収入を増やすためにできること

お金がもっと欲しいと思って取った行動が、実は、お金を遠ざける結果になっているかもしれません。NG行動に気づき、 “発想"を少し切り替えることで「お金持ち体質」が手に入ります。泉正人の最新刊『お父さんのこづかいは減らすな』より特別編集編をお届けします。
2018.2.13

収入を増やすためにできること

 家計に余裕を持たせるには、2つの方法があります。
 ・支出を減らすこと(節約)
 ・収入を増やすこと(昇進・転職・起業の成功)
 この2つのうち、比較的簡単にできて、すぐに効果があらわれるのは節約です。
 その安易さから、多くの人は収入を増やすことを初めからあきらめて、節約だけに走ってしまいがちですが、それはもったいないこと。
 普通の会社員が収入をアップさせることは、決して難しいわけではないからです。
 仕事に励んで昇進するというのも現実的ですし、より収入の高い仕事に転職をするというのも、羽根さんのように30代なら難しくないでしょう。
 そして、起業もそれほどハードルが高いことではありません。
 株や不動産などを保有して運用する会社員も大勢いますし、ブログやアフィリエイトなど、今はネットを使ったビジネスがいろいろあります。
 繰り返しになりますが、収入をアップさせるためには、必ず投資が必要になります。
 ジャンプする前に、ヒザを曲げるのと同じです。ヒザを大きく曲げないと高く跳び上がることはできません。
 会社内で昇進するためには、より一層、能力を高め、ほかの社員とコミュニケーションを図ることもとても重要になるでしょう。
 転職するには、資格や、社外での新たな経験が必要になるでしょう。それを身につけるには、コストもかかります。
 副業や起業ならば、まったく知らない業界のことを知るための勉強時間やコストは絶対に必要です。
 時間もお金も投資せずに収入をアップさせることはできないのです。

おこづかいの使い道が大事

 羽根さんの家庭が家計改善を図るなら、一家のなかの「利益を生む場所」であるお父さんにまず投資をすることが一番効率がよいでしょう。
 そして、羽根さんに時間の価値を高めるような勉強や経験を積んでもらい、収入をアップしていくというやり方が王道と言えるでしょう。
 会社においても、一番稼いでもらいたい部署にスキルの高い人材を配置し、さらに予算を多く配分します。それと同じロジックです。
 ところが、単に支出を減らすことを目的に、将来のために必要な投資まで減らしてしまうと、いつまでたってもお金が生まれない状態が続いてしまいます。少ないおこづかいだと、毎日数百円のランチ代しか使えないというガマン生活が、子供が独立するまで続くことになります。
 そして、その背中を見てきた子供も、自分への投資の思考がなくなり、節約だけで過ごす社会人生活が始まってしまうのです。
 その状態が普通になってしまうより、収入を増やし、将来の選択肢を持つ生活を目指したほうが、未来が明るくなり、かつ精神面でもスッキリするのではないでしょうか。
 ただし気をつけるべきは、投資資金(おこづかい)の使い方です。
 このおこづかいを使って、仕事の憂さを晴らすために飲み歩くなどという使い方はやっぱりダメです。
 お父さんも、このおこづかいは「投資」であるということを意識して使わなければなりません。 「自分の能力を伸ばすための投資」にお金を振り分けない限り、ムダ遣いになってしまうので、いくら言っても投資に振り分けられない場合はおこづかいを減らしてもいいでしょう。

お金の教養 その1

お父さんの「こづかい」を〝投資〟と考える。

泉 正人

ファイナンシャルアカデミーグループ代表 一般社団法人金融学習協会理事長

日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの3つの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりのある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着をめざしている。『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。一般社団法人金融学習協会理事長。

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