2018.3.7(2019.12.17更新)
仕事の進め方や時間の使い方が上手な一流のビジネスパーソンたちは、「面倒くさい」という感情こそが大切だと言います。
「時間をかければ仕事の成果が上がる」は間違い
現代のビジネスパーソンは時間に追われています。人手不足、次々と降ってくる課題の解決と、日々仕事をしていくうえでの最大のハードルは、「時間がない」ことではないでしょうか。そんな状況下でも、仕事にはできるだけ時間をかけたほうが、よい結果を得られると考えるビジネスマンはまだまだ多いようです。
しかし、人間に与えられた時間は1日24時間と誰でも平等。どんなに仕事ができる人でも、それを増やしたり、貯蓄するのは不可能です。時間をかけることが成果につながる方法であるとするならば、いずれ限界がきてしまうこは明白です。時間はかけるのではなく、仕事の進め方や時間の使い方の工夫で「時間の質」を変えること。
それが長く、確実に仕事の成果を上げていける唯一の方法なのです。
仕事には「作業系」と「思考系」がある
「時間の質」を変えるとは、限られた時間を有効に使うこと。それには仕事の効率化が重要になってきます。わたしたちが日々、仕事でどのように時間を使っているか考えてみましょう。
仕事の時間は「作業系」「思考系」と大きく2つに分けることができます。「作業系」の仕事の特徴は、頭を使わないで処理できる仕事。手や体を動かす行動をともなう実務作業で、書類作成、会議の準備、議事進行、机の片づけなどのルーチンワークであることが多いです。
一方、「思考系」の仕事の特徴は、頭を使って考える必要のある仕事のこと。新規事業のプランニング、企画立案、原稿執筆、経営戦略、人事考課などの知的作業です。多くのビジネスパーソンは、7~8割を「作業系」に費やしているように感じますが、仕事の成果を上げるためには「思考系」の仕事時間を増やすことが重要です。
そのためには、「作業系」の仕事は効率化し、仕事のアイデアが生まれる「思考系」の仕事が将来の成果につながり、自分も会社も成長していけるのです。
「面倒くさい」仕事を「仕組み化」してみる
「作業系」のルーチンワークを、「面倒くさい」仕事と感じているならば、あなたは一流のビジネスパーソンへの入り口に立っていると言えるでしょう。「面倒くさい」とは一見、ネガティブに聞こえますが、この感情こそが「仕組み」をつくる出発点。簡単に言ってしまえば、面倒くさいことは、徹底的に楽にやることを追求する。つまり、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」の「仕組み」にすることで、効率化を図ります。
「面倒くさい」の意味について、もう少し説明しましょう。
「面倒くさい」にも2種類あります。①頭で考える必要のある、「思考系」の面倒くさいこと。これは進んで行うべきことです。②頭で考える必要のない、「作業系」の面倒くさいこと。こちらは徹底的に楽をする。あなたの頭で思考することは、あなたにしかできないことです。他人にまかせられる「面倒」は「仕組み化」して、自分にしかできないことに時間を使いましょう。
「面倒くささ」にはこんなものもあります。「部下にやり方を説明するのは面倒くさいから、自分でやってしまおう」。これはいちばん危険な考え方です。慣れた仕事は、正直自分がやったほうが早いことは確かです。また他人は自分が思ったようには動いてくれないものですし、性格の違う他人を自分の代わりに動かすには、自分が動くのとまた違ったスキルや労力がいるもの。しかし、それではいつまでたっても「作業系」の仕事から抜け出すことはできません。
一流のビジネスパーソンと呼ばれる人たちは、「面倒くさい」作業こそ「仕組み化」して効率化すべきことを知っています。自分の仕事を「作業系」「思考系」の2つに分けて、「作業系」は迷わず「仕組み化」します。
そして捻出した時間でひたすら頭を使い続け、高度に情報化された現代のビジネスシーンを勝ち抜いているのです。ビジネスの世界においてさらに上を目指そうと考えているあなたは、「思考」というあなたにしかできない仕事の時間を確保することが、未来を作ることになるのです。