マルチタスクができなくても仕事の処理能力は上げられる!3つの方法

キャリア
仕事は効率良く行うためには、短時間に複数の仕事を進めるマルチタスクができればよいのでしょうか。実はそのようなマルチタスクは逆に仕事の効率を下げることが知られています。 そこでマルチタスクに頼らない仕事の処理能力を上げる方法を説明します。
2019.8.14

1 マルチタスクとは何か?できないことには理由がある

1-1 マルチタスクとは

マルチタスクとは本来、コンピュータの用語で「同時に複数の作業を行うこと」です。

しかしコンピュータは同じ時間に複数のことを並列して作業することはできません。人も同じように、並列して同時に複数の作業をこなすことはできないものです。

いくつかの作業を細かく切り替えながら同時進行で行うような進め方を、マルチタスクと呼びます。

1-2 人間がマルチタスクを苦手とする理由

人は同時に複数のことを行うことは難しいでしょう。たとえばメールのチェックをしながら返信する文面を考えつつ、電話で顧客対応するというのは難しいものです。どちらかに神経を集中させるので、もう片方の作業は止まります。

ただし、電話をかけて相手が出るまでの間にメールチェックをするといったように、隙間時間を利用することは可能です。

1-3 マルチタスクは無駄な時間を生む

空いた隙間時間を使ったマルチタスクは、効率のよい仕事の進め方のように思えます。しかしたとえば、電話の途中で返信するメールの内容に注意を向ければ、電話でどこまで話をしていたのか忘れることがあります。あるいは相手との約束を交わしておきながら、それをメモするのを忘れて頭からすっかり抜け落ちるといったことにもなりかねません。

このようなミスにつながる可能性もあるので、マルチタスクができないと気にする必要はありません。

1-4 マルチタスクは脳に影響を与えることも

マルチタスクを習慣にすることで、脳に影響を与える可能性があります。

まずマルチタスクを行うと、集中力の低下が懸念されます。ほかの作業にも注意しなければならないので、集中力が分散してしまいます。(※3)

また、ほかの作業に気をとられることで、余計なストレスを抱え、脳へのストレスが蓄積されがちです。ストレスが溜まると記憶力も低下するので、短期記憶を必要とする作業のパフォーマンスを低下させてしまいます。

2 マルチタスクができれば仕事の処理能力が高いのか

マルチタスクができるからといって、決して仕事ができるとは限りません。

2-1 マルチタスクでは質の高い仕事は難しい

たとえば運動をしながら考え事をするといったマルチタスクな活動は可能です。しかし基本的にビジネスにおいて、ふたつの仕事を同時にこなすのはほぼ不可能です。

つまり、一見すると複数の仕事を同時進行で進めている人は仕事ができると見られがちですが、実はその内容は精度が高いものではないというのが実情です。

中途半端にながら作業で進めることにより、ミスや課題を見落とす可能性もあります。

2-2 脳への負担が確実に増している

仕事の処理能力が高い人というのは、短時間に極めて高いパフォーマンスを生み出しています。一方で、マルチタスクでの仕事の進め方だと、仕事を切り替えるたびにどこまで作業をしていたのかを思い出したり、それまでの経緯を整理したりと脳に負担のかかる作業を行います。

これは確実にパフォーマンスを低下させます。

2-3 長期スパンでの段取りが組めなくなる(※1)

マルチタスクでの仕事に慣れてしまうと、短期的な成果に満足しがちです。たとえばほかの作業中にメールへの問い合わせに対応し、適切なアドバイスを送ったとしましょう。そこでひとつ成果を生み出したことに満足感が生まれ、そのように手早く成果を生み出す仕事を優先するようになります。

その結果、長いスパンで成果を生み出す仕事は後回しにするようになり、長期スパンでの段取りを組むことそのものをやめることにもつながりかねなくなります。

3 仕事の処理能力を上げる3つの方法

仕事の処理能力を上げるためには、パフォーマンスを高めなければなりません。

3-1 マルチタスクをシングルタスクに変えること

仕事は自分の都合で進めることができない以上、どうしてもマルチタスクにならざるを得ない側面もあります。

そこで意識的にマルチタスクをシングルタスクに変えていく必要があります。

仕事には思考を深めるものや作業的にこなすものなど、いくつかの種類があります。どうしても複数の仕事をマルチタスクに行わなければならないのであれば、同じ内容の仕事をまとめるようにしましょう。手がける仕事は違いますが、内容としてはシングルタスクに近い状態になります。(※2)

3-2 記憶には頼らないこと

マルチタスクでは仕事を中断するたびに、どこまで作業したのかを記憶せざるを得ません。それでは脳に負担もかかりますし、作業効率も低下します。

そこで仕事を切り替える際には記憶に頼らず、どこまで作業したのかを記録するようにしましょう。頭に入れる情報をメモなどに残すことで、脳への負担が軽減されます。

3-3 気になることは脇に置く

マルチタスクをしてしまうのは、並列して進行するほかの仕事が気になるからです。どうしても気になることは、その内容をメモ書きして一旦保留させるようにしましょう。

気になるからちょっと調べものを、と行動してしまうと、今の作業に集中できません。なるべくパフォーマンスを高めるための工夫を考えましょう。

まとめ

仕事を効率よくこなすためには、マルチタスクは決して必要ではありません。マルチタスクは逆に仕事のパフォーマンスを低下させることにもつながります。マルチタスクができなくても、今手がけているひとつのタスクに集中することで、結果的には効率的に成果を生み出すことにつながります。

※1
https://tabi-labo.com/178585/multitask-brain

※2
生産性10倍に?!「シングルタスク」に切り替える方法
https://next.rikunabi.com/journal/20180112_d/

※3
「マルチタスクは集中力を欠落させる」などデジタル社会が脳に及ぼす悪影響とは?
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/gigazine.net/amp/20150119-tech-bad-brain%3Fusqp%3Dmq331AQNKAGYAf3Qhu6Oo9SWUA%253D%253D

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future_captain

仕事の中で発見した“変動”のリズムから投資に目覚め、株式のうねり取りを得意とする。またポーカーの腕はかなりのもの。トーナメントに勝ち進むスキルは身に付けたが、その先のプレイ時間を確保できないのが悩み

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