ディズニープリンセスにみる女性像の変化 プリンセスの未来は?

世界中の女の子誰もが一度は憧れるディズニープリンセス。その数百万ドル規模の「ディズニープリンセス」フランチャイズの発展の陰には様々な改革があります。今回はディズニーが描くプリンセス像の変化と背景、その社会的影響、そして未来について探ります。
2019.2.10

ディズニーアニメーションの黄金期 活動的なプリンセスの誕生

映画『シュガーラッシュ:オンライン』ではディズニープリンセス達のイメージを大胆に変えてしまうコメディーとして描き注目を集めています。しかし、プリンセス達のイメージは今回初めて変えられたわけではありません。時代と共にそのイメージは少しづつ進化してきたのです。
一般的にディズニープリンセスとして知られているのは下記の通りです。

白雪姫    (白雪姫、1937年)
シンデレラ (シンデレラ、1950年)
オーロラ姫 (眠れる森の美女、1959年)
アリエル  (リトル・マーメイド、1989年)
ベル    (美女と野獣、1991年)
ジャスミン (アラジン、1992年)
ポカホンタス(ポカホンタス、1995年)
ムーラン  (ムーラン、1998年)
ティアナ  (プリンセスと魔法のキス、2009年)
ラプンツェル(塔の上のラプンツェル、2010年)
メリダ    (メリダとおそろしの森、2012年)
アナとエルサ(アナと雪の女王、2013年)
モアナ   (モアナと伝説の海、2016年)

この中で、白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫、この3人はいわゆる古典的なディス二―プリンセスと言われ、従順に王子様が助けに来てくれるのを待つドレスの似合う可愛らしいプリンセスです。
ところが、オーロラ姫(1959年)の後30年を経て現れた、『リトル・マーメイド』のアリエルは古典的なプリンセス達とは違い、自ら運命を切り開き、時には父親にさえ反抗する活動的なビキニ姿のプリンセスとして描かれたのです。
その背景には30年の間に時代はフェミニズムへの意識が強くなり、女の子に従順でいればいつか王子様が現れ幸せにしてくれるという考えを植え付けてしまう古典的なプリンセス像が社会的に受け入れられなくなってきたのです。
1989年の今までに見ないプリンセス像、『リトル・マーメイド』の誕生は、その後10年間、より活動的なプリンセス達や『ライオンキング』などの名作を世に送り出したディズニーアニメーション黄金期の火付け役となったと同時に女性の社会的な進出に拍車をかけることになりました。

ディズニープリンセスの制作スタッフに女性も起用しより個性的に

ディズニーは時代にあった自由で個性的なプリンセスを生み出すため、制作スタッフに女性も採用しディズニー自体がフェミニズムを取り入れた改革に踏み出したのです。
『リトル・マーメイド』では初めて女性制作スタッフを1人入れヒットを飛ばしました。その後、次々と増える女性制作スタッフの活躍が古典的なディズニープリンセスのイメージを少しづつ解放し、より親近感のあるプリンセスを生み出しているのだろう、とBuzzFeedNewsは指摘しております。
王子様と父親を、優しさ、愛情、芯の強さで守った『美女と野獣』のベル。
入植者と恋に落ちたが、自ら自分の民族と共に生きることを選んだインディアンのポカホンタス。
男装して戦争に出向くムーラン。
自分の夢を追いかける『プリンセスと魔法のキス』のティアナ。
強い姉妹愛を貫く『アナと雪の女王』のアナとエルサ。
がっしりした親近感のある体型で、村人のために航海に出る頼もしい『モアナと伝説の海』のモアナ。
女性の制作スタッフにより、フェミニズムだけではなく、人種や恋愛にも配慮のある、作品ごとに型にはまらない、個性的なプリンセス達を生み出しているのでしょう。

ディズニープリンセスの未来

映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』ではジーパンをはいて、寝そべりながら愚痴を言う、現代の女性像をディズニープリンセスに反映させ話題を呼びました。
コメディータッチでパロディ的な面白さもありますが、注目すべきはプリンセスを現代で言う年頃の女性として描き、身近な女性の1人のように、親近感を感じさせる立場にしていることではないでしょうか。
このアイデアを出したのは脚本チームのパメラ・リボンという女性ライターです。彼女は「こんなこと(プリンセス達をいじるようなこと)書いたら、首になるかも」と思ったそうですが、上司は喜んで許可し、結局は人気作となったのです(ワシントンポスト)。
流れから見ると、今後のプリンセスは独立心があるだけではなく、現代風のユーモアセンスで問題を乗り越えられる許容力のある女性を描いていくのかもしれません。
近代化していくディズニープリンセス。しかし、小さい女の子の多くはまだドレスを着て「シンデレラと朝食」を夢見ているのも事実です。ウォルト・ディズニーが描いたプリンセス像があまりにも現実的なイメージとなってしまうのも、夢の国ディズニーランドのブランディングや集客の関係もあり、ディズニー社としてはバランスが難しいところではないでしょうか。
参考記事:

K.ブリーン

アメリカの某大学経済学部卒業。主に社会経済や映画の事などを書いてます。ピラティスにはまり、指導員資格を取りました。

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