2019.9.27
成功したいならば消費・浪費よりも自己投資を最優先?
投資とは、リターンが見込める対象に有限のお金・時間を投じる行為です。また、戦略の定義は、自社や自身のリソースをどのように配分して、最大化を図ってゆくのかを考える作業だと言えます。投資戦略とは、有限のお金と持ち時間をどこに、どのように投じるかを考えてゆくことに他なりません。ここから自己投資とは、自身に対して限られたお金・持ち時間を投じてブラッシュアップを図り、投じたお金・時間以上のリターンを将来に期待する行為、ということになるでしょう。
世界有数の投資家であるウォーレン・バフェット氏ですらも、実は「自己投資こそが最も割の良い投資」であることを喝破されていたりします。つまり、ビジネスパーソンであれば、消費・浪費を後回しにして、自己投資に自身のお金・時間というリソースを最優先で投じるべき、ということになりますね。そもそものお話、「投資が先で消費は後」という考え方は、成功者にとっては極めて常識的なことです。
ところが、投資は消費・浪費に比べると、目に見えるカタチでのリターン(快感・満足感)に時間差があることが特徴です。多くの方が自己投資よりも、消費・浪費に走りがちになる所以でしょう。成功を目指すビジネスパーソンならば、早い時期に自己投資のクセを付けておいた方がベターです。ただし、ここで言う自己投資とは、資格取得のように狭い意味に限定したものではありません。
自己投資は生きている限り裏切らない?
上でも触れましたが、自己投資はあらゆる投資の中で、最も多くのリターンが望める効率の高い投資であると言われます。FXや株式など金融商品に投資をする場合を想像してみましょう。どれほどシッカリとテクニカル面での分析を行ってポジションを建てたところで、自身の力量とは無関係の外的要因(ファンダメンタル要因)により、いとも簡単に投資対象の価値が下落してしまうリスクが存在しています。
私自身も現在は個人投資業ですから、この辺のリスクは常に背中合わせです。投資対象が仮想通貨であれ、海外不動産であれ、自身でコントロール不可能なリスクを想定し、受け容れておく必要があるのですね。もう一つ、起業しての初期費用は、まさにビジネスの初期投資と言えるでしょう。例えば、飲食店を開業したとして、何らかの理由ですぐにお店を廃業するような事態に陥った場合、備え付けた什器・備品の類いは全て処分することになります。
つまり、初期投資は無駄になってしまいます。他方、自己投資であればどうでしょうか。自己投資は、自身の知識を拡げ、経験値を高めるためにお金や時間を投じる行為です。早いお話、自分が生きている限り奪われることがないし、価値が下がることもありません。例えば、コミュニケーション能力や語学力の向上、副業や資産運用のノウハウを身に付けることは、有効な自己投資でしょう。
ただし、取得した知識やノウハウも時間経過で陳腐化したり、劣化したりするリスクはあります。能動的に自己投資を続け、知識やノウハウのアップデートを図ることが肝要になるのですね。
自己投資ならば資格取得を狙わない方が得策?
自己投資となると、多くのビジネスパーソンが資格取得を目標に置きがちです。しかしながら、往々にして有限のお金・時間の浪費に終わる結果になりやすいものです。かつての総合商社勤務時代、私の周囲にも中小企業診断士やファイナンシャルプランナー、USCPA(米国公認会計士)などの資格を、貴重なお金・時間をかけて取得した方が複数いました。ところが、本業には全く活かせていない方が大半で、完全に資格という宝の持ち腐れ状態になっていたのですね。
自己投資として資格を取得すると、自身が成長した気になりますし、有名大学出身者であれば試験勉強が得意で、資格取得が比較的苦にならなかったりもします。就職/転職活動においても、多少のアピール材料や話のネタになるかも知れません。しかし、ここが落とし穴で、ほとんどの資格は限られた場所・状況下でしか活用できないものなのですね。要は、有限のお金と時間を投じても、それに値するリターンが得られない資格取得となっているケースが多いのです。
実際、社内外から高く評価され、早期に昇進・抜擢されてゆく方は、自己投資=資格取得という捉え方は決してしないものです。言わずもがな、その資格取得に合理的な理由があるならば問題ありません。例を挙げれば、「大手監査法人に入って総合商社の監査を担当したいので、USCPAの資格を取得する、」「30代前半までに海外駐在を経験したいので、社内基準のTOEICスコア860点をクリアする」などですね。
自己投資として資格取得が視野に入ってくるのは、業務上・キャリア形成上で必須資格のケースに限る、と考えておくのが無難です。