05 没頭する
ゴールキーパーは、極限に近い集中力を要求されるポジションです。ゼロコンマ何秒という反応と判断が勝敗を左右するので、意識世界の中だけではたやすく動けない。考えすぎず、余分な情報や雑念に左右されず反応できるように、神経を研ぎ澄ますことが必要なのです。
そのためにぼくは、あえて何も考えない時間を作ります。それを「無意識の意識」とぼくは呼んでいますが、その時間を作ることで集中するときの集中度が深まっているのです。
普段の生活でも、同様です。
なにかワクワクすることがあれば、集中を通り越して、没頭することがよくあります。
時間も忘れ、完全に無意識になって没頭している時間です。
小さい頃は、家の前でボールを蹴り始めたら、日が暮れて母親に夕飯の時間と言われるまで、夢中になってひたすら壁に向かってボールを蹴っていました。
大人になってからも、トレーナーから朝食の組み合わせのアドバイスを聞いたら、5年経って初めて、5年間も毎日全く同じメニューを食べていたのに気づいた、なんてこともあります。
基本的にやり始めると、かなりの時間が経つまで気づかず、没頭するのです。
こんな日々の無意識と没頭の繰り返しが、明日を作っていくと信じています。
06 リスクを過剰に恐れない
「失敗は成功の母」ということわざがありますが、ぼくはこれを身をもって体感し、失敗を恐れるなというメンタルの考え方を学びました。ミスをした経験を活かす、ミスは成功へのステップである、だからミスというリスクを恐れない、という考え方が身につきました。
実は、ミスを恐れずに行動できている人は、過去に大きなミスをした経験をもっているのです。でも一度、そのミスを乗り越え、成長していけば、ミスをするというリスクが、実はリスクではないことに気付かされるのです。
本当のリスクは、ミスをすることではなく、「チャレンジしない自分がいること」です。サッカーの試合でも、お金では投資でも、リスクを恐れていては何も前に進みません。何も前に進まないばかりか、進化の早い今の時代では、後進さえしてしまうと考えています。
07 人と違うことをやる
人と同じことをしていれば、人と同じにしかならない。
そう教えてくれたのは、浦和東高校時代のサッカー部監督、野崎正治先生でした。
その時教わったことは「目標からさかのぼって、プロセスを考え、実行する」ということ。
プロサッカー選手になりたいという夢があったぼくは、その当時の自分に足りないところを考えました。そしてその足りないところを埋めるには何をしなければいけないかを考えるように、教わったのです。
人と同じことをしていれば、人と同じにしかならない。
ぼくの心に刻み込まれたこの言葉は、小さなことからトレーニングがスタートされた。たとえば自転車にのるときも、普通にペダルをこぐのではなく、あえてつま先だけでペダルをこぐ、という小さな差を積み重ねていくことをした。こんな細かいことは誰もやっていない。でもその日々の差が、将来の大きな差になることに気づいたのです。
これはトレーニングだけではありません。
勉強も、仕事も、そしてお金も、人と同じことをしていれば、人と同じにしかなりません。
一人ひとり違う人生なのに、人と違うことで不安になるからという理由だけで、平均的な道を選んでしまう。それは、人生を楽しむということをあきらめてしまうことになるので、とてももったいないことだと思うのです。
人と違うことをやる。
自分自身を育てる、とてもいい方法だと思います。
★最後に一言
何かを達成するということは、確信と覚悟がなくてはいけません。
確信とは自分がこの道を進めば必ず成功するという道を追求すること。
そして覚悟は、うまくいかない時も成功するために必要な経験として、それを自分の力に変える、成功するために受け入れられる心があるかだと思います。
自信を持つことは時に難しいかもしれませんが、自分を信じることに根拠なんていりません。
ぜひ、その根拠を自分で作れるように頑張って下さい。