2019年12月13日 更新

災害大国、日本だから取りたい「防災」の資格!役に立つのは?

地震、台風、火事、豪雨に噴火。災害大国、日本には「防災」の資格がいくつかあります。「防災士」や「救命救急講習」は自治体が住民に取得を奨励し、大きな建物は「防災管理者」の配置が義務づけられ、「危機管理士」もあります。役に立つのはどれでしょう?

2019.12.6

防災関連の資格で最もポピュラーな「防災士」

9~10月、日本列島に台風15、19、21号が次々と襲来し、各地に風水害をもたらしました。10月31日には沖縄県の首里城正殿が火災で全焼しました。「首都直下地震」「南海トラフ地震」への危機感も高まるばかりです。
災害に備えて多くの企業が、災害発生時にいかにして重要業務を継続させ、生き延びるかという「BCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)」を作成しています。行政任せにはしない危機管理の重要戦略で、ビジネスパーソンも防災と無縁ではありません。
災害大国、日本には防災関連の資格がいくつかあります。取得すれば新しい仕事に就ける、独立・開業できる、キャリアのステップを上がれるという性格のものではありませんが、災害に直面した時にどうすればいいか的確に判断できれば「何かあった時に頼りになる人」と良い評価がついたり、BCPの作成にあたって意見を求められるかもしれません。災害で被災して避難所に入ったり、災害復旧支援のボランティアに行く時にも身につけた知識が役に立ち、他の被災者から感謝されるかもしれません。防災関連の資格は勉強して取得して決して損はしないでしょう。
最もポピュラーなのが2003年からある「防災士」です。NPO法人の日本防災士機構が認定する民間資格ですが、全国の自治体が職員や消防団員、住民に取得を奨励していて、ステータスは高いと言えます。防災士の認証登録者は現在累計約18万人で、災害時にボランティアリーダーとして活躍しています。
防災士になるには日本防災士機構が認証した研修機関が実施する「防災士養成研修講座」を受講し、日本防災士機構が実施する「防災士資格取得試験」を受験して合格し、さらに全国の自治体や消防署、日本赤十字社などが主催する「救急救命講習」を受講する必要があります。トータルで費用は6万円ぐらいかかりますが、住民が取得する場合、費用の一部を補助してくれる自治体もあります。

年間100万人以上が受講する公的資格「救急救命講習」

防災士になるためには受講が必要な「救急救命講習」の修了証は、それ自体が各自治体の消防本部、消防局が認定する公的資格です。自治体や消防署、日本赤十字社などが実施し、教職員、保育士、介護職員、一般住民など年間100万人以上が受講・修了しています。
「救命入門コース(胸骨圧迫とAEDの使用法中心/90分)」「普通救命講習Ⅰ」(成人対象の心肺蘇生法、AEDを用いた除細動、気道異物除去、止血法など/3時間)、「普通救命講習Ⅱ」(より高度な救急救命措置/4時間)、「普通救命講習Ⅲ」(小児対象の救命処置と応急手当/3時間)、「上級救命講習」(普通救命講習+外傷救護、熱中症・やけどの対応、搬送法など/8時間)に分かれ、それぞれ人形を使った講習、実技試験、筆記試験があります。修了者が最も多いのは「普通救命講習Ⅰ」で、費用は自治体によって異なりますが、無料から高くても数千円程度です。
なお、神奈川県の川崎市や秦野市、神戸市などは救急救命講習修了者に「市民救命士」という独自の名称の資格を出しています。
なお、救急車に乗り込み出動する「救急救命士」は、救急救命士養成校に2年間通い、さらに消防士(救急隊員)に採用され実務につかないと取得できないプロの国家資格です。
24 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

大人の常識ープラスチックの海洋汚染、無関心ではいられない!

大人の常識ープラスチックの海洋汚染、無関心ではいられない!

最近、エコバッグを持って買い物に行く人がとても多くなりました。それでも、プラスチックゴミは増え続け、海洋汚染はますます深刻な問題となっています。環境問題の1つとして、もはや他人事ではない状況になっているプラスチックゴミについて考えます。
相手に良い印象を与える方法とは?今すぐ見た目を変えるテクニック

相手に良い印象を与える方法とは?今すぐ見た目を変えるテクニック

ビジネスをしていくうえで、性別を問わず見た目は大事であるといえるでしょう。若々しさを無理に取り繕うのではなく、年齢にあわせたいい印象をうまく作り出したいものです。 山口遊子著『見た目はすぐに変えられる』 より、いますぐできる見た目をいい印象に変える方法をご紹介します。
ハイテクを活用する「スマート介護」とその「資格」が、介護の人手不足を解消させる?

ハイテクを活用する「スマート介護」とその「資格」が、介護の人手不足を解消させる?

介護業界の人手不足は深刻ですが、それを解決する突破口として期待されるのがロボットや情報通信技術で介護職員の身体的、精神的負担を軽減する「スマート介護」です。導入するだけでなく、その専門資格を設けることでも、人手不足の緩和につながりそうです。
「いつかは住みたい」トロントでの生活費

「いつかは住みたい」トロントでの生活費

カナダの南部、アメリカとの国境付近に位置するトロント。カナダでは最も人口が多く、金融の中心として発展してきました。市制が敷かれたのは19世紀に入ってからですが、それ以降、移民の移住も多く、今ではコスモポリタンの街と言われています。そんなトロントの生活についてお伝えします。
企画・常設・巡回展・・・「基礎用語」を知って美術展をより身近に、自由に!

企画・常設・巡回展・・・「基礎用語」を知って美術展をより身近に、自由に!

草花が日に日に色づき、頃は春。春の展覧会開幕シーズンです。 ・・・と明るく始めたいところですが、今年に限っては、“陽気に誘われて外出”もままならなくなってしまいましたね。こんな機を利用して、今回は春以降開催予定の美術展情報を例に、美術展情報の「基本用語」見直してみましょう。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS