ヒューマンスキルとは マネジメント層に求められる対人関係力

ビジネスシーンでは、その業務の技術的スキルのみならず、あらゆるスキルが求められます。どれだけ完璧な仕事をしても、人との関係をうまく構築できないとうまくいかないことも多いものです。今回はヒューマンスキルにスポットを当てて、その重要性について考えていきます。

2019.3.8
職場で必要なスキルはどんなものがあるでしょうか?資格・経験などさまざまなスキルがあげられますが、なかでも「ヒューマンスキル」はどんな社会人であっても必要となる普遍的なスキルのひとつ。今回は、ヒューマンスキルについてご紹介していきます。

ヒューマンスキルの意味とは?

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ヒューマンスキルとは、良好な人間関係を築くうえで必要になる能力・技術のことで、日本語では「対人関係能力」ともいわれます。アメリカの経営学者であるロバート・カッツにより提唱されました。 カッツはビジネススキルとして、業務を遂行するために重要であるテクニカルスキル(職務遂行能力)、総合的に問題の核を捉えて判断するコンセプチュアルスキル(概念化能力)、そしてヒューマンスキルの3つをあげています。
ビジネスシーンではさまざまな人材・階層がありますが、カッツは、テクニカルスキルは現場で活躍する監督者層、コンセプチュアルスキルは企業経営に関わる経営者層に対して重要度が高いとしています。 一方でヒューマンスキルは、どのような人材に対しても同じレベルの重要度があるとしているのがポイントです。ヒューマンスキルとは、ビジネスパーソンとしてぜひ備えておきたい重要なスキルともいえるでしょう。

ヒューマンスキルの具体的な能力

ヒューマンスキルと一言でいっても、さまざまな能力があります。 ・コミュニケーション力
・ヒアリング力
・ロジカルシンキング
・プレゼンテーション力
・交渉力
・動機付け
・リーダーシップ力
・向上心
そもそも対人関係を良好なものにするには、相手の性格を把握して対応できること大切です。そして相手の考えを聞き、話の本質を理解します。論理的に考え、個人はもとよりチーム全体の意見をうまくまとめ、プレゼンすることも大切なスキルです。そして自分の意見をうまく伝えて意見交換・交渉を行います。 マネジメント層などでは、部下が主体的にものごとに取り組むため、効果的に動機付けをすることが重要です。チーム全体をまとめるためのリーダーシップ力・向上心なども大きく関係してきます。
ヒューマンスキルは、あらゆるビジネスシーンで活用できる一方、なければ苦労することも多いといえるでしょう。多様な働き方が推進されるなか、これからもっと必要になるスキルのひとつです。

ヒューマンスキル向上のためのポイント

一定の年齢を超えると、本人の性格や特徴などによっては、ヒューマンスキルを高めることは難しい場合もあるでしょう。しかしポイントを押さえることで、ヒューマンスキル向上に取り組むことはできます。 ヒューマンスキルを向上させるためには、まず基本となる能力から注力していくことです。ヒューマンスキルのうち基本的な能力というと、個人的に高める努力ができるコミュニケーション力・ヒアリング力・ロジカルシンキングがあげられます。
ヒューマンスキルを高めるうえで、自分の気持ちをしっかりと理解するのはもちろん重要です。さらに付随して重要になるのが、相手への理解です。相手の話を聞いて気持ちやその場の状況を理解し、相互理解を深めていくことで、ヒューマンスキルが向上する近道となります。

ヒューマンスキルはマネジメント層にとって重要な能力

ヒューマンスキルはどんなビジネスパーソンにも大きな効果をもたらしますが、なかでもトップ経営陣と現場社員との間に立つマネジメント層にとって、重要な能力です。マネジメント層は中間に位置しながら双方の立場や考えを把握し、パイプ役となって企業の発展に貢献することが求められます。 マネジメント層にとって、チーム全体を把握するだけが仕事ではありません。必要なときに専門的・技術的なスキルを伝達することもあれば、経営層からの重要事項をわかりやすく説明し、部下に理解してもらうよう努めることも求められます。
こうしたさまざまな状況のもとで、ヒューマンスキルは大きく役立つ能力です。人材採用・昇進などの場面で、高評価をあげるスキルともいわれるヒューマンスキル。技術だけでは、職場で円滑に働き続けることは難しいものです。ぜひヒューマンスキルの重要性に着目して、能力アップに努めてみましょう。
湊音

湊音

元総務・人事キャリアを持つフリーライター。これまでの経験を活かし、「仕事」「働き方」などのテーマを中心に執筆活動中。女性がのびのびと多様な働き方を実現できるべく、常に新しい情報をキャッチしています。
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