スマホメモで仕事と人生が変わる!思考のメモ習慣のすすめ

カルチャー
「メモを取る」という行動が、何かと注目されている昨今です。しかし、実際のところ、紙のノートやメモを常に持ち歩くとのはなかなか大変なことです。
須藤亮著『スマホメモ|仕事と人生の質を上げるすごいメモ術 』より、いつも手元にあるスマホを使った新時代のメモ術をご紹介します。
2019.4.15

「自分の思考基地」になる「スマホメモ」

それは、人間の知識創造のベース、「自分の思考基地」としての機能です。そして、その重要な役割を果たすのが、本書で紹介する「スマホメモ」です。

002ページより引用
現在、マーケティングプランナーとして活動している著者は、早稲田大学を卒業後、博報堂に入社。マーケティング職、ストラテジックプランニング職として、35年もの間、大手企業を担当してきました。
博報堂での後半15年は海外赴任の期間が長く、トヨタ自動車をクライアントにトッププレゼンターとして活躍。2015年に博報堂を早期退職、株式会社TOMを設立して現在に至ります。
博報堂在職時より著者が実践していたという「スマホメモ」。5年もの間、コツコツとメモを溜め込んできた結果、自分にいいことが次々と起こり始めているのだとか。
さらには、スマホメモによって、自分の脳が一段と活性化、地頭がよくなったのではないかとさえ思えてきたのだといいます。
今や、どこに行っても人々が常に持ち歩いているスマホ。そもそも、その魅力は、世界中に散らばる情報、過去の情報をたちどころに集めることができる「世界のファインダー機能」にあると著者は語ります。
さらに、世界中のどこにでも、誰にでも発信ができ、コミュニケーションできる「世界とつながる機能」も大きな魅力の一つです。
そのような基本の機能に加えて、スマホにはもう一つ、大きな役割があります。それは、「自分の思考基地」となるうる機能なのだとか。それがスマホメモにより、実現できるのだといいます。
スマホのメモ欄は、何かしらの形ですでに使っている人が多いでしょう。しかし、世の中の事象から、さまざまな気づきや見方をメモする「思考メモ」の領域まで活用している人は、案外少ないのかもしれません。
自分の思考の無限倉庫になり、脳のキャパシティを広げるメモ術。ぜひ、知っておきたいものです。

ゆるだらでメモって「いつでもリマインド」

ではここから、スマホメモを実際にどうやるのか、わかりやすく解説していきます。ステップは3つです。①メモる、②見返す、③俯瞰する。以上、これだけです。

052ページより引用
今や、私たちの生活・行動全般において、スマホを持ち歩かない瞬間を探す方が難しいでしょう。そういう意味では、私たちはいつどこにあってもスマホにメモできる環境にあるといえそうです。
とはいえ、いつもメモすることを忘れずに何かを探している状況は、なんとなく気が休まらないような印象を受けます。しかし、スマホメモは、「いつでもどこでも気づきをメモるだけでいい」「しかも〝ゆるゆるだらだら〟でいい」のだというから気になるところです。
スマホメモは、クセになると楽しくなるようです。SNSに通じる一種の自己発信であり、だからこそ発散に通じると同時に、なんとなくスキッとするのだと著者はいいます。
人間の心の健康は、インプットとアウトプットのバランスで成り立っている。スマホメモによる脳からの吐き出しをゆるだらで行うことによって、自分だけのアウトプットにつながるのかもしれません。
そして、すぐメモるだけではなく、「いつでもリマインド」することも大事なポイント。
人は、一度考えたことを忘れ、また同じことを考える動物。考えていたことをリマインドすることで、さまざまな物事に対する効率アップも見込めそうです。

自分の思考のビッグデータをつくる

実際にメモをするにあたって、まず格納場所を用意して分類します。著者は、iPhoneに最初からセットされているメモ(アプリ)を使っているのだとか。iCloudに同期させているので、容量が気にならず、良いのだといいます。
そして、「仕事」「趣味やボランティア」などの大分類から、さらにいくつかに分類していきます。緻密でなくても、後で自分が引き出しやすい状況を作ることがコツであるといえそうです。
実際に始めてみると、何をメモすればいいのか、とまどってしまいそうですが、結局のところ何でもいいのだと著者はいいます。大事なのは、自分の意見を書こうとするのではなく、その時々に浮かんだ考えを、素直に脳から引き出すこと。
さらに、「世の中と自分」という関係式を意識。たとえば、何かの記事を見れば必ず自分の感想があるものですが、最もシンプルなものでいえば、「いい/悪い」という感情です。最初はそういうことをメモしておけば良いのだといいます。後でメモを見返したときに、そのときに脳が感じていたことが伝わる書き方が大事でしょう。
そして、書いたメモをリマインド。見返しつつ、メモが溜まってきたら全体を俯瞰で検証してみます。すると、別々の問題が一つに繋がっていることに気が付いたり、それがきっかけで新しいアイデアやテーマにたどり着くのだと著者は語ります。
スマホメモは、自分の思考のビッグデータになりうるのだとしたら、今から早速始めてみたいものです。

タイトル: スマホメモ|仕事と人生の質を上げるすごいメモ術
著者: 須藤亮
発行: CCCメディアハウス
定価: 1,620円(税込)

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター 。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。

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