2020年2月7日 更新

「起業するなら京都がいい」と言える10の理由

ベンチャーは東京での起業が多いのですが、「京都」もなかなか点数は高いです。交通の便の良さ、国際的知名度、モノづくりの伝統、「知の集積」、多様性やチャレンジ精神を尊ぶ風土、コンパクトシティ、コストの安さ、手厚い起業支援などのメリットがあります。

4 大学、研究機関の数が多く、重厚な「知の集積」がある

京都は大学・短大が40校以上ある「学都」で、優れた人材が集められます。大阪府、奈良県にまたがる「けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)」や、国立、府立、市立、大学付属の研究機関は多数あります。ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授を所長に2010年に「京都大学iPS細胞研究所」が設立され、京都は再生医療の世界的な拠点になろうとしています。そのように「知の集積」では首都圏にひけをとりません。

5 芸術、学問、研究開発、多様性、チャレンジ精神を尊重してきた風土

伝統のモノづくり、芸術、学問、宗教、文化財を大切にしてきた京都は、全国、海外からもさまざまな文化や人材を受け入れる「多様性重視」の町でした。ビジネスではイノベーションを生み出す「研究開発」を重んじチャレンジ精神を尊重。明治維新で首都が東京に移ったので中央政治と結びついた財閥系企業がほとんどなく、特定企業に依存する「企業城下町」でもありません。そのため京都の経済人は「誰が上で、誰が下か」という意識が薄く「横一線」で、その中で独立・自治の気風や反骨精神が養われました。精神風土でもベンチャーにとっては良い環境と言えます。

6 近江商人のモットー「先義後利」の影響を受けた京都式経営

京都の隣は「近江商人」のふるさと滋賀県で、多くの経済人を輩出しました。近江商人がルーツの京都の企業も少なくありません。近江商人のモットーは「先義後利」(道義が先で利益は後)で、長期的視点からビジネスを目先の利益ではなく持続可能性(SDGs)を重んじます。その影響を受けたのが「京都式経営」で、同業、異業種と協力して「和」を重んじるベンチャーは歓迎されるでしょう。

起業のコストが安く、起業支援策も充実

7 盆地の京都は平安遷都の時から「コンパクトシティ」だった

「コンパクトシティ」は、市街地でビジネスや生活に必要な機能が近接し、効率的で持続可能な都市という意味です。京都の町は盆地で、東山、北山、西山に囲まれた地理的制約があるため、平安遷都以来都市機能が小さく集約されたコンパクトシティでした。

8 東京と比べるとビジネスや生活のコストが割安

三幸エステートの調査では、オフィス家賃(坪単価)は東京23区が2万7932円、渋谷区を含む東京都心5区が3万1177円に対し、京都市は1万8972円で、東京23区平均の約3分の2。その差で優秀な人材が雇えそうです。
「ウチノカチ」によると、京都府の中古マンション価格は40.3万円で東京都の半分以下。賃貸マンション平均家賃は2084 円で東京都より27%割安です(1平方メートル単価)。
家計に占める住居費の割合は大きいので、京都は東京よりもコストが安く、余裕のある生活ができると言えそうです。「観光公害」が話題ですが、名所旧跡が多い中心部にオフィスや住居がなければ気にならないでしょう。

9 自治体や経済団体などによる起業支援が充実してきている

2019年8月、西脇京都府知事と門川京都市長は「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に名乗りをあげると合意しました。国が指定し、自治体や大学、民間企業が連携して起業のための人材育成や環境整備を行えばと、国が重点的に支援する制度です。
起業支援のインキュベーション施設は、京都市内だけでも「京都リサーチパーク」「西陣産業創造會舘」「西陣IT路地」「京大桂ベンチャープラザ」「クリエイション・コア京都御車」などがあります。「京都市ベンチャー企業目利き委員会」というものもあります。

10 ベンチャーの先輩が多く、そのほとんどは本社機能を京都に残している

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