2019.9.19
仕事ができる人は空間軸と時間軸を意識した考え方を持っている?
仕事ができる人の考え方には特徴があります。それは、物事を空間的に大きく、俯瞰的に把握して、さらに時間軸も加えて捉えていることです。言うなれば、4次元的な考え方とも言えますね。仕事ができる人ほど、本当に求められていることは何なのか、起きている事象のエッセンスは何なのか、眼前の目にする・耳にする部分だけではなく、仕事・役回りと影響する範囲の全体像を把握しようとするものです。
加えて、なぜ今のような状態に至ったのか、先々良くしていくには今どうするべきなのかなど、過去・現在・未来の時間軸まで思考の幅を広げた考え方をしています。
例えば、仕事ができる人がクライアントから、社内システムの小さな手直しを先方訪問時に突発的にお願いされたとしましょうか。言わずもがな、二つ返事で対応するようなことはあり得ません。自身と先方担当者の社内での立ち位置、自社やメンバーへの影響、他システムとの連携、今後の工数算出・見積もりへの影響など、空間軸・時間軸で眺めて両社や将来への影響を考慮するからですね。
他方、仕事ができない人の場合、これら空間軸・時間軸の考え方が欠如していることが多々あります。
仕事ができる人の考え方を、社会人になって早々に身に付けている方はほぼ皆無と感じます。しかし、30代にもなってくると、仕事ができる人の考え方を身に付けていないビジネスパーソンは、明らかに抜擢・出世のラインから外れることが目立ってくる印象です。
仕事ができる人の考え方で作業するとどうなる?
仕事ができる人の考え方で作業をするとどうなるか、一つの例を挙げてみましょう。上長から、「A社に米国産の飼料用トウモロコシを売り込むプレゼンをしたいので、年度別の生産量と市場価格を整理しておいて、」と依頼を受けたとします。仕事ができない人は、単純に米国における年度別の生産量と市場価格をチェックして、Excelシートなどに入力しておくだけで終わりです。
組織として目指すゴールを意識せず、どのようなトーンで纏めた方が良いのかなどを上長に確認せずに作業着手するため、大きな工数を要する手戻り作業・追加作業が生じる可能性が高いです。一方、仕事ができる人の考え方で作業するならば、プレゼン対象は先方のどのようなレベル・立場の方なのか、今回のプレゼンで目指すところと最終的に目指すところは何なのかなど、作業着手に先立って上長に話を聞くでしょう。
言わずもがな、プレゼン相手に響く資料を上長が効率良く作成できるようにするための配慮です。仕事ができる人の考え方があれば、さらに過去に似たような内容のプレゼン資料がないか、似たような内容のプレゼンを行ったことがある人はいないかなども、参考のために社内に確認することでしょう。アウトプットを明確にイメージしてから作業開始しますので、大きな工数の手戻り作業が生じる可能性は低いのですね。
おまけに、仕事ができる人の考え方を身に付けていれば、自身や組織の未来も読んでいるため、今回の作業結果で上長の自身に対する評価がどうなるのか、次にやり甲斐のある仕事をさせてもらうためには、今回は何をアピールをしておくべきかなど、そこまで意識して作業をするのです。
仕事ができる人の考え方を身に付ける具体的な方法は?
仕事ができる人の考え方を身に付けるためには、意識して自ら日々トレーニングするしかありません。具体的には、以下2つの日々実践です。まずは、空間軸で物事を俯瞰して捉えることを習慣化するため、自身や周囲を上から見下ろしてみたり、空から鳥の眼で眺めるイメージを持ってみてください。目を閉じて、自身の身体から意識が上に抜け出すようなイメージですね。自分の視界から外れていたものや、陰に隠れていたものが段々と見えるようになる感覚です。
眼前の自分の仕事のみならず、部局内における自身の位置付け、全社における自分の部局の位置付け、業界における自社の位置付けなど、物事の全体像を徐々に意識し、把握できるようになってきます。そうなれば、同時並行で生じる様々な事象を気付き、理解できるようになりますし、先手を打って能動的、効果的なアクションを起こせるようになってくるのですね。また、相手の行動の真の意図も掴めるようになってくるでしょう。
次に、時間軸で物事を捉えることも習慣化します。「これをすると先々どうなるのか?」「そもそもなぜこれは起きたのか?」現在だけでなく未来・過去との繋がりを常に意識して考える(感じる)クセを付けましょう。過去・現在・未来へと物事の流れがイメージできるようになり、現在の行動がこの先どのように自身や組織に影響してくるのか、徐々に描けるようになってきます。場合によっては、過去の清算すべき物事が見えてくることもあるのですね。