【書評】USJは、世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ

カルチャー
USJはハリウッド映画のテーマパークとしてオープンし、当初は世界中のどのテーマパークよりも早く、来場者数1000万人を突破したそうだ。評者も、映画好きのため映画の世界を実体験したいと思い、オープン当初に足を運んだ。

USJはハリウッド映画のテーマパークとしてオープンし、当初は世界中のどのテーマパークよりも早く、来場者数1000万人を突破したそうだ。評者も、映画好きのため映画の世界を実体験したいと思い、オープン当初に足を運んだ。

しかし、オープン翌年に起こった不祥事等により来場者数は激減した。と言われていたが、実際にはメインテーマとなっていた「映画だけのパーク」「大人だけのパーク」が、結果として来場者数を伸び悩ます原因となっていたと著者は気づいたのだった。

その後、映画とは異なる様々なキャラクターが登場したり「アニメ」の世界がパークに広がる様子、また「世界一の光のツリー」「ハロウィーン・ホラー・ナイト」などが注目され、どのような経緯で誕生し、そしてUSJはどのように変化して現在の成功へと繋がっていったのかがとても気になっていた。そして、最近になって著者の存在や本書を知ることになった。

著者のUSJでのマーケターとしての活躍により、集客低迷字の1.4倍の集客に成功し「USJの奇跡的なV字回復」とも言われた。しかしその裏側は、悪戦苦闘の連続だったそうだ。何度も訪れるピンチを切りぬけ、発狂しそうなぐらいドラマチックだったと著者は言う。本書では、そのようなストーリーが共有できるのだ。

また、オープン前から話題となり、テーマパーク・エンターテイメントの結晶と言われた「The Wizarding World of Harry Potter」の完成までの間、来場者数を伸ばすために失敗が許されず、また少ない資金の中で様々なアイディアを生み出し続けなければならない状況となり、それは試行錯誤の連続だったという。

そのため、プレッシャーなどから眠れない日々を過ごしながらも、夢の中に出てきたアイディアにより、繰り返し成功を勝ち取る事ができたそうだ。

著者は言う。テーマパークは、究極の「集客ビジネス」であり「集客アイディアの実験場」である。そのため、本書に書かれているUSJが実践してきた内容は、テーマパークに限らず、消費者を相手にし、集客に悩むすべての人々へ役立つ内容となっている。