2017.11.8
有名なマーライオンをはじめ、近年ではマリーナベイ・サンズなどの高級ホテルが次々と立ち並ぶなど、観光客に人気のスポットもたくさんあります。今回はシンガポールでいつか暮らしてみたいと考えている人のために、シンガポール移住にかかる費用を試算し、一カ月あたり一体どのくらいのお金が必要なのか、その生活費を項目ごとにご紹介します。
シンガポールの家賃相場は高い
シンガポールは東京23区とほぼ同じ面積という極めてコンパクトな国ですが、その中におよそ560万人もの人々が暮らしています。そんな狭いシンガポールの住宅事情ですが、移住者はコンドミニアムと呼ばれるマンションアパートを複数人でシェアするのが一般的です。
しかし、シンガポールは世界でも1・2位を争うほど家賃相場が高く、シングルタイプの部屋でも最低3,000シンガポールドル(約25万円)ほどはかかるようです。また、エリアごとに家賃相場は異なりますが、日本人が多く住むエリアともなると、およそ5,000シンガポールドル(約41万円)以上になってしまう可能性が高いようです。
移住者にとってかなりハードルが高いシンガポールの住宅費。しかし、シンガポール国籍を持つ現地人に対してはHDBと呼ばれる集合住宅が比較的安価で提供されているなど、優しい政策が取られています。そのため、シンガポール人の持ち家率は実に90%! 日本の持ち家率がおよそ6割と言われているので、驚くべき割合ですね。
食費も高いシンガポール
シンガポールの食費ですが、住宅費の高さには及ばないまでも費用がかかります。そもそも物価が高いため、外食するにしても自炊のため食材を購入するにしても、日本の2~3倍はかかるとみてよさそうです。
特に外食に関して注意しなくてはならないのは、消費税とサービス料についてです。例えば、レストラン等で飲食をした場合、シンガポールは7%の消費税がかかります。その上、サービス料として10%が課せられ、結果的に飲食代から17%もプラスされた料金を支払う必要があるのです。また、お酒やたばこなどの嗜好品にも高い税がかけられているので、好きな人にとってはとても苦しいことになるかもしれません。
自炊をする場合ですが、シンガポールのスーパーは店舗ごとにかなり値段差があるようなので、まずはいろんなお店を巡ってみて独自に価格調査するのがいいでしょう。また、スーパー以外では「ウェットマーケット」と呼ばれる市場のようなものが有名で、こちらはスーパーよりは庶民的な値段で品物を購入できるようです。
1カ月あたりの食費は外食と自炊が半々と考えて、およそ800~1,200シンガポールドル(約6万6,000~10万円)くらいになります。
交通費は意外にもリーズナブル
物価が高いシンガポールですから当然交通費も高いと思いがちですが、住宅費や食費に比べると交通費はとてもリーズナブルです。また、交通の便もよくタクシーやバス、MRTと呼ばれる地下鉄、LRTと呼ばれるモノレールなど、さまざまな交通手段があります。
中でもタクシーは安く、車種によって異なるものの初乗り料金が3シンガポールドル(約250円)くらいから利用できます。また、タクシー以外の乗り物を利用する際には「イージーリンクカード」と呼ばれるIC乗車カードが便利です。各種交通料金の支払い以外にも、お店などでの商品購入時の支払いにも使えるなど、日本でいう「スイカ」や「パスモ」のように、暮らしに欠かせないカードとして多くの人に利用されています。
バスや地下鉄での移動は1回あたりせいぜい1~2シンガポールドル(約80~160円)くらいしかかかりません。よって1カ月あたりの交通費は100シンガポールドル(約8,300円)程度あれば足りるでしょう。
思わぬ罰金で大金を失うことも
シンガポールでは環境づくりを徹底するためにたくさんの条例が決められており、それらを破ると罰金を支払わなければなりません。日本ではついやってしまいがちな行為であっても、シンガポールでは認められないことが多いので気を付けましょう。
例えば、ごみのポイ捨てで最高1,000シンガポールドル(約8万2,000円)、またチューインガムに関しては持っているだけで罰金となり、最高1万シンガポールドル(約82万円)が科せられます。さらに住宅に関していえば、蚊の発生を防止する行為を怠ると最高1万シンガポールドル(約82万円)の罰金となります。そのためシンガポールでは政府による住宅の抜き打ち調査が定期的に行われるそうです。
シンガポールで暮らすために必要な生活費の目安をご紹介しました。これらを参考にして移住への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。