「自分の仕事を他人に任せるためのマニュアル」で人生が変わる

仕組み仕事術
気合いと根性だけでは、仕事は長続きしません。では、どうするか?——おすすめは「自分が働かなくてもいい仕事は、『仕組み』に働かせる」という考え方です。効率化に悩むビジネスパーソンへ、泉正人のベストセラー『「仕組み」仕事術』よりスペシャル版としてお届けします!
2018.4.18
生産性が求められるこの時代、「忙しい」の言葉や長時間労働は、自ら仕事ができないと公言してしまっているのと同じことかもしれません。チェックシートとマニュアルづくりを覚えて、新しい時間を創出しましょう。

「忙しい」は次のステージへ進むチャンスである

日々仕事に追われて、ついつい「あぁ忙しい……」「時間がない」とつぶやいてしまっていませんか? でも冷静に考えてみてください。アメリカの大統領よりスケジュールが詰まっているでしょうか? 成功している企業の経営者よりも忙しいでしょうか? いや、まだまだできますよね!
「忙しい」と思い込んでしまうと、それ以上なにもできなくなってしまいます。どうやるかという効率化する努力を放棄することは、自分の能力を制限してしまうこと。「忙しい」人こそ、仕事は限られた時間の中で、いかに成果を出すべきかと生産性を上げるという考え方に変えていきましょう。
また「仕組み」を使えばそれが可能になります。「考え方を変える」ことは、「仕組み」をつくることの第一歩。「仕組み」を作ることで、仕事の処理能力が飛躍的に高まり、結果として、仕事は次のステージに進むことができます。忙しいときこそ、成長のチャンスなのです。

「仕組み」が生み出す2つのメリット

忙しいからと言って、毎日のように長時間労働するのは明らかにオーバーワークです。しかし、どこかで「長時間仕事をしている自分がスゴい」という気持ちがある人も案外多いのかもしれません。しかし、そんな仕事のやり方にはいつか限界がきます。いますぐ、「仕組み」仕事術に切り替えましょう。
「仕組み」のメリットは大きく2つあります。
1つが「私生活が充実する」こと。それまで1日の大半を費やしていた日常業務や書類整理といった仕事を「仕組み化」し、朝のうちに短時間に終わらせるようにすると、多くの時間と労力を新しい仕事に向けることができるようになります。あわせて、社外の人に会う機会も増え、趣味の時間も増やすことができ、充実した時間を過ごしていることが実感できるでしょう。
2つめは「仕事の業績が向上する」ことです。これまでは「労働時間=業績」すなわち、たくさん仕事をしたらそれだけ売り上げが立ち、しなかったら途端に収入が激減という状態だったのが。「仕組み」をつくることによって、労働時間に関係なく業績が安定し向上し続けるようになります。「仕組み」で仕事にも私生活にも余裕が生まれていくのです。

未来の自分時間へ投資する

「でも、「仕組み」を一生懸命考えている時間があったら、仕事をさっさと片付けたほうが早い」なんて声も聞こえてきそうです。実はそれも一理あります。実際に、きちんと使える「仕組み」をつくろうと思ったら、それなりの時間と手間がかかります。そのときは「仕組みをつくる」という仕事がひとつ増えることになります。しかし、「ここで「仕組み」を作っておくことで、あとでどれだけ楽ができるか」と考えると、将来それは何倍にもなって返ってくるのです。実践しやすい2つの仕組み例を教えましょう。
1つ目は「指示時間を削減できるチェックシート作成」です。あなたがマネージャーで社内文書の書き方や提出先について、たびたび部下に質問されて時間を取られていたとしたら、社内文書の提出先を一覧にして、提出の流れをチェックシート形式にまとめておくとよいのです。そうすれば、部下は流れ作業として書類を提出できるようになりますし、あなたは説明する手間がなくなります。
2つ目は「自分の仕事をまかせられるようにマニュアルを作る」です。あなたがいつもミーティングの司会をやっているとすれば、あなたがいないとミーティングは進行できません。わかりやすく議事進行マニュアルを作れば、次から同じ仕事を同僚や部下にまかせることができます。それによってあなたの仕事がひとつ減るほか、ミーティング自体の質も上がることになるでしょう。このように「仕組み」をつくることは、将来の自分の時間への投資と考えることができるでしょう。

泉 正人

ファイナンシャルアカデミーグループ代表、一般社団法人金融学習協会理事長

日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの3つの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりのある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着をめざしている。『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。一般社団法人金融学習協会理事長。

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