2020.2.26
大人の躾とは生活習慣を変えること
人は毎年、歳をとりますが、年齢が重なれば自然に大人になるのではなく、誰かが大人にしてくれるわけでもありません。中略
1ページより引用
自分で躾けて大人になるのです。
インテリアアーキテクトであり、株式会社空間構造代表の著者。住宅・インテリア設計、住宅関連商品におけるデザインが専門分野で、生活研究やテーブルセッティング等にも造詣が深い人物です。
子どもと違って大人は、自分の生活習慣を自分自身でしっかりと管理していかなくてはなりません。
本著では、自分で自分を躾ける「大人の躾」についてまとめられています。それは、職場での振る舞いからプライベートな時間に至るまで多岐にわたっています。
本著では、自分で自分を躾ける「大人の躾」についてまとめられています。それは、職場での振る舞いからプライベートな時間に至るまで多岐にわたっています。
誰しも年齢はいつの間にか重ねていくものですが、人によってその様相は実にさまざまです。見た目は立派な大人に見えても、大事なときに幼稚な振る舞いをしている人は、案外と周囲にいるのではないでしょうか。
社会人となって職業を持ち、やがて役職で呼ばれるようになっていくからこそ、その過程で自分をきちんと躾けていかないと、誰からも助言されない困った人になってしまいます。
大人の躾とは生活習慣を変えることであり、比較的たやすくできると語っている著者ですが、どんな考え方があるのでしょうか。
大人の躾とは生活習慣を変えることであり、比較的たやすくできると語っている著者ですが、どんな考え方があるのでしょうか。
性格形成は習慣によるものが大部分
「性格を躾ける」の章では、良き性格とはどういうものなのかについて触れられています。
性格というと、持って生まれたものが多分にあるように感じてしまいますが、実はほとんどの部分は成長する過程における習慣から出来上がっていると著者はいいます。
性格というと、持って生まれたものが多分にあるように感じてしまいますが、実はほとんどの部分は成長する過程における習慣から出来上がっていると著者はいいます。
今まで「私はこうなんだ」と思い込んでいた性格というものをいったん忘れて、むしろ「こんな性格になっていこう」と新たに自分をどう躾けるかよく考えて実行していくことが大事なようです。
良い性格になれば、心身ともにパワフルになり、環境も接する人の態度も自然に変わってくるというのです。
良い性格になれば、心身ともにパワフルになり、環境も接する人の態度も自然に変わってくるというのです。
たとえば、良い性格の定義として、「鷹揚」「素直」「誠実」「丁寧」「優しさ」「辛抱強さ」「楽しさ」といったキーワードが挙げられています。
その中でも「丁寧」ということについて、こんな一文があります。
その中でも「丁寧」ということについて、こんな一文があります。
丁寧な人柄とは、丁寧な行為の積み重ねです
48ページより引用
面倒であったり時間がなかったりと、理由はいろいろとあるものですが、ついつい丁寧とはいえない言動に走ってしまうことがよくあります。
著者は、急ぐときほど丁寧に、見落としがないか注意していくことの大切さについて、本著で言及しています。たしかに、急場であればあるほど、その人本来の人格が露呈しがちです。
著者は、急ぐときほど丁寧に、見落としがないか注意していくことの大切さについて、本著で言及しています。たしかに、急場であればあるほど、その人本来の人格が露呈しがちです。
また、ビジネスにおける、メールのやり取りについても触れられています。
メールは簡潔に丁寧に、返事は早く返すこと。当たり前のようですが、なかなかできていないときもあります。迅速で的確な対応は、相手に対して丁寧な対応をしているということにつながります。
ちょっとした日々の行動ほど、丁寧さを忘れない習慣を身につけていきたいものです。
メールは簡潔に丁寧に、返事は早く返すこと。当たり前のようですが、なかなかできていないときもあります。迅速で的確な対応は、相手に対して丁寧な対応をしているということにつながります。
ちょっとした日々の行動ほど、丁寧さを忘れない習慣を身につけていきたいものです。
元気になる言葉を集める
「コミュニケーションの技を躾ける」の章では、言葉について触れられています。
言葉は自分の気持ちや考えを伝えたり、現状を報告したりといった役割を持っています。
ビジネスの場においては、感情や余分な装飾は不要な場合もありますが、人とのコミュニケーションという観点では、感情表現も必要になってきます。
言葉は自分の気持ちや考えを伝えたり、現状を報告したりといった役割を持っています。
ビジネスの場においては、感情や余分な装飾は不要な場合もありますが、人とのコミュニケーションという観点では、感情表現も必要になってきます。
相手が元気になったり、気分が良くなる言葉を積極的に選んでいくことも、躾が行き届いた教養ある人になるために大事なことでしょう。
上部だけではなく、本当に自分自身が感じたことをいつでもスッと表現できるように。楽しく美しい言葉を、日頃からストックしておくことを著者は勧めています。
たとえば、「素晴らしい」「素敵」「和む」「美味しい」などの言葉。「サクサク」「すっきり」などといった、気持ちの良い擬音語やオノマトペも含めて、元気になる言葉を日頃から集めておくと、いざというとき自然に使うことができそうです。
たとえば、「素晴らしい」「素敵」「和む」「美味しい」などの言葉。「サクサク」「すっきり」などといった、気持ちの良い擬音語やオノマトペも含めて、元気になる言葉を日頃から集めておくと、いざというとき自然に使うことができそうです。
そして、シンプルに「有り難う」という言葉をたくさん言うということも推奨されています。
折に触れて「有り難う」を言葉に出して、微笑むことができる人は、それだけで豊かな印象を受けます。ポイントは、考える暇もなく素早く言うこと。
タイミングを逃さず、感謝の表現を惜しまないことで、躾の行き届いた人物像に少し近づけそうな気がします。
折に触れて「有り難う」を言葉に出して、微笑むことができる人は、それだけで豊かな印象を受けます。ポイントは、考える暇もなく素早く言うこと。
タイミングを逃さず、感謝の表現を惜しまないことで、躾の行き届いた人物像に少し近づけそうな気がします。
タイトル: 自分を躾ける
著者: 加藤ゑみ子
発行: ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価: 1,600円(税抜)