2017年12月18日にグローバルなエコの潮流を受け、豊田章男は以下のような「夢」を会見で語りました。
「2030年までに世界中を水素カーが走り回っていることをお約束します!」
そう、豊田章男はトヨタの全車種に電動車の展開・エンジン専用車の廃止を発表したのです。
年間販売台数で言えば1000万台の超大規模自動車メーカーの自動車全てが水素カーになると、記者団の前で宣言をしてしまいました。この会見では記者団が騒然としたのはもちろんのこと、全社員が驚き、慌てふためいたと言います。
会見では、「無理だ」「ありえない」と言った怒号にも近い声が溢れかえりました。
確かにトヨタ全車種を水素カーに変えるなどというのは「ありえない」と言えるかもしれません。
しかし、これまで「ありえない」と言われてきたトヨタ自動車の業績V字回復。それからの過去最高益水準までの業績向上。賛否両論あったトヨタ車の米国販売は今やトヨタ自動車のメインの収益になりトヨタの経営基盤となっています。
この業績は全て「ありえない」と言われてきた問題や課題に、夢を語り、挑戦し続けてきた豊田章男がいたからこそだと言えるのです。
夢を掲げて行動することで自然と経済が動き出す
では豊田章男は「お金儲け」を考えて、これまで紹介したような「夢」を打ち出したのでしょうか。とてもそうだとは思えません。なぜなら大きなリスクが伴い、下手をすればトヨタ自動車は倒産をするかもしれない挑戦ばかりだからです。
豊田章男が焦点を当てるのは、「この世界がどうなれば理想的なのか」ということです。
それはつまり「夢」であり、それを語り、どれだけ難しくても実行するということで自然とお金や人が集まり出すのです。
エコロジーと車という一見両立が難しい二要素が両立した理想的な「水素カー」、経済的と車の所持を両立させたソフトバンクとの提携カーシェアリングサービス。
実現不可能に思える「ありえない」ことだからこそ、その「夢」を語ることが実現に繋がり、経済が動くのだと言えるでしょう。