リベラルアーツとは?ビジネスで必要な「本質をつかむ力」

キャリア
「リベラルアーツ」という言葉をご存知ですか?日本語では「教養」と表記されることが多いものの、その本質は少し異なります。近年ではリベラルアーツが、ビジネスシーンで重要なスキルだと注目を集める存在に。今回はリベラルアーツの意味や重要性、活用方法などをご紹介します。
2019.5.6
ビジネスシーンでは、過去の実績はもちろんのこと、さまざまなスキルが大いに役立ちます。なかでもリベラルアーツは、経営者側から見ても重要なスキルとして認識されています。今回は、リベラルアーツの実態とはどういったものなのかを解説していきます。

リベラルアーツとは?

リベラルアーツというと「教養」と認識されることが多く、職場においては専門領域と相反するスキルともいえます。そもそもリベラルアーツの起源は、古代ギリシャ・ローマ時代における「自由七科」です。奴隷制のあった時代において「自由に生きるための学問」として誕生しました。

自由七科は細かくいうと3学(文法学・修辞学・弁証学)と4科(算術・幾何・天文・音楽)に分かれています。奴隷ではなく自由民として生きていくためには、必要になる学びだと捉えられていました。

リベラルアーツの考えは、ヨーロッパにおける大学制度でも長く取り入れられ、その後アメリカやカナダなどでも取り入れられています。

ビジネスシーンでリベラルアーツが必要になる理由

リベラルアーツは、主に大学など教育部門で知られる言葉ですが、ビジネスシーンでも大いに役立ちます。しかし「専門的な知識のほうがビジネスで有益になるのでは?」と冠がる人も多いのではないでしょうか?

たとえば人材不足の問題に考えた場合、社会的背景・人材マネジメント・人材育成・採用手段・特定の部署における教育方法・業界・心理コミュニケーションなど幅広い視点から分析する必要があります。現在の複雑な社会情勢を踏まえ、多様な問題を解決するには、幅広い教養・知識が必要になるでしょう。

また、「こうあるべき」という確かな答え・正解がない問題が発生した場合、あらゆる問題を受け入れ、解決に導くことも求められるでしょう。自分の頭でしっかりと考えて本質をとらえられることは、多様で複雑なビジネスシーンにおいて、必須ともいえる重要なスキルとなります。

リベラルアーツは企業からも重要なスキルと認識されている

リベラルアーツは、一般社員はもとより「リーダー」にとっても欠かせない重要なスキルのひとつ。なぜなら、多くの社員が集まるチーム内で一定の方向性を指し示すため「リベラルアーツ」が求められるためです。

リクルートマネジメントソリューションズが従業員規模500名以上で大卒以上である部長以上の経営職・管理職 131名に対するアンケート結果によれば、リベラルアーツが必要(必ず・どちらかといえば、も含めて)とした人が合計82.4%にものぼっています。

参考:リクルートマネジメントソリューションズ|リベラルアーツは実践現場で役に立っているのか
https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201408/m36_research.pdf
なかでも「ものの見方」や「コミュニケーション」に関して必要性が高いと考えられているのがポイントです。さらに経営職や管理職にとって、意思決定に関して自分の軸を作ることや、多様なものの見方ができることが役に立つと答えた人が数多くいます。

企業内のトップ層において、リベラルアーツは企業経営において重要なスキルとされているのはよくわかるデータといえるでしょう。

ビジネスシーンでリーダーがリベラルアーツを活用する方法

リーダー職に就く方にとって、リベラルアーツを活用するシーンはさまざまです。たとえばなにかトラブルが発生した場合、解決方法を見出すには過去の実績やノウハウ・知識が重要になります。そこでリベラルアーツでの学びをビジネスに応用し、これまでにない新たな方向性で解決できる可能性もあるでしょう。

リーダーの知識を活用して方向性を指し示すだけでなく、自分のなかで確固たるブレない感覚を持っていること
で、しなやかで発展性のあるチーム作りが実現します。あらゆる問題に振り回されない芯のあるリーダーは、チーム全体の信頼関係にも好影響を与えるはずです。

リベラルアーツはどのようにして学ぶ?

リベラルアーツは、大学でしか学べないものではありません。社会人として活動している場合でも、学べる方法は多岐にわたります。根本的には、「なぜ」「どうして」という単純な好奇心を常に持つことが大変重要です。

たとえば「○○はどうしてできたのか」「○○が発展してきたいきさつや時代背景とは?」「どうしたら○○はもっと改善できるのか」など、自分のなかで疑問を持ち、都度解決するようにしてみましょう。

この考え方を忘れずに行うことで、これまで知らなかった新しい教養を培うきっかけになります。

湊音

元総務・人事キャリアを持つフリーライター。これまでの経験を活かし、「仕事」「働き方」などのテーマを中心に執筆活動中。女性がのびのびと多様な働き方を実現できるべく、常に新しい情報をキャッチしています。

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