気が利く人の3つの共通点とは?職場で輝く気づかいスキルの高め方

どんな仕事においても、気づかいがうまくできる人は、周りも自分も輝いて見えます。良い人間関係を育み、仕事を円滑に回すための気づかいスキルを高めていきたいものです。 能町光香著『もっと誰からも「気がきく」と言われる46の習慣』 より、気づかいの心構えをご紹介します。

2019.8.19

「気づかい」のコツは観察すること

いくらマナーが美しくても、どんなにマナーが正しくても、そこに「心」が伴っていなければ、相手に「気づかい」として届くことはありません。
004ページより引用
株式会社リンク代表取締役であり、日本秘書アカデミー代表の著者は、ティファニーなどの一流企業において、社長や重役といったトップマネジメントを補佐するエグゼクティブ秘書を務めてきました。
起業後は、講演や企業研修、執筆活動を精力的に行い、「気がきく社員の仕事術」などのセミナーが好評を博しているのだといいます。
10年もの間、「気づかいのプロ」といわれる秘書として活躍。その後は、「気づかいの専門家」として、その本質を伝えている著者は、多くの人たちから相談を受けてきました。特に多かった内容は、「なぜ、うまく気づかいができないのか、自分でもよくわからない」といったこと。マナーを教えてくれる専門家はいても、気づかいについて教えてくれる人は、なかなかいないようです。
本著では、表層的なマナーではなく、気づかいの基本となる46の心構えや考え方がまとめられています。
相手に喜んでもらえる気づかいのコツは、相手をよく観察することであると語る著者。気づかい上手になるためには、試行錯誤を繰り返していくこと。こうしたら喜んでもらえるのではないかと想像し、実践していくところにポイントがあるようです。

気がきく人になるための3つのキーワード

私は、気づかいの始まりは“相手のことをリスペクト(尊敬)すること”だと思っています。
014ページより引用
いつでも気がきく人には、3つの共通点があると著者はいいます。
キーワードは「相手ありき」「尊敬する」「先読みする」。当然のように感じるキーワードですが、意外と基本ができていない人が多いのかもしれません。
秘書の仕事は、上司の仕事の生産性を最大化するための補佐をすること。その内容は、お茶くみや出張の手配といった仕事だけではなく、上司の代わりにチームを動かしたりするシビアな内容まで多岐にわたるようです。
しかし、それはあくまで上司が望んでいるというということが条件になります。
上司が何を求めるかによって、内容や範囲が大幅に変わってしまう仕事であるといえるでしょう。相手の趣味嗜好と、自分がしていることの方向性が一致していなければ、気がきくことにはなりません。
そして、本物の気づかいに大事なことは、リスペクトであるという著者。上司の人となり、していることも含めて、あらゆることに配慮していくことが尊敬につながるといえそうです。
また、できる上司の中には、先読みができる人が多いものです。自分のするべきこと、人にしてもらうことの何十手も先を見ている。著者の場合は、そんな上司の姿勢から、学ぶことが多かったようです。
信頼されるコミュニケーションには、一歩や二歩、常に先を読んだ行動がある。相手を尊敬し、先読みしていくことで、気がきくスキルを高められるといえそうです。

言いにくいことを上手に伝える

きちんとコミュニケーションが取れる人は、気がきく人につながるということはわかります。しかし、言いにくいことを上手に伝えるということも大事なようです。
気がきくということは、何でも言うことを聞いてくれる人ではないということ。むしろ、断るべきときには、キッパリNOと言った方がいいのだとか。
断るときに一番気を回さなくてはならないのは、その理由にあるといいます。
内容をできるだけ具体的に提示し、断るタイミングは早めにした方が良さそうです。
頼まれていることを断るということは、相手の厚意を裏切るような気分になるものですが、断ること自体は決して悪いことではない。むしろ、YESかNOかがよく分からなかったり、直前にキャンセルするドタキャンの方が、よほど良くないといえるでしょう。
いい人、優しい人、頭のいい人とは少し違う「気がきく人」。周囲から感謝と信頼を集める習慣を、無理なく身につけていきたいものです。
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タイトル: もっと誰からも「気がきく」と言われる46の習慣
著者: 能町光香
発行: クロスメディア・パブリッシング
定価: 1,280円(税抜)
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(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター 。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。
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