『仕組み仕事術』実践編。著者代表の「お金の学校」が実践する5つの仕組み化

仕組み仕事術
この春からマネジメントの立場になるビジネスパーソンのみなさん、『仕組み仕事術』は、実際に現場で活かしてこそ。とはいえ、みなさんの「どうやったらいいの?」にお答えして、著書が代表を務める「ファイナンシャルアカデミー」で実践しているテクニックを公開します。明日からでもすぐに仕組み化できる、5つの簡単テクニックです。
2018.3.22

仕事の課題は「仕組み化」で解決

ビジネスパーソンのみなさんと同じように、当校にも業務上の課題が多くあります。実は課題のほとんどは個人の能力に頼らず、「仕組み化」で解決できるものです。
たとえば、当校では社内メーリングリストに加え、外部のパートナーや講師、アテンドスタッフなど、メールの量は膨大になります。
メールを処理するのに多くの作業時間をとられてしまうことが課題でしたが、効率化をはかるために実践したのが1つ目のテクニックです。

1)外部のツールをフル活用して、作業を効率化

メールの処理方法にルールを決め、あわせてGmailなどのツールの機能を活用しています。そのルールはたった1つで、「メールは5秒以内に判断し、その場で返信する」こと。つまり、メールを読むのを1回と決めるのです。判断材料がないなど、その場で返信できない場合は、その旨を相手に伝えるか、またはGmailのスター機能で他の既読メールと分けておき、時間ができたときに一気に返信するようにします。丁寧な文章を書こうとせず、シンプルに結論だけを書く習慣をつけ、とにかくメールを放置しないことが大切です。
また、プロジェクトの完了、保留などは色変えできるラベルで状況把握したり、カテゴリーごとにフォルダのように使うと、より使い勝手がよくなります。このように自分ルールとメーラーの機能をうまく組み合わせることで、メールの仕組み化ができあがります。
課題解決の2つ目は、

2)ミス撲滅委員会

言うまでもありませんが、仕事でのミスやトラブルはつきもの。対処にも時間がかかりますよね…。けれど、そのミスが再発してしまうことが、いちばんの時間の無駄ではないでしょうか。
そこで、当校では「ミス撲滅委員会」を結成し、ミス再発をなくすために仕組み化を行っています。仕事でのミスやトラブル発生時は、人を責めるのではなく、「仕組み化」が不十分であるという認識で再発防止に取り組みます。そしてその解決策をメーリングリストで流して、社員全員で共有するようにしています。また、「ミス撲滅シート」を作り、そこに発生したミスと解決方法をストックしていきます。登録した件数が1ヵ月で累計30件を超えたら、ランチタイムに豪華なお弁当やカレーのケータリングがくるというご褒美つき!このように、「社内のミスをあげやすくするための仕組み」も同時に機能しているのです。
ミスやトラブルは必ず起こるものですし、人を責めずに「仕組み」で改善していく。課題は「仕組み」でしっかりと解決していけるのです。

作業のフォーマット化で生産性をあげる

マネジメントの立場では、自分以外の人も同じ仕事ができるように仕組み化をし、他の人に仕事を振れるようにしていくことも大切です。つまりは、作業系の仕事のフォーマット化ですが、3つ目のテクは、

3)誰でもできるチェックシート

チェックシートを使って、自分でなくても仕事ができるような仕組みを作っています。
当校ではこのシートはエクセルで作成し、社内の共有フォルダに入れて、誰でもすぐに取り出して見られる状態にしてあります。コツは経験のない人でも考えずにできるように、TO DO(やること)と詳細(具体的な行動内容や、関連資料など)にわけ、詳細はできるだけ細かく書き込みます。新入社員やアルバイトなど経験のない人が判断なく仕事を進められるツールにすることがポイントです。当校では社内のミーティング、面接、計算ソフトの使い方、最後のオフィスを出る人がやることなどなど、個々の業務から会社全体の動きに関わるものまで、単純作業はすべてチェックシート化しています。
チェックシートを作るのには時間が必要ですが、この仕組みを導入してしまえば、おおげさではなく1時間かかる仕事が5分で終わるようになりました。さらに、4つめのテクもあわせて活用をおすすめします。

4)共同編集会議

定例のミーティングは、最初にリーダーと担当者で議題をリストアップし、その議題にそって話し合いが進められます。その過程でアイディアのストック表やチェックシート、数値の管理など、さまざまな資料を見る必要がありますので、あらかじめチームメンバー全員がデータを同時に見れるよう共有設定をしておき、同時に資料を見ながら会議を進め、必要に応じてその場で加筆修正ができるようにしておくことが、重要なコツです。
また、更新したらメーリングリストで共有することもルールにしています。このミーティングの仕組み化によって、会議の準備時間が短縮され、事前に資料をプリントアウトするなどのアナログな準備がなくなります。そしてなにより、効率よく会議が進行され、短時間で質の高いミーティングが実現しています。

成功体験は「仕組み化」する

見落としがちですが、仕事の効率化やモチベーション維持には、作業環境が大切です。そこで最後のテクニック5つめは、

5)自分の作業しやすい環境をつくる

わが社のオフィスは通常はフリーアドレスで席と席の間に壁はありませんが、一部パーテーションのある席を設けています。これは集中して作業、または思考ができるようにするためです。たとえば、この席で仕事をする時間帯を決めることで、集中時間がルーチンになり効率化できます。
また、「こだわりの飲み物」や「疲れたときのストレッチ」などを個人個人が取り入れていますが、これは仕事の成功体験を仕組みに活用しているのです。自分の仕事がうまくいった、作業がはかどったときの体験をデータにし、その理由を分析して、その要素で環境を作る。これは、プレゼンなどにも応用しています。マネジメント職は部下と上司の間の板挟みポジションだからこそ、集中できる時間や環境をどうつくるか? また、チームメンバーのためにも活用するべき仕組みと言えるでしょう。
1) 外部のツールをフル活用して、作業を効率化する
2)ミス撲滅委員会で、ミスが起こらない仕組みをつくっていく
3)誰でもできるチェックシートで、他人も自分と同じ仕事ができるようにする
4)共同編集会議で、ミーティングを効率よく進める
5)自分の作業しやすい環境をつくり、集中できる時間を確保する
ファイナンシャルアカデミーで実践されている5つの仕組み化、いかがでしたでしょうか。『仕組み仕事術』は、現場で取り入れてこそ力を発揮するものです。小さな仕組みからでも良いので、ぜひあなたのチームや会社で取り入れてみてください。忙殺されていた毎日に、変化が訪れるはずです。