長の先駆けといえば堀江貴文氏です。彼の言動はいつも注目を浴びており、その人となりは良く知られるところでしょう。
しかし、彼がどんな親に育てられたかはあまり知られていないのではないでしょうか。
しかし、彼がどんな親に育てられたかはあまり知られていないのではないでしょうか。
「ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく」は2013年に堀江氏が仮釈放された後、刑期を終了する直前に出版された著書です。同書によると、時代の寵児と呼ばれた堀江貴文は福岡県八女の田舎に生まれ、田舎気質の両親に育てられました。同書にある堀江少年の幼少時代のエピソードは、メディアを通してみる人物像とはとても結びつきません。
堀江少年が苛まれた「居場所のなさ」や「愛情への枯渇」の描写が巧みなので、苦しくなるほど胸に迫ってきます。同書レビューを見ると、「堀江貴文ってこんな風に育ったの?」と驚く声もあれば、納得だという意見もありました。逮捕後すべてを失い人生のどん底を経験したタイミングでなければ、こんな赤裸々な描写はできなかったのではないでしょうか。
“なぜなら僕の両親は、一度として授業参観に来なかったからだ。”
“僕は寂しかった。家庭の温もりが欲しかった。親を心底嫌いになれる子どもなんて、そうそういない。”
“僕は寂しかった。家庭の温もりが欲しかった。親を心底嫌いになれる子どもなんて、そうそういない。”
本書には、堀江氏の運の良さをしめすエピソードも多く登場します。ずば抜けた頭の良さを認め、愛し、私立中高一貫校の受験を勧めた先生。故郷を離れたいがための東大受験と現役合格。そして、いずれ世界を席巻するコンピューター・インターネットとの出会いなどです。
堀江氏に働く喜びを教えたのは彼の母親で、それは大きな業績といえるでしょう。しかし、本書を読んで感じたのは、「成功者は枯渇したこころの持ち主からも生まれるのか」という小さな衝撃でした。
堀江氏に働く喜びを教えたのは彼の母親で、それは大きな業績といえるでしょう。しかし、本書を読んで感じたのは、「成功者は枯渇したこころの持ち主からも生まれるのか」という小さな衝撃でした。
冒頭の少年時代は、堀江氏の根本的な「さみしさ」が描写されており、引き込まれます。人に知られたくない生い立ちだと思いますが、それを淡々と明かしているところに本書の大きな価値があると思います。
まとめ
親子関係は根本的なものです。友達、結婚、仕事、自分の子との関わりなど、人間の社会性と対人行動に色濃く影響してきます。成功を収めた人物を調べてみると、それぞれに学び深い親子関係を持っていることが分かりました。また、たとえ親との関係が悪かったとしても、それを自覚し誰かに打ち明けることで、親代わりになってくれる存在に巡り合えることも多いようです。
出典:
ソフトバンク 新30年ビジョン発表会 #7/7
https://logmi.jp/business/articles/40729
孫正義(ソフトバンク)の国籍と一族の思想と衝撃的な生い立ち
https://riosatamanoi.com/archives/5540