仕事が多く、できる人ほど楽をして仕事をしているという現実

仕組み仕事術
気合いと根性だけでは、仕事は長続きしません。では、どうするか?——おすすめは「自分が働かなくてもいい仕事は、『仕組み』に働かせる」という考え方です。効率化に悩むビジネスパーソンへ、泉正人のベストセラー『「仕組み」仕事術』よりスペシャル版としてお届けします!
2018.4.6
「楽に仕事をしよう!」と考えたことはありますか? あなたが「仕事は楽になどできないもの」と思い込んでいるとしたら、これから仕事を早く正確に、より実績をあげる余地があると言えます。まずは、自分の仕事を「仕組み化」してみましょう。仕事もプライベートも楽しい毎日になることでしょう。

仕事を「いかに楽するか」という視点で考える

「仕組み」仕事術の原点となるのは、「面倒くさい」「やりたくない」という人間の基本的な性質です。しかし、仕事は「やらない」わけにはいかないので、「楽にやる」ことがポイントになってきますし、実現することができます。まず、「仕組み」で考える人は、つねにその仕事の「ポイント」を考えます。「その仕事を一番楽に、一番早くやるにはどうすればいいか」から外れることなく考えて、そこから仕事を組み立てているのです。
また、自分の能力を過信せず、他人やツールの活用を欠かしません。記憶力が必要なことはできるだけパソコンに頼って記録し、わからないことは恥ずかしがらずに聞き、自分より優秀な人間からどんどん学びます。つまり、自分の頭は「考えること」だけに使うのです。
時間とお金の関係を意識することも大事です。時間はいかに効率良く使うかで成果が変わってきます。自分の時間単価を知り、他人を雇うほうが効率的なら、自分では一切やらずに他のことに時間を使います。また、うまくいってる人の真似をして、素早く吸収し、自分の能力にすることも効率的です。プライドなどは一切不要でしょう。
世の中は自分が作った「仕組み」で動くか、他人が作った「仕組み」で動くか、そのどちらかです。自分で作らなければ、一生、他人が作った「仕組み」にコントロールされて生きていくことになります。自分を動かすルールは自分で作る、自分を「型にはめる」ことが自分の仕事を「仕組み化」する最大の目的でもあります。

成功体験を「仕組み化」する

では、自分の仕事に「仕組み」をつくるとは、具体的にどのようなことでしょうか。ひとつ目は、成功体験を「仕組み化」することです。プレゼンテーションが苦手な人がある日、手応えのあるプレゼンをすることができたとします。「たまたま上手くいった。良かった!」で終わらせてはいけません。なぜ上手くいったのか、喜ぶだけでなく、その理由を分析することが大切です。
・服装は?
・本編に費やした時間は何分だったか?
・声のトーンや身振りは?
・内容や資料に変化はあったか?
・聴衆にどんなことがうけたか?
などの項目を分析して、うまくいったときのやり方をデータで取っておき、自分に合ったプレゼンのパターンをつくりあげていくのです。失敗したときはその「仕組み」を改良して、精度を上げていきます。ポイントはゼロから始める無駄をなくすことです。

ルーチンワークを「仕組み化」する

ふたつ目はルーチンワークを「仕組み化」することです。例えば出張のときの持ち物を、「下着と着替えは×日分」「パソコンの電源、カメラのバッテリーに……それから……」と毎回考えてはいませんか。年に1度のバカンスの準備であればひとつひとつ吟味しながらの荷造りも楽しいでしょうが、忙しい仕事の合間の出張準備に頭を悩ませるのは時間の無駄です。パソコンで荷物のチェックシートを作っておき、出張のたびにプリントアウトして荷造りすれば、忘れ物もなく準備ができます。さらに気づいたことがあれば、その都度更新していきます。こうして「仕組み」を作っていきます。考えなくてよいことにわざわざ頭を使う必要はありません。「仕組み化」すれば、頭も時間も使わずに、完璧に作業を素早く終わらせることができるのです。
最後にもう一度、「仕組み」で考える人の7つの習慣をまとめておきます。
①楽することにこだわる
②シンプルに考える
③記憶せずに、記録する
④わからないことは聞く
⑤自分の仕事を時給で判断する
⑥うまくいってる人の真似をする
⑦自分を「型」にはめる
いかに労力をかけないかという視点を、常に忘れないようにしましょう。

泉 正人

ファイナンシャルアカデミーグループ代表、一般社団法人金融学習協会理事長

日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの3つの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりのある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着をめざしている。『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。一般社団法人金融学習協会理事長。

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