2019年1月29日 更新

〈奥田修史〉 創成館校長 “ギラギラする”ことが人生を救うチカラになる。甲子園2018出場校

「お金とは、向き合わなければならないもの。(奥田修史)」

2015.12.4
かつて「偏差値がつかないほど」落ちぶれ、経営的にも破綻寸前にまで追い込まれていた長崎県諫早市の創成館高等学校。窮地から奇跡の復活劇を見せ、教育業界のみならず広く世間を驚かせた、3代目理事長でもある奥田修史校長。

皆から“ヤンチャ校長”と呼ばれる異端の校長に、教育について、経営について、そして“ギラギラ”に沸き立つその生き方について熱く語っていただきました。

■「お客様」である生徒に視点を向けたら学校が変わった

STAGE編集部:32歳で、お父様の急死をきっかけに、経営破綻寸前の学校法人奥田学園の3代目理事長に就任されました。

こういうこと言うと先代に申し訳ないけれど、それまでの経営の失敗は、経営陣に原因がありました。実際の数字を見て、「ああ、もう終わってるな」と思いましたね。
どう考えても、先代が金融機関に対して出していた返済計画ではよい教育はできないのが目に見えていて。だから金融機関に対して、「もしうちの立て直しに協力してもらえるのであれば、返済計画を大きく変えてほしい」と説得をしました。お金を生み出すためになんとかしようじゃなくて、生徒たちを輝かせることをやって経営を立て直すというほうに方針を転換したんですね。

それまでは、入試で名前さえ書けば全員入学できますっていうような学校だったけれど、落とすべきは落とす。それで入学者が減ったとしても耐えて、入ってくれた生徒にはとにかくとことん付き合おうぜ、と。

かっこつけた話かもしれないですけど、「お金」から「お客様」である生徒にバッと視点を向けたところから評価が変わりましたね。

STAGE編集部:その想いや情熱を先生たちと共有するのには時間がかかったのではないですか?

結構すぐにできましたね。先代の秘書的な仕事をしているときによく職員室にいたんですけど、経営陣よりも先生たちの方が、教育者として正しいんですよ。現場の先生たちは現実を分かっているし、生徒たちをこうしよう、っていうアイデアもいっぱい持っていたんです。

だから僕は、理事長の座を継ぐ前から「この学校はもしかしたら復活するんじゃないかな」っていう期待を持っていたんです。実際に、先生たちに「本当の教育をしようぜ」っていう話をすると、自分たちが食い詰めてでも「やろうやろう」みたいな反応があった。給与40%カットという荒業ができたのも、本当に現場の力、理解です。この学校を復活させたのは他の誰でもなく、そういった現場の先生たちの気概じゃないかなと思いますね。

■まずは自分が身を削る姿を見せる

STAGE編集部:給与といえば、著書『ヤンチャ校長、学校を変える』の中でも「理事長の報酬が最も多い必要はない」という主旨のことを仰っていました。

企業でもそうですけど、常識的に考えて、利益が出ていないのになんで社長が一番高い給料をもらわなきゃいけないんですかね。利益が出ていなかったら、社長自らが給料をカットしなくちゃやっていられないでしょ。僕がもし部下だったら、「お前なにたくさん給料とってんの?」って思ってどんどんモチベーションが下がっちゃいますよ。まず自分が身を削る姿を見せないと絶対に人は動かないと思います。
僕が理事長になったときは、手取りで10万円ももらってなくて、嫁さんのヒモみたいな感じで何年か過ごしていたんです。まずそこを見てもらったから、「理事長がここまでやっているんだったら、理事長が掲げている理念に賛同した自分たちもやらなきゃいけないよね」って、先生たちに思ってもらえたんですよね。

野球部が甲子園出場を果たした際に 使ったというユニフォーム。
STAGE編集部:現在はお金に不自由しているということはないと思いますが、今の奥田さんにとってお金とはどんな存在でしょうか。
お金っていうのは、決して目を背けてはいけない、向き合わなければいけないもの。いろんな意味で目を背けたくなるかもしれないけど、いい意味でも、悪い意味でも、向き合わなければいけないものだと思います。
福沢諭吉先生の言葉に、“金銭は独立の基本である、これを卑しむべからず”っていうのがあります。お金ってすごく危なっかしいものかもしれないけど、やはりある程度のお金がないと生きていけないというのは現実なわけですよね。
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